- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140883396
作品紹介・あらすじ
なぜ今「正義」なのか?経済格差のもとに社会が分断され、異文化との軋轢や理解不能な他者への脅えが生じるなか、「善」はもはや抽象的お題目にすぎないのか?ケータイ小説から沖縄基地問題までの多様な事例の検討、意表をつく思考実験、そしてカントからサンデルにいたる正義の理論を徹底的に吟味し、普遍的連帯のアクロバティックな可能性を論じる。大澤社会学、至高の到達点。
感想・レビュー・書評
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新書文庫
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2015/11/29読了。
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レビュー省略
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最近の「正義」ブームに便乗した形のタイトルになっているような気がします。どこに「正義」について書かれているのかよく分からないまま読み通しました。そもそも「正義」ということばの定義自体が、私が考えているのとはちょっと違うのかもしれませんが。さて、一つ一つの話はおもしろいし、よく分かる部分もあるのだけれど、全体としての流れがよく読み取れないまま、結局何が言いたかったのかうまくつかめませんでした。この話の続きは後に・・・と言っておいて、後でどこに出てくるのか分からない。前に議論していた話の続きを語り始めるときには、すでに前の話は忘れてしまっている。そんな感じでした。著者の本はほとんど読んだことがなかったのだけれど、『THINKING「O」』で、中村哲さんとの対談に感動していて、本書も手に取りました。アリストテレスのアクラシアとか、聖書の放蕩息子の話とか興味深い話題がいくつも出てきたのですが、その中でも一番は、最初に出てきた角田光代著「八日目の蝉」です。早速読んでみようと図書館で注文していますが、映画化もあってか人気があり、まだ手元に届いていません。まさか、大澤さんの本を読んで、角田さんの本を読もうと思った人はそんなに多くないと思いますが。
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大学時代にこの本で出てくる人物を聞いたので、すごく懐かしく読めました。
今の時代ストーリー化されない、かなり難しい時代。 -
授業で著者のことが紹介されていたので読んだ。
正義論の変遷について学ぶことができた。
<功利主義>(ベンサム)
最大多数の最大幸福
<リベラリズム>(カント)
定言命法(汝の~行為せよ)
<コミュニタリアニズム>(サンデル等)
多文化相対主義(共同体の慣習の指向する共通善を重視) -
結構,面白かった。
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より良い社会を作るにはどうしたら考え、行動したら良いか。そういうことを論じて、提示してくれる本だと思って読んだのですが、そうではなくて、あくまで「正義」を「考える」という体裁です。つまりは、より良い社会を作るための土台としての知識、勉強をこの本を通してしようじゃないかというもの。一つの答えをドンと提示してくれていたら、星5つでした。喩えるならば、ゴール前までドリブルで切り込んでいって、シュートを打てるようなところなのに、誰かにパスするFWでしょうか。