内村鑑三『代表的日本人』 2016年1月 (100分 de 名著)
- NHK出版 (2015年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230587
感想・レビュー・書評
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内村鑑三の「人はみな『永遠』を生きる」という言葉にかけてみては如何か。真面目な生き様は、後世へと受け継がれる、として、内村鑑三は5人の人物の生き様を紹介している。
西郷隆盛
上杉鷹山
二宮尊徳
中江藤樹
日蓮
の5人である。
内村鑑三は1861年生まれの、まさに幕末から明治維新の時代を生きた人で、その成人の時期を明治に生きた人である。そして「無協会」という立場を取りながら『基督信徒のなぐさめ』と題する本を書き、このキリスト教は本が思想家内村鑑三の誕生を告げることになると言う。
そして後に『How I Became a Christian』(余は如何にしてキリスト信徒となりし乎(か))を英語で著し、自分にとってのキリスト教は、西洋からもたらされた外来の宗教ではなく、日本人の心の求めとして結実したものであると語ったという。
この本(100分de名著)を読んでいて、細かいことを言わずに、この若き批評家若松英輔氏が前書き「内村鑑三とは誰か」に網羅されているのではないかとさえ思った。私が書籍レビューを登録しているサイトに、引用を登録するため、欲しい所を拾ったら、何と最初の著者の前書き部分の「内村鑑三とは誰か」の部分からだけになってしまった。それだけ若松氏が上手く纏めてしまったということだろう。何だか内村鑑三を読むよりも、若松英輔氏の内村に関する著作を読む方が、もしかしたら手っ取り早いかもしれない。
内村が言った「私たちにあるとされがちな無批判や忠誠心や血なまぐさい愛国心とは別のもの」これを内村はどう説明しているのか、読者の皆さんはどのように受け止めるのか、後世へと受け継がれるとした内村の真面目な生き様はどのように受け継がれているのか、いないのか。検証してみるのもとても意義のあることだろう。誰か是非内村の思想を引き継いで欲しい。
止む無く入院の憂き目を見たので、放送を見逃した。退院したら是非オンデマンドで視聴するつもりだが、見たいものばかりで困った。
それでもやはり本物は読むべきだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「代表的日本人」というタイトルだと日本人論のように思っていたけれど,そうではない。もっと大きなもののについて書かれている。自分を生きるというよりも他人,そして天のために生きる。そういう天命の下に生きたいと思う。
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テレビを見てないので買いました。
「代表的日本人」は10年以上前に読んだけど、内容はほとんど覚えてないのでまた読んでみようと思います。 -
on TV
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(2016.02.07読了)(2015.12.26購入)
Eテレの「100分de名著」のテキストです。
内村鑑三の著作は、2002年に4冊読んでいます。その中に『代表的日本人』含まれています。興味深く読んだように思います。
『代表的日本人』で取り上げられている人物は、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人です。
テキストでは、第1回で、西郷隆盛、第2回で、上杉鷹山、二宮尊徳、第3回で、中江藤樹、日蓮、を取り扱っています。第4回では、『後世への最大遺物』などに触れています。
西郷隆盛については、いくつか関連本を読んでいるのですが、他の4人については、あまり知らないので、機会があれば、読んでみたいと思います。
【目次】
【はじめに】内村鑑三とは誰か
第1回 無私は天に通じる
第2回 試練は人生からの問いである
第3回 考えることと信じること
第4回 後世に何を残すべきか
●天命(21頁)
人間が何かをするのではなく、人間は無私になって天の道具になるのがもっとも美しい
●上杉鷹山と二宮尊徳(39頁)
人の生涯を左右するのは、生まれや地位ではなく、志であることが伝わってきます。
●孔子の『大学』(67頁)
天子から庶民にいたるまで、人の第一の目的とすべきは生活を正すことにある。
☆関連図書(既読)
「基督信徒のなぐさめ」内村鑑三著、岩波文庫、1939.09.15
「後世への最大遺物・デンマルク国の話」内村鑑三著、岩波文庫、1946.10.10
「代表的日本人」内村鑑三著・鈴木範久訳、岩波文庫、1995.07.17
「余は如何にして基督信徒となりし乎」内村鑑三著・鈴木俊郎訳、岩波文庫、1938.12.10
「内村鑑三」森有正著、講談社学術文庫、1976.09.10
(2016年2月8日・記)
内容紹介(amazon)
西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮という『代表的日本人』の生涯を通して、内村鑑三はみずからの精神的自叙伝を書いた。講演録『後世への最大遺物』にも触れ、人生の意味を「継承される使命」のなかに見出す。生きがいなき現代の、迷える「魂」を救済する一冊。