- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140911556
作品紹介・あらすじ
過去は変えられなくても、「今現在」そして「未来」は変えられる。トラウマを振り切り、強い意志と勇気と希望をもって人生を力強く生き抜いていこう!明白でしっかりした理論と実践の見事な調和によって、いま日本でも大きな注目を浴びているアドラーの「個人心理学」の真髄をその人生と織り合わせながら紐解く知的興奮の書。
感想・レビュー・書評
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アドラーの名前だけは聞いたことがありましたが、彼の提唱する「個人心理学」のことも知らないまま、初めて読んでみました。
自分に不都合なことを、生い立ちやトラウマのせいにしがちですが、過去にとらわれずに力強く未来を作っていくことを説いています。著者が「心理学は一朝一夕に学ぶことができる科学ではなく、学び、かつ、実践しなければならない」と言っている通り、一読して理解できるものではないですが、心にとめておきたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『アドラー心理学 シンプルな幸福論 』を入門としたら,次はこの本.
アドラー心理学の理論を整理しながら,アドラー自身の言葉と時代を引用しながら丁寧に説明している. -
アドラーの生い立ちを辿りながら、アドラー心理学がどのように成り立ってきたか、そこから始まっている。そして、アドラーの生涯を交えて紹介してくれています。フロイトとの違いを対比しながら書き、未来の幸福に向けた、社会への関心・貢献への勇気の心理学である。過去は変えられなくても、「現在」、「未来」は変えられる。トラウマを振り切り、強い意志と勇気と希望をもって人生を力強く生き抜いていこう!というメッセージ。
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書かれていることを噛み砕きながら読み進めないと内容理解ができなかったので読むのに時間がかかってしまいましたが、読み切ることができ大変満足しています。
アドラーの生涯、アドラー心理学の考え方とその著書、事例、そして最終章では死生観にまで触れられていたので、アドラーの思想の根源から知ることができました。
フロイトとの出会いから、思想の相違点もわかりやすく書かれていたので師弟関係にあったのではなく対等の研究者であったということが納得できました。
また育児、教育におけるアドラーの考えを知り、いかに日々の大人の子どもへの関わり方、心の持ちようが子どもにとって影響力が大きいものかを考えさせられました。
改めてアドラー心理学は実践していくことが難しく、しかし今ここから、自ら他者への貢献、信頼を始めていくことが大切だと気付きました。
以下読書メモ
感情は人を支配しない。人を支配したいという目的があって怒りという感情を持ち出しているのだ。
怒りは人と人を引き離す感情。
怒ること以外の有用な役立つ方法があることを知っていれば、怒りの感情をだっきゃくするこあは可能。
人は「他の誰とも異なった人間としての可能性、発達の可能性」を持っている。
ライフスタイルは自ら選択したものである。人との関わりを回避したいから自分の欠点を理由にしている。人と関わることを恐れない人は自信があり、自分の長所を容易に見つけることができる。
「自己への執着」自分にしか関心を持たず、世界の中心であると考える。他者が自分の期待を満たさなければ憤慨する。
「他者への関心」共同体感覚は、他者の存在を認め、他者にどれだけ関心を持っているかの尺度である。
他者のことはわからない、と思って、そのことを前提に人を理解することに努める方が、他者の理解に近づく。
「真の共同体感覚と誤った共同体感覚」のいずれであるか、吟味しなければならない。他者貢献は自分がどうするかが重要。
何をするにも必ず成功しなければならないと考え、必ず成功するという保証がある時にだけ挑戦する。しかし、失敗が少しでも予想され、成功することが確信できなければ、最初から挑戦しようとしない。
このために神経症の症状はつくられる。
神経症者のライフスタイル
1.私には能力がない、と思う
2.人々は私の敵である、と思う
器官劣等性のある子ども
甘やかされた子ども
憎まれた子ども
健全なライフスタイル
1.私には能力がある、と思う
2.人々は私の仲間である、と思う
誤った優越性の追求
1.他者を支配すること
2.他者に依存すること
3.人生の課題を解決しようとしないこと
子どもを甘やかすと親から自立することができず、
搾取することは知っていても与えること、協力すること、その必要性をも知らないで育つ。
共同体感覚を伴った優越性の追求
1.他者を支配しない
2.他者に依存しない(自立する)
3.人生の課題を解決する
人間は対等である。対等の人格として扱う。子どもたちを対等の関係において見て、尊敬し全幅の信頼で接するのであれば、力で抑える必要はない。
勇気づけは、子どもが人生の課題を解決しうるという自信を持てるように援助すること。子どもの課題を親が肩代わりできないことは知っておきたい。
叱ることでは、子どもは自分に価値があるとは思えず、子どもが課題に取り組む援助をすることもできない。子どもは親の言うことが正論であることを知っている。自発的に決心したのでなければ、いつでも簡単に元に戻る。
対等だと見ていれば、そもそも叱ることなどできるはずがない。下だと思っているからこそであって、その際対人関係で下に置かれた人はそのことを嬉しくは思わないだろう。
ほめられるために何かに取り組む子どもも、ほめられないと、認められないと何もしない。自分の判断で行動できる子どもになってほしい。褒めるよりも、「ありがとう」。
大人の子どもへの働きかけは操作や支配ではあってはならない。大人の側に忍耐が要求される。勇気づけは手間隙がかかるのである。試行錯誤的に子どもに声をかける。私が子どもを勇気づけているのではない、むしろ、日々の生活においてどれほど子どもに勇気づけられているか。 -
経験をどう意味付けるかは人によって異なる、というのが決定論。同じ経験をした人が同じ未来を歩むわけではない。
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人生は苦である、試練をどうのりこえるか、と言う発想を久しぶりに思い出した。アドラー心理学入門にもおすすめの本。
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It was hard to read. It took time. I stopped reading on the way.
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途中で「嫌われる勇気」をよんだせいで中身がすっと入るようになった。言ってることは同じこと。