ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

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制作 : 瀧本 哲史  関 美和 
  • NHK出版 (2014年9月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816585

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ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるかの感想・レビュー・書評

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  • この本で読んだことで

    ・『競争を避けるためにはどうしたらよいか』と考えるようになった。

    ・『いきなり大きな市場を取るのではなく小さい市場から寡占していく』ように考えるようになった。

    ・今後市場に投入する製品を含め今のビジネスが7つの問い(※)に答えられているかをひとつ目安として意識するようにしたいと思った。


    【読んで思ったこと(上記に至った理由)】
    この本の中で筆者は
    「ビジネスマンはビジネスを戦争に例えるのが好きでたまらない」しかし「競争は価値の証ではなく破壊的な力」
    「実際には資本主義と競争は対極にある。資本主義は資本の蓄積を前提に成り立つが、完全競争下ではすべての収益が消滅する」
    と言っている。

    ちなみに経済学者が「競争を理想的な状態と説く」理由を
    経済学の数式は19世紀の物理学の理論をそのまま模倣したものであり
    完全競争の均衡状態を理想とするのはモデル化が単純だからであって、それがビジネスにとって最善だからではない。
    完全均衡にある業界では一企業の死(均衡(静止状態))はなんの重要性ももたない。必ず同じようなライバルがその企業に替わるからだ。
    と記している。

    でも新しい何かが創造される場は均衡とは程遠く
    経済理論の当てはまらない現実世界では“他社のできないことをどれだけ出来るかで成功の度合いが決まる”
    “独占はすべての成功企業の成功条件”と筆者は言っており、実例にはグーグルやアップル、アマゾンなどをあげて書かれている。

    こういった内容に非常に納得した。


    【その他印象に残ったこと】
    ◎グローバリゼーション(1 to n)よりテクノロジー(0 to 1)が重要
    ◎競争の激しい市場では収益が消失する
    ◎販売はプロダクトと同じくらい大切
    ◎小さく始めて独占する
    ◎永続的な価値を創造してそれを取り込むためには差別化のないコモディティビジネスを行ってはならない

    ※どんなビジネスも答えを出すべき7つの質問
    1 エンジニアリング「段階的な改善ではなくブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか?」
    2 タイミング「このビジネスを始めるのに今が適したタイミングか?」
    3 独占「大きなシェアがとれるような小さな市場から始めているか?」
    4 人材「正しいチーム作りができているか?」
    5 販売「プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?」
    6 永続性「この先10年、20年と生き残れるポジショニングが出来ているか?」
    7 隠れた真実「他社が気づいていない独自のチャンスを見つけているか?」

  • おもしろかった!が盲信するのは危険かとも思う。そしてまた自分は少なくとも起業家になりたいのではないという確信を深めた。流行中の社会起業に感じる疑問、取り残しなく批判されている。社会性を持った企業は確かに必要だが、方法が間違っているんだろうか。Nick Bostrom、Extential Risksが気になる。


    「隠れた真実」=みんなが真でないとしているが、君が正しいと思っているもの
    模倣による拡大では勝てないので、ゼロから1を生み出して独占する
    起業家と研究者のメンタリティの類似性 第一次ドットコムバブルの終焉によって多くの人が反省した。しかし、反省自体を間違っている可能性はないのだろうか?熱狂は今のシリコンバレーやフィランソロピー業界でも確かに感じられる。

    競争崇拝の資本主義は実際には競争と対極にある。そこで永続的価値想像をして収益を上げるなら差別化・個性化をすべき。(競争によってこそ逆に個性化が促されるのでは?)

