明治〈美人〉論 メディアは女性をどう変えたか (NHKブックス)

著者 :
  • NHK出版
2.40
  • (0)
  • (0)
  • (3)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 58
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140911983

作品紹介・あらすじ

絵葉書となり、流した浮名に庶民が興味津々の芸者・栄龍。鹿鳴館の貴婦人の一人でセレブ中のセレブ、侯爵夫人・鍋島栄子。美人コンテストで一等獲得。初の素人美人、女学生・末弘ヒロ子。彼女たちに代表される美人は、その容姿はもちろん、文明開化の気運がもたらした女性の地位、教育、ファッションなどの変革もあいまって、写真・出版メディアの注目を集めるに至った。黎明期の女性雑誌、明治初期に創刊された「小新聞」を中心に現代にも通じる美しい女性の生き方を問う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 令和の今、明治の女性から学ぶ「未来を拓く力」和洋学園創立125周年記念 オンラインシンポジウム 参加者募集中 | よみぽランド
    https://yomipo.yomiuri.co.jp/present/detail/5005

  • 歴史

  • 明治の恋愛結婚にはキリスト教の思想的背景があったらしい。だから日本人は結婚式を教会で挙げたがるんだそう。
    一方、写真はお見合い写真として結婚のあり方を変えた。本当に写真だけで結婚を決めてたみたい。

    あとは、被写体となって見られる女はもっぱら芸者であった時代から、段々と令嬢ブームやセレブの家族写真へ。

  • このころ生まれた(つくられた)男女間の価値観を今でも引きずってるんですね日本って。

  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    浮世絵など「美人画」といった漠然としたイメージだった日本の美しい女性像は、明治期になると写真術や出版メディアの普及によって必然的にリアルさを伴うこととなった。新しい時代の美人像はどのように発展し、どのような影響を及ぼしていったのか。
    -------------------------------------
    所在番号:367.21||サエ
    資料番号:20101044
    -------------------------------------

  • 1.佐伯順子『明治〈美人〉論 メディアは女性をどう変えたのか』NHK出版、読了。本書は近代化という時代の転換期の中で、新しいメディア(新聞・雑誌・写真)が女性をどのように表象したのかを明らかにする一冊。当時の美人とは芸者を意義する言葉。日本で最初のミスコンの参加者の全ては芸者だ。

    新しい時代を告げる女性のシンボルは「女学生」。「女性雑誌」は、やがて良妻賢母へとの意義を強調する。雑誌や新聞は皇族や家族の夫人・令嬢の洋装写真を掲載し、ビジュアル化された「よき家庭」像を演出するが、論調は良妻賢母高調のみではない。

    大正・昭和に開花する職業女性の萌芽だけでなく、キリスト教に示唆を受け、外面の美に対する内面の美という論調も見られ、トータルとしては、単一な女性像への収斂というよりも、様々な生き方がせめぎあっていた。図版も多く実像を立体的に理解できる一冊。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1961年生まれ。同志社大学大学院社会学研究科教授。専門は比較文化史。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。国際日本文化研究センター客員助教授等をへて、現職。著書に『遊女の文化史(中公新書)』、『「色」と「愛」の比較文化史』(第20回サントリー学芸賞、第24回山崎賞、岩波書店)、『「女装と男装」の文化史』(講談社選書メチエ)、『明治〈美人〉論』(NHKブックス)、『美少年尽くし』(改訂版、平凡社ライブラリー)、『男の絆の比較文化史』(岩波書店)ほか。

「2022年 『「専門家」とは誰か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐伯順子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×