私のこだわり人物伝 2008年12-2009年1月 (NHK知るを楽しむ/火)

著者 :
制作 : 日本放送協会  日本放送出版協会 
  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784141895091

感想・レビュー・書評

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  • [語り手] 中島岳志:「マハトマガンディー 現代への挑戦状」
     私はこの本を読む前は、「ガンディー」という有名な人物であるということしか知りませんでした。しかし、この本を読んでからはガンディーが平和で、争いのない世の中を求めていること、そのために行った言動や行動について初めて知ったと同時に、ガンディーの考えについて考えさせられる良い機会になりました。

     この本を読んでいると、ガンディーは極端な禁欲主義(ブラフマチャリヤ)がとても強い人物であると感じます。現代的な欲望はほとんど全て禁止になってしまします。
     ガンディーが首相になったら、「非暴力」「不服従」の考え方から、アメリカや軍事力に頼らない安全保障の確率とか、自衛隊の完全解体とかをやろうとし、非武装中立路線を本気で歩みだすことになるかもしれないと筆者はいっていました。私もこの考えに共感です。しかし、ガンディーの思考や行動が、ときに極端であればあるほど、欲望にまみれた私たちの生活を反省し、見つめ直すきっかけを与えてくれることも事実であると感じます。

     この本を読んで、ガンディーの考え方について改めて考える機会が出来たことで、自分を見つめ直すきっかけとなりました。ガンディーに限らず、様々な意見や考え方を取り入れて幅広く教養を身につけていきたいと思いました。(『NHK知るを楽しむ
    私のこだわり人物伝 2008年12・1月』)(210129 220002)

  •  「こだわり人物伝」は、NHK教育テレビでやっている教養番組。最初は「知るを楽しむ」内の1カテゴリーだった。

     私は、この手のNHKの教養番組のテキストをよく読む。元になっている番組を観なくても、テキストだけ読んでも面白くてためになるから。以前やっていた同種の番組「NHK人間講座」「NHK人間大学」のテキストも、よく買って読んだ。

     この手の番組では、講師となった人が番組内容をベースにしてのちに著書を出すことが多いのだが、その著書よりも番組テキストのほうがずっと割安だし、たいていは内容もあまり変わらない。要は、番組テキストでありながら独立した教養書としても読め、お値打ちなのだ。

     今日読んだテキストは2008年12月/2009年1月の同番組をまとめたもの。中島岳志さんを講師としたガンディー編が読みたくて買ったのだが、カップリングされている松下幸之助編(講師/北康利)もたいへん面白く、けっきょく全部読んだ。
     どちらも、平明な人物入門でありながら対象の「核」に肉薄しており、見事な評伝にもなっている。

  •  北 康利著『松下幸之助ー哲学した経営者ー』。ETV「NHK知るを楽しむ」テキストの1冊。

     日本で初の「哲学をもつ経営者」が着眼点。銀行マンだった著者が、狭いビジネス世界から、飛び出そうと読んだ松下の著作、飛び出して作家活動を展開するなかでの本書。

     松下は話したと、言う。「松下は人をつくっています。あわせて電気製品もつくっております」(149p)。

     ソニーと松下。VTRの規格統一の話もなかなか。両者にはベータとVHSの規格相違のある点は、よく知られている。ソニーが誘って、規格統一にむけ技術提携のため、社長を工場案内した。

     終わって松下。「ベータは百点」。「(それは)録画時間が1時間やから、(VHSの録画は)2時間やから二百点やな」(138p)。規格統一の話。なぜNHKがベータで、家庭用がVHSか。理由がわかった。

     ひるがえって、当世の風潮。ソニーは売れ行き不振で「派遣切り」が大きく報道された.
    松下からパナソニックと名をかえた会社が、どうしようとしているのかは伝わってこない。いきおい識者は「今の不況」、「不況後のモノツクリ」。そのとき、経営哲学がどうなっているのか、それこそ、「固唾をのんで、見守ってる」はず。

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著者プロフィール

1975年大阪生まれ。大阪外国語大学卒業。京都大学大学院博士課程修了。北海道大学大学院准教授を経て、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は南アジア地域研究、近代日本政治思想。2005年、『中村屋のボース』で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。著書に『思いがけず利他』『パール判事』『朝日平吾の鬱屈』『保守のヒント』『秋葉原事件』『「リベラル保守」宣言』『血盟団事件』『岩波茂雄』『アジア主義』『保守と立憲』『親鸞と日本主義』、共著に『料理と利他』『現代の超克』などがある。

「2022年 『ええかげん論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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