10年目の真実 9・11からアラブの春へ

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著者 : 太勇次郎
  • NHK出版 (2014年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816288

10年目の真実 9・11からアラブの春への感想・レビュー・書評

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  • パキスタンで軍人に2年間日本語を教えた後にNHKに転身した異色の記者による、2001年から2013年に中東・アラブでの取材を振り返る一冊。時に西側情報機関とも競いあうようなNHKのもつネットワーク、取材量、熱意に驚かされる。

    ・本書ではじめて、2011年1月のエジプトにおける政変の際、ムバラク大統領の進退を巡ってオバマ大統領を筆頭に米政権中枢が事態を読み違えていたことを知る。
    ・アラブで独裁政権が許されていた理由について、欧米中心の国際社会が中東に期待するものが「石油の確保」と「イスラエルの安全」であったからと分析する。
    ・NHKのイスラマバード支局には、アルカイダ関係者から度々、自らの活動を宣伝するDVDが寄せられていた。
    ・2011年12月の内戦が激化するシリアにおいてはシリア人の若者にカメラを託して、映像を撮ってきてもらうという手法を使って取材をしていた。
    ・パキスタンのISIというと独自路線の優秀なインテリジェンス機関というイメージが強いが、筆者がISIのメディアセンターを訪れる場面を読むと、過大評価なのかもしれない。

    太氏とその同僚のNHK取材班は常に、市民の声を拾い集めることを基本としている。そのような市民との接触が、例えば本書で紹介される「パキスタン・アフガニスタン人がアラビア語を話すアラブ人に対してなんとなく抱く憧れ」のようなその場の空気を想像させる描写につながっているのだとおもった。

    『我々には苦い教訓がある。
    東西冷戦の終結後、すっかり忘れられたアフガニスタンでは、それ以降10年以上続いた内戦を国際社会が全く気にかけていなかった。これは、メディアにも責任がある。アフガニスタンに残ったイスラム戦士、弾圧を逃れて新たにアフガニスタンに渡ったイスラム戦士達によって、あるかいだという組織が生まれ、強化されていた。それに気が付かなかった。
    世界の中に無関心の空間を作ってはいけない。』p314
    名言である。世界の安全を保つ、遠回りのようにきこえて、一番の近道だと思う。

  • 9.11後のアラブ、チュニジア、エジプト、リビアなどで起きたことをNHKの取材からまとめた。事実を重ねていくことによって、大きく世界の流れが見えてくる。

  • ボーン・上田記念国際記者賞
    http://pressnet.or.jp/about/commendation/

    NHK出版のPR
    「春はどこへ向かうのか

    米国同時多発テロ直後のパキスタン、そして“アラブの春”直下のエジプト、リビア、チュニジア、シリア――そこには常に、「弾圧のない自由」を求める名もなき人々の声があった。それらの声を伝え続け、2012年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した記者による、イスラム社会激動の10年の取材記。 」

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10年目の真実 9・11からアラブの春への作品紹介

米国同時多発テロ直後のパキスタンとアフガニスタン、そして「アラブの春」直下のエジプト、リビア、シリア-イスラム社会の内側から変動の背景を探った、NHK記者による現地取材10年の記録。

10年目の真実 9・11からアラブの春へはこんな本です

10年目の真実 9・11からアラブの春へのKindle版

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