    独占企業は独占を隠すためにライバルをでっち上げる。各市場の和集合とすることで独占を隠す。(Googleの例)
    競争企業は市場を小さく見積もっているために自分たちが独占していると言い切る。各市場の共通部分と位置付けることにより自身の独自性を主張。

    (そういえば優秀な人ほどものすごい謙虚でびっくりしたりする。)
    独占企業の方がライバルを気にする必要がないため社員やプロダクトや広い社会への影響を考える余裕がある。Googleのモットーは「邪魔になるな」。(笑)←潰れることなど考えずに倫理的でいられるという証。(倫理について考えられるというのはある意味余裕のなせる技か....)しかし短期視点での利益追求しか考えられない企業は生き残れない。

    静的な世界においては独占企業は悪となりうる。動的な世界においては善になりうる。(まるで世界全体のバランスを取るために働いているかのようだ、日本はまだ静的な部分も多いと思う。)発明や特許権は独占企業を生み出す土壌となる。(特に業界によって違うと思うが芸術、技術系は独占の方が相性がいい。)

    進化の歴史はより良い独占企業が既存企業に変わってきた歴史。独占という安定がイノベーションへの強力な味方となる。長期計画を立てる余裕、資金。経済理論が完全競争の均衡状態を理想とするのはモデル化が簡単だからであってそれがビジネスに最適だからではない。(えw)企業は独自の解決策を提案することで独占を勝ち取っている。不幸な企業はいつまでも競争している。

    すべての悲劇がそうであるように、衝突が避けられなかったというのは後付けでしかない。実際には避けられないはずがない。 シリコンバレーでアスペが有利なのは模倣競争が不毛だから。空気を読めない人は周囲と同じことをしようと思わない。一人淡々と熱中して卓越した技能を身につける。そのスキルを使うとき、普通の人と違ってあまり自分の信念を曲げない。だからわかりやすい成功につられて周囲大勢との競争にとらわれることがない。 競争は存在しないチャンスがあるかのような幻想を抱かせる。戦う前に戦争自体に戦う意味があるかどうか見極める視点が大事。(そうしないと全員が負ける)

    遠い未来のキャッシュフローの方が大事。「その企業は10年後も存続しているか?」成長+存続が必要。

    独占企業の特徴。
    プロプライエタリ(製品やシステムの仕様や規格、構造、技術を開発メーカーなどが独占的に保持し、情報公開をしていないこと)ー模倣不可能、グーグルの場合は検索アルゴリズム
    テクノロジー
    ネットワーク効果
    規模の経済
    ブランド

    全く何もなかったところで価値あるものをつくれば価値の増加は理論的には無限大となる。もしくは既存のソリューションの劇的改善。

    ネットワーク効果ー小規模なときの初期ユーザーに効果あるものでないと効果が広がらない。ネットワーク効果を狙う企業は必ず小さな市場から始める必要が有る。(初期の市場が小さいということがMBAタイプがビジネスチャンスとみない理由)

    規模の経済はテクノロジーによってこそ効果を発揮する。限界費用がほぼゼロのため。規模拡大を見越して最初のデザインに組み込め。

    ブランドは後でついてくる。まずはプロダクト。

    ーまずは市場を選べ。そしてじっくり順を追って拡大。
    小さく初めて独占する。失敗するなら小さすぎて失敗する方がいい。(大きな市場より小さな市場の方が独占しやすいから)

    狙うべきは少数の特定ユーザーが集中していながら、ライバルがほとんどあるいは全くいない市場。ライバルのいる大きな市場は危険。起業家が100億ドルの市場の1%を狙うと言ったらまずは避けるべき。生き残るだけが目的の熾烈な競争に巻き込まれる。

    アマゾンは本からCD、ビデオ、ソフトウェアに拡大。

    破壊しない。破壊というワードは起業家の自己認識を競争志向へと歪めるから危険。
    本当に新しいものを作りたいなら古い業界の破壊ではなく、創造に力を注ぐ方がはるかに有益。既得企業との対比で語られるような会社は全く新しいとは言えないし、おそらく独占企業とは言えない。市場破壊は既存の市場をはるかに潤わせるもの。競争は避けるべき。

