NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝

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著者 : 土屋惠一郎
  • NHK出版 (2015年2月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816530

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NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝の感想・レビュー・書評

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  • 世阿弥が、能の変換期に属した人間だったために、風姿花伝が必要だったということが面白かった。
    それまでの神社に属する、年功序列的な価値観ではなく、貴族にいかに気に入られるかの人気商売であり、なおかつ実力のあるものが評価される、その不安定な時代に、生き抜くために、自分の子孫のための秘伝の書(ある意味今の日本の年功序列がくずれ、実力主義に変化してきている(将来が保障されない)サラリーマンにたいするノウハウ本のようなもの)と解釈すると面白かった。
    実際この本では、シュンペーターやドラッカーなどを引き合いにだし、当時のイノベーションを起こしたという解釈をしている。

    また、能を新たに作る際に、複式夢幻能という構造をつくったことで、量産が可能になったということも面白い。夢と舞、リアリティーがありながら美しさを至上とする価値観など、エンターテイメントとしての側面が当時は色濃くあって、現在感じている難解で少し眠い伝統に凝り固まったお芸術ということからはかけ離れているという切り口が良かった。

  • ■珍しきが花
    ・「花=おもしろさ=珍しさ」は同じこと
    ・住する所なきを、まず花と知るべし
     →常に更新し続けろ。自分の成功体験を再現しようと思うな。
    ・古い文学作品を能の「舞台」で演じた。これは当時の日本では革命だった。
    ・能に「夢」と「旅」のパターンを取り入れた。

    ■初心
    ・時分(一瞬)の花、まことの花

    7歳:型にはめず、のびのびと(自分のコピーを作るな。子供の個性を引き出せ)
    12・13歳:存在自体が花。しかし時分の花。
    17・18歳:最初の難関(声変わりとか)
    24・25歳:初心(声も安定し、体も安定する)


    ・初心忘るべからず
    3つある。「是非」「時時」「老後」

    老後の初心
    =その歳に合った生き方をする。若ぶるな。
     満開の花は無理でも、老いた木の一輪の花を目指す。

  • 世阿弥「風姿花伝」の解説書。
    室町時代に芸能の厳しい競争社会を生き抜いて能を大成した世阿弥の言葉である「秘すれば花」「初心忘るべからず」など代表的金言を読み解きながら、試練に打ち勝ち、自己を更新しつづける奥義を解説。

  • 2015/7/20図書館から借りてみた。
    7段階の人生論(『風姿花伝』第一「年来稽古条々」より)
    七歳
    稽古を始めるころ。おのずと備わった風情があるので、子供の心のおもむくままにやらせるのがよい。
    十二、三より
    稚児姿といい、声といい、それだけで幽玄である。しかしその花は本当の花ではなく、その時限りの花。しっかり基本の稽古をすることが肝心。
    十七、ハより
    人生で最初の関門(能役者にとっては「声変わり」)。ここが生涯の分かれ目だと思い、諦めずに稽古を続けよ。ここでやめれば終わってしまう。
    二十四、五・初心1
    声も体も一人前になり、新人の珍しさから名人に勝ったりもするが、そこで自分は達人であるかのように思いこむほど愚かなことはない。そういう時こそ、「初心」を忘れず稽古に励め。
    三十四、五・初心2 能の絶頂
    この年ごろまでに天下の評判を取らなければ「まことの花」とは言えない。これまでの人生を振り返り、今後の進むべき道を考えることが必要。
    「上がるは三十四五までの頃、下がるは四十以来なり」
    四十四、五
    花が失せてくるのははっきりしている。難しいことはやらず、得意とすることをするべき。後継者に花を持たせて、自分は控えめに。
    五十有余 ・初心3
    もう何もしないというほかに方法はないが、本物の能役者なら、そこに花が残るもの。老いても、その老木に花が咲く。

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NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝の作品紹介

花と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり-。室町時代、能の大成者として以後の日本の芸能に大きな影響を与えた世阿弥。彼の遺した言葉は、能役者のための演技論にとどまらず、芸術という市場、そして人生という舞台を勝ち抜くための戦略論でもあった。「秘すれば花」「初心忘るべからず」「離見の見」など代表的金言を読み解きながら、試練に打ち克ち、自己を更新しつづける生き方の奥義を学ぶ。

NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝はこんな本です

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