NHKさかのぼり日本史 外交篇[4]幕末 独立を守った“現実外交" なぜ、植民地化を免れることができたのか

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著者 : 犬塚孝明
  • NHK出版 (2012年11月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815649

NHKさかのぼり日本史 外交篇[4]幕末 独立を守った“現実外交" なぜ、植民地化を免れることができたのかの感想・レビュー・書評

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  • 本書では、幕末の歴史が詳細に展開されているが読みやすい。歴史書は、詳細になればなるほど学術書にはなるかもしれないが、一般書としては失格なことが多いが、本書が読みやすいのは著者の力量だろう。
    本書で明らかになっているのは、徳川幕府の外交が決して劣ったものではなかったことであるが、その「現実外交」が「植民地化を免れることができた」ことの主因であるとの見解には、やや首をかしげた。アジアで植民地化を免れることができたのは日本一国しかないが、その理由はもっと大きな視点に求められるようにも思えたからである。しかし、結論はともかく本書は読んで楽しい時間を持つことができる本であると思った。

  • 岩瀬忠震って面白そう

  • (2014.08.04読了)(2014.07.25借入)
    副題「独立を守った“現実外交"―なぜ、植民地化を免れることができたのか」
    幕末に外交交渉にあたった人たちの物語です。大変興味深く読みました。著者の手腕なのか、時代とテーマが興味深いのかわかりませんが、面白く読ませてもらいました。
    神戸事件については、戊辰戦争のかたわらで、このような事件があり、新政府が必死の交渉にあたっていたというのを初めて知りました。幕末に限らないのかもしれませんが、歴史のなかには、掘り起こせば実にいろんな話題が埋もれている、ということを実感しました。歴史家は、これからでも、いくらでも新しい話題を提供できる分野といえそうです。

    【目次】
    第1章 神戸事件 新政府の危機
    第2章 薩英戦争 敗北がもたらしたもの
    第3章 日米修好通商条約 瀬戸際の交渉
    第4章 アヘン戦争 日本の目覚め

    1868年、神戸事件
    神戸事件の勃発によって列強に居留地を占領された新政府は、『万国公法』に基づく解決を図る。なぜ、国際法を駆使しえたのか
    1863年、薩英戦争
    薩英戦争で圧倒的な軍事力の前に惨敗を喫した薩摩藩は、講和を機に敵に学ぶ姿勢に転じる。なぜ、懇親の意を表すに至ったか
    1858年、日米修好通商条約
    日米修好通商条約の交渉で岩瀬忠震と井上清直が幕府側の全権となる。なぜ、植民地化を防ぐ最良の選択が採れたのか
    1840年、アヘン戦争
    アヘン戦争で大国清の敗北を知った幕府は「避戦主義」へと政策を大きく転換する。その後の日本を救う現実外交の原点を見る

    ●万国公法(49頁)
    この神戸事件をめぐる外交交渉の中で、「万国公法」という列強のルールにしたがって事件を解決することで、新政府は列強からの信用を勝ち取り、国際的承認を得ることに成功した。
    (外交担当者は、岩下方平、寺島宗則、五代友厚、等)
    ●開国を(124頁)
    四月、土岐頼旨、伊沢政義の両大目付、岩瀬忠震、津田正路の両目付の名で貿易開始を促す意見書が届く。現在、天下の人心は貿易を開くことを望んでいる。躊躇している場合ではない。すみやかに貿易を開く方が、国家の取り締まり、富国強兵の本言を立てる手段となることは疑いない。イギリスが広州騒乱の余勢を駆って押し寄せ通商を強要する前に、わが国の方から貿易を許可する「英断」が必要だという。
    ●香港へ(126頁)
    通商貿易の談判をする職にありながら、わずか二日で香港へ行けるにもかかわらず、彼らの舌先三寸を頼みに事を運ぶのは実に不本意である。(岩瀬忠震)
    ●決断力(145頁)
    朝廷も諸大名も将軍も古くさくて決断力に乏しく、すでに強力な外国の力が差し迫ってきているというのにどうすることもできない。日本は沈み衰えていくのであろうか、(岩瀬忠震)
    ●打払い令(159頁)
    幕府は近くの漁民たちが外国船や異国人に親しみを覚えることを極端に恐れた。民衆が外国人と接触を繰り返すことで、外国の文化やキリスト教に馴染んだり、西洋の商法を覚えたりして、鎖国の制度もしくは幕藩体制そのものに亀裂が入ることを危惧したのである。この打払い令には、海防という大きな目的以外にも、体制維持のため外国人と民衆との接触を制限する意図も含まれていたといえる。
    ●アヘン貿易(167頁)
    中国へのアヘン輸出は東インド会社直接ではなく、もっぱら地方貿易商の手に委ねられていたため、会社に代わって大きな利益を得た彼らは、しだいに民間商人として中国で勢力を拡大していった。

    ☆関連図書(既読)
    「NHKさかのぼり日本史外交篇[1]戦後」井上寿一著、NHK出版、2012.09.25
    「NHKさかのぼり日本史外交篇[2]昭和」服部龍二著、NHK出版、2012.09.25
    「NHKさかのぼり日本史外交篇[3]大正・明治」北岡伸一著、 NHK出版、2012.10.30
    「NHKさかのぼり日本史⑤幕末」三谷博著、NHK出版、2011.12.30
    「大系日本の歴史(12) 開国と維新」石井寛治著、小学館ライブラリー、1993.06.20
    「桜田門外ノ変 上巻」吉村昭著、新潮文庫、1995.04.01
    「桜田門外ノ変 下巻」吉村昭著、新潮文庫、1995.04.01
    「花の生涯 上」舟橋聖一著、祥伝社文庫、1992.12.20
    「花の生涯 下」舟橋聖一著、祥伝社文庫、1992.12.20
    「生麦事件(上)」吉村昭著、新潮文庫、2002.06.01
    「生麦事件(下)」吉村昭著、新潮文庫、2002.06.01
    「戊辰戦争」佐々木克著、中公新書、1977.01.25
    (2014年8月5日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    東アジア諸国が列強に侵略されるなか、日本は独立を維持する。国家存続のカギ―それは“現実”を見据えた「柔軟さ」にあった。

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東アジア諸国が列強に侵略されるなか、日本は独立を維持する。国家存続のカギ-それは"現実"を見据えた「柔軟さ」にあった。

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