    ファーストムーバーでなくラストムーバーに。そして長期的な独占利益をあげろ。勝ちたければ何よりも先に終盤を学べ。

    成功は運によるもの(だけ)ではない。それは成功者の謙虚さという戦略。何度も成功している人がいる。幸運は努力によって引き寄せられる。

    未来はどうなるかわからないという考え方が何より今の社会に機能不全をもたらしている。本質よりプロセスが重んじられていることがその証拠。

    必死にみんなと同じことをするより本当に身のあること、自分が一番になれることに力を注ぐ方がいい。

    4つの見方
    曖昧な悲観主義ー方向性の定まらない官僚制度に流されてきたヨーロッパ。ヨーロッパ人は問題が起きてからしか対応しないし、ことが悪化しないようにただ祈るだけ。曖昧な悲観主義者は避けようのない衰退がすぐに起きるか後で起きるか知る由もない。それまでの間にできることはとりあえず人生を楽しむことぐらい。だからバカンスに執着するw

    明確な悲観主義者ー現在の中国。未来が暗いことは確実だから備えが必要だと思っている。中国は悲観主義なのでどんなに成長しても足りないと思っている。中国が早く成長できるのは出発点が低いから。成長への近道は欧米でうまくいったことをそのままコピーすること。富裕な中国人は資金を海外に逃避させている。(中国にまた冬の時代が来ることを予期しているから)中国ではどんな社会階層の人でも未来を死ぬほど真剣に捉えている。

    明確な楽観主義者ー17世紀から1960年代までの欧米。この時代の発明家やビジョナリーたちは前の世代を超える成果を常にあげていた。

    あいまいな楽観主義者ー1980年代以降のアメリカ。未来には何かいいことがあると期待していても具体的にデザインする必要は感じていない。何年もかけて新製品を開発する代わりに既存のものを作り直そうとする。勝ち馬に乗って事業をする。ベビーブーマーは何もしなくても生活はよくなり、1970代にテクノロジー進歩がひと段落すると収入格差の増大によってエリートは救われた。金持ちはより金持ちに。既存のキャリアで自分たちが成功できたから、子供達はそれでうまくいかないはずがないと思い込んでいる。

    あいまいで偶然に支配されている金融業界。ランダムネスという市場原則の中で、分散投資こそが重要。あいまいな世界では選択肢が無限に広がっている方が好ましい。お金が手段ではなく、目的に。

  • 読んでて納得させられることが多かった。ただ、自分の頭にはそれらがあまり残らなかった。。でも特に後半以降は一気に読めました。ただ、自分がこの本を生かすにはもう1回読む必要がありそう。

  • ペイパル創業者の企業分析書といったところか。最近のアメリカビジネスの浮き沈みの理由みたいなものが、よくわかる。

  • 1971年以来、テクノロジーの進歩はIT分野にほぼ限られているが、地球の資源が有限であること、グローバル化による労働力供給の競争が激しくなることなどを考えると、更なるテクノロジーの発展が必要であり、それがスタートアップの役割である。また、そのような企業は大きな雇用を生み出す。そのためには、ドットコムバブル以来、間違って学んでしまった教訓を破棄して、「隠れた真実」に気が付かないといけない。
    筆者は、一貫して「隠れた真実」という逆張り的な発想を重視しており、特に、「競争は何の利益を生み出さず、圧倒的なテクノロジー等の要因によって、独占的な地位を小さな市場から築いていくべきである」という主張は、なるほどなと思った。独占企業がイノベーションを起こすという考え方は、『企業家としての国家』でも指摘されているうえ、ドワンゴの川上さんも、とあるネット記事で「競争しないことの重要性」を説いていた。
    太陽光発電事業やネット事業の多くはコモディティ産業(=隠れていない真実)であり、社会的価値は薄い。圧倒的な技術力を持つことが一つの重要な要素であることを考えると、大学の最先端技術を起点としてベンチャーを創造していくプロセスは非常に重要であると思われる。

  • PayPalの創業者で注目されている投資家の著者。
    スタートアップの成功のポイントが書かれていました。
    こんな人だから攻撃的な面を想像しがちですが意外にも競争は避けろとのこと。

    まとめますと
    ・まずは小規模で独占を築く(慎重な市場選びが重要)
    ・ニッチな市場を独占をしたら徐々に市場を拡大する
    ・破壊は市場全体を損させるのでしない
    ・先手必勝だが最後まで市場を牽引できるよう目標を立てて規模を拡大し続ける

