ガダルカナル 悲劇の指揮官

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140818244

作品紹介・あらすじ

日本を敗北に追い込んだのは、誰だ

連戦連勝を続ける日本が大敗北を喫し、2万人が落命したガダルカナル島。本書はNHKスペシャル「激闘ガダルカナル 悲劇の指揮官」の取材班が書き下ろすノンフィクション。新発見の米海兵隊の「戦闘ログ」や日本軍参謀たちの「日記」を通して、最前線の苦難の原点を探り、日本軍にはびこっていた組織の欠陥をあぶり出す。希望的観測で敵兵力を見誤り無謀な計画を立てた作戦参謀、あやまちを認めず反省を拒んだ陸海軍のトップ、責任逃れの隠蔽工作や国民を欺く情報操作に手を染めた大本営。島で全滅した一木支隊の指揮官一木清直大佐もまた組織の軋轢という悲劇に飲み込まれていたのだ。戦後75年の今、「地獄の島」の実相が解き明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • NHKのドキュメンタリー番組本。
    ガダルカナルの現場の指揮官に焦点を当てる。戦後の歴史本では、この島での無茶な戦闘で多くの兵を失った日本軍のお粗末な行動を批判することが多い。しかし、大きな敗因は、杜撰な作戦計画、情報の精査分析の不足、一部参謀の精神論など、この頃から現れ始めた上部組織からの指示にあり、ガダルカナルで戦った当事者達(現場指揮官)は、上部からのその指示に従って奮闘していただけという事を認識しておくべきだ。歴史を現代の物差しで計ってはいけない。現場の指揮官達の苦悩を考えると、彼等に責任を押し付けるわけにはいかないと思う。

  • 戦史として読むよりも組織の問題という観点から読んだ。自分達の失敗が原因だと気がつかないまま進んでいく組織の怖さを感じた。

  • 東2法経図・6F開架:210.75A/N11g//K

  • 一木支隊の通信支援を、米空母発見の報で海軍が潜水艦を移動させ、通信ができなくなったというのが、新しい情報か?
    運命の五分間をまだ言っているとか、全体に古い情報が散見されるけども、NHKの出版物としては「同じ失敗を繰り返す旧軍」というスタンスから、「なぜそういう決断となったのか」と考えるようになってきていて、昔の太平洋戦争関係のNHK本よりは、かなりマシになっていると思います。

  • 2020/09/20 ガダルカナル悲劇の指揮官
    米軍資料から新しい視点もあるが、作戦失敗は不変
    序盤の戦闘は日本軍優位の局面もあり=川口支隊を評価米軍の資料 川口少将は「知将」と高い評価

    戦略は眼を覆う 
    優先順位の摺り合わせ・統一の欠落
    陸軍・海軍が独立組織としてそれぞれ戦略Priorityを持つ
    部分最適でしかなく、オール日本の総合力は発揮できない 全体最適の欠落
    終盤、統合作戦を試みたが時既に遅し

    戦略の不首尾
     制空権なき軍事進出の無謀さ 航空基地の堅持
     ラバウルーガダルカナルの距離が遠すぎたミス
     補給線が続かない 戦死者より餓死者・病死者が圧倒
     その攻めを受けないのは専制君主制 滅ぶしかない

    大本営 
     立身出世を担保するヒエラルキーが優先
     結果より面子
     科学合理より内なる政治を尊重 失敗しても責任なし

    かかる組織は滅ぶしかない

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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