MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815762

感想・レビュー・書評

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  • フリーの著者、クリスアンダーソンの最新作。

    この著者は今まで書いた本にハズレがない。最新技術の潮流を的確に捉えて、少し先の未来に起こりうる事象を見事に言い当てる。まさに経営者に相応しい人物だと思う。実際自ら会社も興していて急成長を遂げている。

    新規事業を模索している経営者は確実に読むべき一冊。

  • 最近wiredではよく話題に上るメイカーブーム、実際にそのムーブメントの中に身を置き趣味のラジコンヘリでキット販売会社を作ってしまったクリス・アンダーソンが何が変わって来ているかを紹介している。ビットとアトムと言う言葉で説明しているが例えばビットの代表がfacebook,twitterなどのSNSやLinux、Androidなどのオープンソースプラットフォームなどその環境と様々なサービスや3Dプリンター、レーザーカッターなどの小型化、廉価化、扱いやすさなどでものづくりの生態系が変わって来ている。

    大量生産でのものづくりが無くなる訳ではなく、作る物の種類やマーケット、特にニッチな市場によってはどこにいても製造業=メイカーズになれ販売先は世界中になる。インターネットや流通の生態系が変わったことでこういうことが可能になって来ている。

    クリス・アンダーソンの3DRoboticcsは実際に後に紹介するようなサービスを通じてラジコンヘリのコミュニティから出発しメイカーになった。このときLinux同様オープンソースの知恵を拝借している。
    http://store.diydrones.com/

    主役のひとつ3Dプリンター。なんと卓上サイズ。昔の仕事で紫外線硬化の樹脂を使った3Dプリンターをさんざんやってたのでこういうのが出てくると感慨深い。
    http://www.makerbot.com/

    ponokoとshapewaysデザインしたデーターを送付すると実際にものを作ってくれる会社やサービスも有る。CADを一からデザインしなくても3次元の物を撮影してCADデーターを作ってくれるサービスも有るので障壁が下がっている。
    https://www.ponoko.com/
    http://www.shapeways.com/

    資金を集める新しい仕組みキックスターターはあるアイデアに賛同すれば予約販売の形で資金をはらい、予定額に達しなければプロジェクトは発足しない。資金集めとマーケティングをかねた仕組みだ。
    新しいスマートウォッチpebbleは1000万円の資金を集めた。ソニーも同じ製品を発売したがわずか5人のペブルチームの売り上げが勝った。
    http://www.kickstarter.com/projects/597507018/pebble-e-paper-watch-for-iphone-and-android
    http://wired.jp/2013/01/10/kickstarter-backers-2012/
    他にクラゲ専用水槽プロジェクトも成功している。
    http://www.jellyfishart.com/

    MITメディアラボの元所長フランク・モスは実際に手と頭を使って失敗を繰り返すことの大事さを訴えている。ものづくり体験が可能な ファブラボは増えて来ているようだ。
    http://wired.jp/2013/01/03/vol5-frankmoss/

    面白いのはこの本にも出ていたがアメリカのメイカームーブメントと重なるのが中国の山寨革命。下の本を読んだときには知財権を無視して革命とは何を勝手なと思ったが、オープンソースの製造業は知財権特に特許を放棄しておりよくにた構造になっている。モノマネされては困るのでブランド=商標権は守るが追加的なアイデアでよりよい物ができたり、程度は悪いが安い物の存在は認めている。
    中国の優位は人件費ではなく全ての物が揃っていると言うインフラに移ってくるようだ、アトムの世界では物流や在庫は依然として大きな力を持っている。
    http://www.amazon.co.jp/中国モノマネ工場――世界ブランドを揺さぶる「山寨革命」の衝撃-阿甘/dp/4822248771

    ほとんど本の紹介にはなっていないのでこういう中身です。
    http://wired.jp/conference/maker_01.html

  • CADを主体とする設計図のデジタル化とオープンソース化がもの作りに与えるインパクト。それで完成したものを少量外注、発売できる。それが市場に受け入れられるかどうかを、キックスタートという商品を買いたい人からお金を先に集める仕組みで調べ、資金調達する。アメリカのこのもの作りの流れは、必ず日本にも来るだろうと思う。国民性にも合っているし。

    ・コンピュータが本当の意味で僕らの文化を変えはじめたのは、それがネットワークにつながったとき、最終的にはすべてのネットワークのネットワークであるインターネットにつながったときだった。それでも。究極の経済的インパクトが感じられるようになるのは、ソフトウェアによって様変わりしたサービスの分野ではなく、二度の産業革命と同じ領域、すなわちもの作りの世界が変わったときだろう。
    …「無重力経済(ウェイトレス・エコノミー)」、つまり情報、サービス、知的財産といった形のないビジネス(「足の上に落ちても痛くないもの」からなる経済)は、何かと話題になりやすい。しかし、現在、ビット経済の大部分を占めるのはこの形のない情報産業で、大きいといってもまだアメリカのGDPの五分の一に過ぎない。そのほかのすべての産業、たとえば、サービスセクターのもっとも大きな部分を占める小売業はものを作り、運び、売る活動にほかならない。

