さまよう遺骨―日本の「弔い」が消えていく (NHK出版新書)

制作 : NHK取材班 
  • NHK出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885789

感想・レビュー・書評

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  • 大切な人や自分の遺骨をどうするか…
    昔ながらの家族制度から変わりつつある現代では、真剣に考えなければいけない問題だと思った。
    私も今、地元から離れて暮らしている。
    お墓や弔い方については、育ってきた地域や環境で変わるので正解はないと思う。
    個人としては、ご先祖様を無縁仏にするのは申し訳なく思う。
    でも自分の子供達にずっと引き継いでいってもらいたいとも正直思わない。
    幸いなことに今は樹木葬はじめ、色々な選択肢がある。
    考えるきっかけをくれたこの本に感謝したい。

  • ●コインロッカーやゴミ箱に捨てられた遺骨
    ●引き取りを拒否され、役所倉庫に保管
    ●身寄りがなく、現金などを残して亡くなった方の遺留金。まず火葬代にあてられ、多額であれば、弁護士らが債務整理して国庫へ。
    ●遺骨を郵送する、送骨。
    ●墓じまいブーム。墓じまい要らずの墓。
    ●墓じまいに寺院から多額の離檀料を要求されるトラブル
    ●日本の福祉は死の瞬間で終わる。墓場までではない。誰にも弔われない遺骨が生まれない対策を講じる。

  • もうお墓を購入する年齢です。正直ず~と悩んでました。
    読み終わりかなりスッキリできました。

  •  引き取り手のない遺骨が急増している、という問題を入口に、旧民法の家長祭祀に由来する「家」単位の葬送と墓が崩壊している現状と、「無縁」を避けるための行政や葬祭業者や市民活動の取り組みを取材している。ほとんど他の著作(小谷みどり『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』や井上理津子『いまどきの納骨堂』など)で既出の内容だったが、「終活」ビジネス(特に墓・墓地の売買をめぐる)に関するトラブルについては、広告収入のないNHKならではで(墓園広告を大口顧客とする新聞社では腰が引ける)、商業メディアが仕掛けた「終活」ブームの負の側面を明示している。

     とにかく行くところどこでも、たとえ追い詰められていても「迷惑をかけたくない」「頼りたくない」という声のオンパレードで、この国の「(自己決定なき)自己責任・自力救済」論の執拗さに改めて呆れる。本書では台湾での行政主導による「自然葬」と公営墓地にオルタナティブを見出しているが、日本では「制度化された与党」自民党にとって家父長制(祖先信仰と天皇制を下敷きとする)は日米安保体制と並ぶ最重要の柱であり、むしろ行政の関与の強化は「家」制度の再建と連動する可能性が高い。もちろん現在の社会構造・産業構造ではそんなことは不可能なので、結局のところまたしても「自己責任」として放置されていくことになる。そもそも遺骨の「無縁」化の根本的原因は、高度成長で解体した「ムラ」共同体に代わる「個」を単位とした共同体の形成がこの国では政治的に阻害されたことにあり、宗教の社会的基盤の貧弱さや、新自由主義政策による貧困・孤立化と合わせて、いよいよ長年の矛盾が取り返しのつかない状況になったと言えよう。

  • 東2法経図・6F開架:385.6A/N11s//K

  • 終末関連市場の有望なニッチ分野を探しているので、本書を読んだ。
    どんなビジネスでもそうだが、やっぱり様々なハードルが存在して、一筋縄ではいかないなあ。しかし、需要は確実にある。
    墓や葬儀、死後の手続きなどをだれに委ねるか、情報管理が求められている。

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