ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る

  • 100人登録
  • 4.09評価
    • (7)
    • (12)
    • (3)
    • (1)
    • (0)
  • 11レビュー
制作 : 向山信治  向山 信治  塩原 通緒 
  • NHK出版 (2016年3月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816950

ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫るの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る



    物理学の最前線!?



    本書のタイトルに惹かれて手に取った。
    何と言っても圧倒的に未知な部分が多い宇宙を取り扱っており、ダークマターという響きがなんともカッコイイ(笑)
    男の子なら分かってくれるのではないかと思うが、ダークという文字通り暗い面と何かRPGのボスもしくは超重要アイテムを連想させてくれる。


    くだらない話はさておき、ダークマターとは宇宙の物質の85%を占めているが、光を放つ事も吸収する事もない、まだよく分からないが重力に相互左右する物質である。
    光を反射も吸収も何も作用しないため「見る」事が出来ない。


    タイトルのもう一つを担っている恐竜絶滅はダークマターよりも馴染みがあると思う。
    今から約6,600万年前に絶滅(私が小さい頃は確か6,500万年前だったと思うが)した地球上を支配していた恐竜。絶滅の原因は諸説あるが、一番有力なのは隕石が衝突した事により地殻変動や気候変動により生態系が著しく乱れた事による。


    過去大量絶滅は5回あるとされている。今回はその一番近い恐竜絶滅にスポットが当てらている。
    しかし何故ダークマターと恐竜が関係があるのか?


    本書は最新の物理学から生物学、地質学などあらゆる知識や観測データ、理論などから一つの理論として、ダークマターが天体(隕石、彗星など)を引き寄せ軌道を変化させそれにより地球に衝突し結果恐竜絶滅の原因になったのではないかという一つの結論を出している。


    そこに行き着くまでには過去の科学者たちの弛まない努力と知的好奇心を満たすためのあらゆる活動も書かれており、科学の入門書としても楽しく読む事が出来ると思う。
    科学の本なので難しい話や耳慣れない語彙もあり把握しきれない部分も確かにある。
    私は初心者なので特にそうだが、では全くわからないのかというとそうでもない。
    数式が羅列されている訳でもなく、著者が素人でも読みやすく興味を持ってもらえるように書かれているので、科学の全てを理解が出来なくとも壮大なスケールのミステリー、夢が膨らむ書としては十分に楽しめる。


    また、この事だけでなく科学が進歩した事により第6の大量絶滅の危機にも警鐘を鳴らしている。
    本書では約3,000万年から3,500万年程度のスパンで天体衝突の可能性があると説かれている。しかしそれよりも危険なのが、人類による生態系の乱れである。
    我々が豊かになる一方で環境汚染、乱獲による一部の動物の絶滅など、過去に類がないほど種の絶滅のペースが早まっている。幾度となく進化し生き抜いてきた種ではあるが、あまりに急激な変化には進化がついていけない可能性がある。その原因は我々人類にある。


    ただ、だから進歩を止めた方が良いと著者は言っている訳ではない。
    それらを扱っているのが人類なので、もっと長期的な目線でよく考える必要があると言っている。
    ただ科学を突き詰めているだけでなく、そうした事も考えさせてくれる書である。


    再度言うが最新の理論と過去の歴史から見たデータなど魅力的な部分がいくつもあり素晴らしい書籍になっていると思う。
    http://blog.livedoor.jp/book_dokushonikki/

  • 科学への情熱、畏敬などが随所に溢れる名著。

  • 時折フランクなジョークをはさみつつ、いまだ宇宙の大きな謎のひとつとなっているダークマターおよびダークエネルギーがもしかしたら恐竜を絶滅させたとされる隕石の衝突の発端になった可能性を探る科学書。ただ、その説明のために「そもそもダークマターとは何か?」「そもそも恐竜絶滅とは何か?」などが詳細に語られており、本自体も重厚な一冊で、中盤からはけっこう複雑になってくるのでやはり初心者向けとは言い難いが、なかなかおもしろい。

  • スケールの大きさ、小ささが想像できない。
    DDDMがあるってわかったら楽しい。
    そろそろ次の周期が近づいているのも気になる。
    絶滅種にホモ・サピエンスは含まれるのだろうか?

