食品不安: 安全と安心の境界 (生活人新書 218)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140882184

作品紹介・あらすじ

BSE、遺伝子組換え農産物、農薬、食品添加物など、日々の食物に不安を抱くことが多くなってきた。けれども、なぜ、どのぐらい危険なのかを理解している人は少ない。実際には私たちが思っているよりも「安全」であることがほとんどなのである。それどころか、本当の食の危機は、別のところから迫って来ている。本書では、「安全」を「安心」へと変えるための意識改革を提案する。

感想・レビュー・書評

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  • これまで読んだ食の安全についての本は、添加物や農薬の基準値がいかに安全かを説いたものが多かった。
    でも、残留農薬や違反食品のように、その基準値を超えたものがあるのではないか?という不安は、これらの本ではぬぐえなかった。

    この本を読んで、初めてそのリスクの大きさ(小ささ)がわかった。
    しかし、世の中ではこのリスクは過大評価されがちだと思う。
    「安全は科学、安心は心理」と述べられている通り、
    自分では本当に守られているのか判断することができない、自分で注意することができない という点から、不安を大きく感じてしまうのだと思う。

    科学的な面での「安全」は、専門家が正しく伝え、消費者がきちんと理解する必要があるものの
    心理的な面での「安心」は、安全性を理解したうえでも不安に思うのであればしかたない、避けてもらうしかないと思った。
    ただ、誤解された情報をもとに不安に思われることのないよう、安全性に関してのコミュニケーションを取っていくことが大切だと思った。

  • [ 内容 ]
    BSE、遺伝子組換え農産物、農薬、食品添加物など、日々の食物に不安を抱くことが多くなってきた。
    けれども、なぜ、どのぐらい危険なのかを理解している人は少ない。
    実際には私たちが思っているよりも「安全」であることがほとんどなのである。
    それどころか、本当の食の危機は、別のところから迫って来ている。
    本書では、「安全」を「安心」へと変えるための意識改革を提案する。

    [ 目次 ]
    序章 食の安全は確保されているのか
    第1章 食の不安の源流を探る
    第2章 食品添加物とは何か
    第3章 残留農薬はどのぐらい危険か
    第4章 安心を手に入れるには科学知識が必要
    第5章 食品表示があなたを守る
    第6章 安全と安心の境界を考える
    第7章 危機にある日本の食生活

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著者プロフィール

京都大学農学部農芸化学科卒業 農学博士 技術士(経営工学)
キリンビール㈱開発科学研究所長、ビール工場長を歴任して
常務取締役で退任 ㈱紀文食品顧問
帝京平成大学教授(栄養学、食文化学)
現在 食の社会学研究会代表
主な著書
『食の健康科学』(第一出版)、『見直せ 日本の食料環境』(養賢堂)
『日本人の食育』(技報堂)、『食品不安』(NHK出版、生活人新書)、
『ビール イノベーション』(朝日新聞出版、朝日新書)、『大人の食育百話』(筑波書房)、
『日本食の伝統文化とは何か』(雄山閣)、『食卓の日本史』(勉誠出版)、
『食べることをどう考えるのか』(筑波書房)、『飽食と崩食の社会学』(筑波書房)など

「2023年 『持続可能な社会における食料問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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