アドラー『人生の意味の心理学』 2016年2月 (100分 de 名著)
- NHK出版 (2016年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230594
感想・レビュー・書評
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▼「100分de名著 人生の意味の心理学 アドラー」岸見一郎。2016年のテレビ番組に基づくもので、NHK出版。
オーストリア生まれの心理学者・医師のアルフレッド・アドラー(1870-1937)が1932年に出した「人生の意味の心理学」という本について(そしてアドラーさんの考え方全般について)日本の大学などで教える哲学者である岸見さんという方が語ったテレビ番組を書籍化したもの。
この100分de名著シリーズ、僕は大好きです。
▼多分21世紀に入ってから日本でも「嫌われる勇気」とかでアドラーさんが人気?がじわっとある前提で作られた企画かと思います。アドラーさんの考え方をちゃんと知るのは初めてでした。それなりに面白かったです。
▼詳しくはググれば出てくるんでここで包括的に論じることはしませんが。
まあ、
「人生考え方次第やで」
「なんか目標達成して社会成功せんとあかんとか、思い込まんほうが幸せやで」
「なんかほら、イチローが成功したのはパパがこうこう育てたからや、みたいな因果関係ってのは大抵後付けやねんで。そんなの色んな偶然とか運とかあんねんから、そういう報道しやすい因果関係を信じるのは阿保らしいんちゃいますか」
「結局社会成功の価値、そういう人生の意味付けにしばられとったら、ああ俺はなんて不幸なんやみたいなルサンチマン抱えるやんか。俺はなんてダメなんだって無駄に自己否定したりとか」
「そういうこっちゃなくて、自分が与えられたもの数えるじゃなくて、自分が持ってるもんをどう使うかってことでええんちゃうか。競争してもなあ、どこまでいってもおっきなシアワセ感ってのは無いんちゃうか」
「だから、あんまり子供とか怒ったらあかんでー。怒って良くなることあんまあらへんで」
「だからまあ、あんまり周りに合わせすぎなくてええねん。あんたはあんたしかおらへんから、あんたなりに一生懸命、自分なりの人生の意味ってのを求めるだけでええねんよ」
「人間関係はしんどいんやけど、人間関係からしかおっきな幸福感って得られへんやんか。だから人間関係に入っていく、言うたら自分が傷つくかもしれへんねんけど、それを恐れすぎない勇気が大切や思うで」
「やっぱり孤独はさみしいねん。ほんでもってほっとくと孤独になりかねんしな。なんかの共同体に自分なりに居場所あるなー、みたいな、何かのローカルな人間関係に承認されてる感、みたいなことがないと落ち着かんし疲れるし狂ってまうで。そういうの、自分にとってもひとにとっても大事にしたらんとなあ」
みたいなことかと思いました。微妙に個人的な曲解や拡大解釈が含まれると思いますが(笑)。
▼で、それはそれで「そらそうやなあ」という感じ。
まあ、何も科学的実証できるこっちゃないので、考え方の好みですが。
もともと連れ合いから「あんたこの人の考え方きっと好きやで」と勧められた本で、読んでみて、「うんまあ好きやな。こういうことや思うわー」と思いました(笑)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
嫌われる勇気、幸せになる勇気がいたくきに行ったので、こちらも拝読。
内容的には上記2冊と被るところが大多数です。
分量的にはこちらが薄いので、興味が少しでもある方のイントロに良いかと思います。
個人的にはアドラー心理学(哲学と呼びたい)は、現代社会における生き方の1つと信じています。 -
自分だけに関心を持つのではなく、他者に関心を持ち、他者に貢献してみよう
貢献できると思えば、自分に価値があると思えるようになります。そのように思えた時に、他者はもはや「敵」ではなく「仲間」と見なすことができるようになります。
全ての人間が対等の横の関係にある
人は誰にも何にも支配されない
ほめることも、叱ることと同様に、子供を対等な存在とみなしていないと言うことです。
共同体感覚
人は…自分が「意味づけ」した世界に生きている
過去の経験が私たちの何かを決定しているのではなく、私たちが過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって自らの生を決定している
過去の経験は「決定因」ではない
原因論と目的論
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コンパクトにまとめられて読み易かった。アドラー心理学の本をこれからも読んでいきたいと思った。
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「嫌われる勇気」がベストセラーになったことで、にわかに有名になったアドラーの代表作について、優しく解説した本。
少し癖のある会話形式となっている「嫌われる勇気」よりも、シンプルにアドラー心理学を学ぶことができる。そのためアドラーに興味をもって「嫌われる勇気」を手に取ったんだけれど、何となく文体がしっくりこなかった人に特にお勧め。
自分にとって特に気に入ったのは「原因説ではなく、目的説」という考え方。 -
アドラーの考え方がシンプルにまとまっていて、読みやすい1冊。
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アドラーの心理学は、”心理学”というよりは"哲学"であるように思われる。
特に自分自身を見つめて、他者に振り回されない考え方については非常に理解ができる。 -
アドラーに興味がある人は、入門として一読の価値あり
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読みやすく、わかりやすい内容でした。
優越性の追求と劣等感の存在が進歩の原動力になる、という説明にとても納得しました。
アドラー心理学の「勇気づけ」の意味も、本書で初めて「わかった」という感覚が得られました。
ここで言う「勇気」とは、対人関係の中に入っていく勇気であること。
人の中で生きるということ。
今の自分を出発点として、他者へ関心を向け、協力し、貢献することによって、実現したい未来に近づいていけるということ。
他のアドラー心理学の本も読んでみたくなりました。