  • 廃棄

  • すごい本だった。スケールがでかい。しかも進行中。決意表明でもある。パリへの飛行機の中で残り250ページを一気に。いろいろな伏線が結論に向けて収斂してく様は見事

  • 第1部”宇宙ができあがるまで”では、ダークマターの総量が宇宙マイクロ波背景放射に影響を及ぼすこと、ある程度の広さの領域が収縮すると、ダークマターがほぼ球状のハローと呼ばれる領域を形成し、その内部で通常の物質のガスが冷えて中心部に凝集し、星になったこと、第2部”活発な太陽系”では小惑星と彗星にはどちらもアミノ酸が含まれており、そのうちのいくつかの種類は、この地球上で生命の一部になっていること、第3部”ダークマターとは何か”では、ダークマターが彗星衝突を引き起こした可能性があることを知りました。読み応えアリ。

  • 確かな観測事実であるダークマターの存在と,天体衝突による生命の周期的絶滅との関係を解き明かす新仮説の紹介本。
    ダークマターには,自身と重力以外の相互作用をするタイプのものがあって,それが銀河系に形成する円盤が,オールトの雲から内太陽系に向けて彗星を弾き飛ばし,それが恐竜絶滅にもつながったという「ダブルディスクダークマター仮説」。それを提唱者リサ・ランドール博士が自ら分かりやすく解説してくれる。
    ダークマターは相互作用しないから,銀河系を円盤状でなく球状に取り巻いているとばかり思ってたけど,相互作用するタイプならエネルギーを放射して(失って)上下方向に収縮し,円盤を形成するというのはなるほど納得(角運動量は保存されるので)。
    ダークマターが単純に一種類のモノである必然性はないんだしな。
    その自己相互作用するダークマターが,銀河系の普通の円盤より薄く,その内側に存在してるなら,太陽系がそのダークマター円盤を表から裏から貫くタイミングで地球生命が周期的に絶滅しているのだ,という説明が成り立つとか。
    そう簡単には実証できないのだろうけど,とてもエキサイティングな説だ。

    監訳者あとがきはこちら
    "第1部は、それだけで最新宇宙論への優れた入門書…第2部は、太陽系、生命の起源、恐竜絶滅についての解説"
    『ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る』 http://honz.jp/articles/-/42582
    全三部中,二部まででもとても有意義な読書になるはず。

  • 『ダークマターと恐竜絶滅』というタイトルはきわものっぽくて一見相当に危ない。日本の出版社がつかみを狙って付けたタイトルではと思ったが原題にしても”Dark Matter and the Dinosaur”だった。著者が『ワープする宇宙』のリサ・ランドールではなく、無名の人の著作であればおそらくは買っていないだろう(その前に出版もされていないだろうが)。そもそも『ワープする宇宙』というタイトルも相当に危険な香りがするのだけれど。

    本書で書かれていることを簡単に言うと次の通り。6,600万年前に生じた恐竜絶滅は彗星の地球への衝突によるというのが定説だが、その原因となった彗星を地球に向かわせるためには太陽系を囲むオールト雲に重力的な揺さぶりが生じる必要がある。その揺さぶりに著者らが主張する仮説「ダブルディスク・ダークマター」が関与しているのではないか、というものだ。

    「そこで私たちが考えたのが、太陽が天の川銀河の中央平面──晴れた夜の空に見ることのできる明るい星と塵の縞模様──と交差するときに、太陽系がダークマターの円盤にさしかかると、その影響で太陽系の外れの天体が弾き飛ばされ、最終的に地球に衝突して大変動をもたらしたのではないかというシナリオである」

    ダークマター自体がまだ検証されたものではないのだが(著者はダークマターが何かわからないが、それが存在することは確実だと主張している)、著者らはダークマターを構成する粒子にも複数の種類があると仮定する。物質を構成する基本粒子が複数あるのだから、ダークマターの基本粒子が複数あっても不思議ではないという。もちろん、その可能性は排除されるべきではないが、大胆な仮説だ。著者の仮説では、ダークマターは銀河において通常は球状のハローを形成していると考えられているが、ハローを形成するダークマターとは別のある種のダークマターは銀河における通常物質と同じように円盤を形成すると仮定する。 これが「ダブルディスク・ダークマター」という理論である。