    著者がいう「隠れた真実」も上記の考えに通ずるものがあります。
    隠れた真実は達成不可能でないが難しく
    重要だけれでも誰にも築かれていないもの。
    ここにビジネスチャンスがあります。
    振り返れば当たり前のことでも誰も気づいていないものを見つける
    その洞察力が価値ある企業につながとのことです。

    この本はなにも企業家だけにとどまらず
    多くの人たちが持てる考え方です。
    社内の業務フローでも気づいていない盲点や
    新しいことなどみつける、
    ゼロから1を生む可能性を探すことができると思います。

  • 尖ってると思います。言ってることも正しいと思います。でも自分にはしっくりきませんでした。

  • 0から1を生み出すHowToが書かれているわけではありません(笑)
    ピーターティールの起業についての考え方が述べられている本。新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるかについて書かれている本です。
    ティールのスタンフォード大学での起業についての講義の内容がまとめられています。

    本書の主なメッセージはシリコンバレーで言われているスタートアップの教訓を覆します。
    ---
    1.小さい違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
    2.出来の悪い計画でも、ないよりはいい
    3.競争の激しい市場では収益が喪失する
    4.販売はプロダクトと同じくらい大切だ
    ---
    リーンを否定し、少なからず大胆な計画を立て、競争よりも独占を目指し、販売も重視する、そんなメッセージです。

    ティールが考える起業についての大事な質問は
    --
    (1)エンジニアリング
    段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか?
    (2)タイミング
    このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?
    (3)独占
    大きなシェアがとれるような小さな市場から始めているか?
    (4)人材
    正しいチーム作りができているか?
    (5)販売
    プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
    (6)永続性
    この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか?
    (7)隠れた真実
    他社が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?
    --
    これらの質問に答えられなければ、起業はうまくいかないと言っています。
    本書の中で、腹に落ちたのが
    「競争ではなく独占」
    「販売、マーケティングも重要」
    です。
    とりわけ、小さく始めて独占することの重要性が納得。さらに、物さえよければ売れるという幻想を明確に否定しているところは、ほんとそのとおりだと思います。

    ということで、本書ではコピーではなく、自らが1を生み出すようになる、そのような企業を作るためのティールの思いが語られています。しかし、その唯一の答えは、  「自分の頭で考えろ」
    とのこと。マニュアルではなく、知識でもなく、従来の考え方を疑い、自らが考えること。それがもっとも重要なこと。そんなメッセージです。

  • 未だ知られざる真実がある事を信じて貫く事が大事。未踏の場所は一見ないが未認知のとこや、スルーされている事柄がある。

  • 言うほど面白いかあ?というのが第一の感想。
    まず対象としている読者が狭すぎる。
    ハーバードやスタンフォードでMBAを優秀な成績で修めることができるのは"当然として"、さらに世の中を変えることができるイノベーションのアイデアを持ち(またはそういったことを成し遂げようとしている企業数社に1000万円単位で投資でき)、世の中の大半が間違っていて自分が正しいという確固たる意志を持った超天才には得るものが多そうだが、僕のような小賢しい皮肉屋には難解すぎた。
    タイトルでZero to Oneと言っているが要は破壊的イノベーション。市場を独占すれば競争から解放されて高い利益率を得られるということだが、年々短くなっている後発企業登場後のアドバンテージの守り方は書かれていない。なぜならこの本を読む天才はそんなこと書かずともわかるからである。
    成功企業の実例も多数載せているが、現状そこへ至ろうとしている企業は記載されていない。なぜなら(ry

    21世紀のベンチャーキャピタル事情を知ることができるということで星2つ。いつもなら本棚にも載せないが、関さんの見事な翻訳と丁寧な脚注で星1つ追加。

    追記:
    日本のamazonでも高評価ばかりだったがamazon.comで見つけたこのレビューが秀逸。
    "もしピーターに「賛成する人がほとんどいない大切な真実は何だろう?」と聞かれたらこう答えるんだ「この本はクソ」ってね。"

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ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるかの作品紹介

新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるか。スタンフォード大学起業講義録。

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるかのKindle版

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