    ・このモデルが強力なのは、それがすでに僕らの周りに存在する「隠れたエネルギー」(作家のクレイ・シャーキーは、これを「知力の余剰」と呼んでいる)を利用しているからだ。

  • 「ロングテール」という言葉をつくったり『フリー』が話題になった作者。書評にも取り上げられていた。
    これからはだれでも「メーカー」になれると。
    「Maker」は日本的には、製造業という感じがするが、
    昨夜、外国人と別件で話していると、
    「Maker」はより積極的で、どちらかというと「クリエーター」に近いと。
    3Dプリンタやインターネットなどを使い、
    サプライチェーンのすべてを個人で出来る時代が来ていると。
    車を個人が作る事例などでているが、日本ではできるかどうか・・・
    こんな時代が間近に迫っているのかも。

  • 全く知らない分野だが、読んでいてワクワクしてくる。
    現時点で実現できることは限られるかもしれないが、3Dプリンターの進歩によりSCMの変化から産業構造、人々のWork Life Balance まで変えうる可能性がある。
    そうした時代の変革の萌芽を感じられる内容であった。
    一方で、時代に呑まれた人材にとっては苦難の到来になる可能性が高い。呑まれる側に回らないよう、益々個人の努力が問われると思う。

  • 3Dプリンターが各家庭に1台持てるようになったら。
    年賀はがきを自宅で印刷するのがあたり前のように、
    近い将来そうなる可能性は高い。
    年賀はがきを自分でデザインするようになって見出された能力。
    3Dプリンターはものづくりを身近でよりレベルの高いものにしてくれそうです。
    オープンイノベーション。個の力が正当に評価される時代になります。
    好きなことが仕事になる時代がますます近づいているように感じます。

    多くのものづくりに携わる方に読んでほしい1冊。
    お勧めです。

  • オープンハードウェア。到達点と、未来の話が、どうも頭の中で混ざってしまうのだけど、グローバルなメイカーじゃなくたって、ローカルなメイカーになる。そういう選択が出来る時代が来たのだと。
    他人事ではなくて、自分のこととして強く語りかけてくる。それ故に、僕にも何か出来るような気にさえなる。
    思ってもみなかった、来るはずのない未来が来た気がする。
    痛快である。

  • 分散から集約の歴史より回帰し集約から分散へ
    回帰にはデジタルの力、オープンソースの力が加わり過去の分散と異なる
    大量生産品で満足できなくなっている層へ創造的な求められる少量生産を

  • 【 #書籍紹介 】#BizHack
    #FREE の著者でもある、
    #クリスアンダーソン 氏の製造業の本です。

    2012年初版で9年前の本ですが、
    ものづくりにおける
    考え方の流れを知る事ができます。

    書かれたことが、
    スゴイ勢いで追い越されています。

    #MAKERS #21世紀の産業革命が始まる
    https://amzn.to/3pe31xi

    2021/01/23

  • MAKERS―21世紀の産業革命が始まる 
    2012/10/25

    モノのロングテールへ
    2013年9月9日記述

    FREE、ロングテールの著作で知られるクリス・アンダーソン氏の著作。
    関美和・訳

    製造業の変化について述べている。
    もちろん前著の2冊の延長線上ということなので、できるだけ前著を読んでからの方が理解が速いと思う。

    特にロングテールについて分かっておいた方が良い。

    3Dプリンタはいったいどんなもので世の中をどう変えようとしているのかイマイチ分かっていない人も多い。
    本書は未来の方向性がつかめるだけではなく
    今製造業で起きている変化が分かることが利点だ。

    ついつい中国などの新興国に工場は移り・・ということくらいしか認識していなかった自分の考え方を大きく変える事になった。

    今や誰であっても工場を利用できる。
    どんなに少量であっても。
    Webが起こしたコミュニティからの改善の積み重ね。(オープンデザイン)
    特許という既存の概念とは全く違うものづくり。
    クローン品は成功の証だ→それを欲しがっている人がいるからこそクローン品が作られる。

    新しい時代とは大ヒット作がなくなる時代ではなく、大ヒット作による独占が終わる時代。
    より多くの人がより多くの場所でより多くの小さなニッチに注目しより多くの革新を起こす。

    多くの新しい考え、行動に驚いたけど特にオープンデザイン、とことん解放する姿勢に驚いた。
    この分野で成功するには全く違う発想が必要だろう。

    製造業で新しいものづくりの現状を知りたい人に良い一冊だと思う。
    製造業で起業や新事業を考える人ならなおさらだろう。

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