    6,600万年前に起きた直径15kmほどの天体の衝突は確率的事象である。恐竜絶滅と絡めるのは話としては面白いが、著者らの科学者としてのメインの主張は、ダークマターの組成に関する理論であろう。そもそも著者は宇宙論の理論科学者なのだから。 恐竜絶滅は興味深い傍証のようなものだ。恐竜を持ち出すのは読み物としては面白いし、知的好奇心もくすぐるが、著者らのダークマターに関する仮説を証明するには別の証拠が必要である。

    まとめると上記の通りで結論にも疑問の余地があるのだが、その結論に至るまでの太陽系生成と生物進化(と絶滅)に関する解説がよくまとまっていて出来がよい。恐竜絶滅だけでなく過去の生物進化やその大量絶滅についてかなりの紙幅をとって説明している。著者はこの分野の専門家ではないはずだが、解説として分かりやすい。ただ著者は過去に発生した大量絶滅に周期性を見るのだが、周期性があるかどうかをまず判断できるかどうかから議論になるところだと思う。周期性があるように見えるだけで、単なる偶然やこじつけである可能性も十分ある。過去の時間確定における不確実性や、絶滅や気温変動について複数の要素が絡みあっていることを考えるとその特定困難性は明らかだ。ここで示そうとされた周期性も単なる幻である可能性だって十分にある。その可能性の方が高いくらいだと自分は思っている。さらに周期性があったとして、その原因をダークマターの円盤を太陽系が横切ることによって生じる彗星の飛来に求めるのは、他にも周期性を生じさせる候補がある中で信頼に足るものにはなっていないのかなと思う。

    それにしても驚くべきは本書に書かれている内容の多くが非常に最近の短期間のうちに明らかにされた事実であることだ。恐竜の絶滅の原因も1980年代にはわかっていなかった。ユカタン半島に残るクレーター - チクシュルーブ・クレーター - が発見されたのも1991年のことだ。ダークマターにしても同様だ。ダークマターは科学界においてコンセンサスを得ているようだが、正直に言ってこれほど奇妙なことはそうそうないだろう。

    また、地球史についての知識が増えることで、生物進化史についての説が数多く出てきているのが現状のようだ。そのおかげで関連する書籍が多数発刊されている。ダークマターと恐竜絶滅について書かれたこの本もそういった本のひとつだ。自分がどこから来てどこに行こうとしているのか、という問いは常に興味を惹きつけてやまない問いである。この先の数十年、自分が生きているうちでもきっと多くのことが分かってくることだろう。

    太陽系生成、生物進化史、最新宇宙理論が混じり合い、読み物としては面白い。科学理論としては検証されたものではないことは認識しておくべきだろう。

    ----
    2016年6月19日にKavli IPMU主宰の一般講演会として「ランドール博士の科学的探索」が開催された。本書で書かれたダークマターと恐竜絶滅がテーマ。ひとまず応募してみたが、約5倍の当選確率を引き当ててライブで聴講した。この研究によって次の4つのことを学んだというのが印象的だった。
    ・Awe of Wonder
    ・Many fields of science
    ・How recent is our understanding
    ・The importance of the rate of changing

    http://www.ipmu.jp/ja/2016-dinosaurs


    ---
    『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4140812397

  • 分かりやすい、面白い

全11件中 1 - 10件を表示

リサ・ランドールの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
クリス・アンダー...
リンダ グラット...
アンドレアス ワ...
リサ・ランドール
モイセズ ベラス...
スティーヴン ワ...
ジャレド・ダイア...
エドワード・フレ...
ニック・レーン
トマ・ピケティ
有効な右矢印 無効な右矢印

ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫るを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫るを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫るの作品紹介

宇宙論の可能性を開く衝撃の新説が登場!宇宙最大の謎とされ、いまだにその正体が明らかでないダークマター。著者は独自の研究にもとづき、新種のダークマターを提唱する。ダークマターの一部は寄り集まって円盤化し、天の川銀河の円盤内に収まり(二重円盤モデル)、周囲に強い影響を及ぼすのだという。その新種のダークマターが彗星を地球に飛来させ、六六〇〇万年前の恐竜絶滅を引き起こしたのかもしれない-。世界的トップサイエンティストが科学の最先端をわかりやすく解説し、宇宙と地球、生命の進化が深く結び付いているさまを鮮やかに描く。刺激と興奮に満ちあふれた、大注目の一冊!

ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫るはこんな本です

ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫るのKindle版

ツイートする