NHKスペシャルドラマ・ガイド 坂の上の雲 第2部 (教養・文化シリーズ)

制作 : NHK「坂の上の雲」プロジェクト  NHK出版 
  • 日本放送出版協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144071737

感想・レビュー・書評

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  • 2009年から3年に分けて放映されたドラマ「坂の上の雲」。本書は2010年に放映された第二部のガイドである。表紙の秋山真之役の本木雅弘が超カッコイイ。また、自身の仕事である海軍戦術の研究に熱中し、自ら「一生の大道楽」と公言してはばからない点が素敵である。私も今の仕事を、そう位置づけたいものだ。
    第二部は1902年の日英同盟から1904年の日露戦争開戦までを描く。主人公は秋山好古、秋山真之、正岡子規の3名なのだが、ナンバー4に据えられるのが広瀬武夫。秋山真之の海軍の先輩として、親友として、男くさい絶妙なやり取りがたまらない。6年に亘るロシア駐在武官時代のアリアズナとの恋愛、そして日露戦争における第二回閉塞作戦での殉死…。これらは第二部の一番の見どころと言っても過言ではないだろう。広瀬役の藤本隆弘。見事にハマり役である。藤本はこの名演を認められ、今年の大河ドラマでは清盛の部下を演じている。
    本書を読んでみると、各地色々と旅してみたくなる。松山はもちろん、旅順、サンクトペテルブルクなど…。本ドラマの舞台となった場所を訪ね、小説やドラマの足跡を感じてみたいものだ。
    どうでもいいことだが、現在の悩みどころは、現在HDDにあるこのドラマをDVDに保存するか否か…。レンタルショップで100円前後で借りられるのに、わざわざダビングして保管する手間を考えると…。HDDの容量にあまり余裕がないので早く決意すべきなのだが…。

  • グローバルな視野をもった作品に 「坂の上の雲」 101205-1226nhkG放送

     「制作者からのメッセージ」 第2部演出&脚本 佐藤幹夫筆で記載されている。

    「イギリス、ロシア、中国という、それぞれの異なる立場でドラマが展開」「当時の日本がいかに近代化を急いだか」「(そのために)たくさんの多くの人が命をかけて国を新しく、強く、豊かにしようと力を尽くした」

    第二部を担当されたエグゼグティブ・ディレクターは、その一端を紹介する。
    我が国の近代化を、もとより国内に軸足をすえながらも、海外目線で問いなおしてみる。
    「戦争というものはどちらか一方が『悪』というものではない」。両国の国民にとって「お互いに戦いたくはないのに戦争が起きてしまうのが悲劇」望んでいない戦争が起きる」。

    「(正岡)子規の死がいちばん大切な部分」と位置づけ、三人の立ち位置を示す。
    「命の限り懸命に生きようとする子規」「それを見守り励ましていく真之」「自分の青春をすべて悟性にして兄を看病する律」と示して、「演出でいちばんこだわったのは子規と真之と律のシーン」と、演出の骨格を明かしてもくれている。

     本邦のたどった、近代化の道筋。
    本書はご存じ、司馬遼太郎作品の同名原作のドラマ啓発書。放送時に寄稿者のお一人たる演出担当のお方が送って下さった。

    あらためて朔北の地で読み返し、浮かんでくることが多い。その一つは、薩摩・島津家漢方医の子息だった前田正翁こと。

    「北海道の風土はロシアのそれに、よく似てる」。学部時代にロシア文学を専攻とも聴いていた。
    振り出しの地方局勤務地は、「本人たっての希望」で選ばれた由。そう経歴で読んだ。
    このことは本稿を記載する過程で承知し、往時の記憶を呼び戻すことに。司馬作品の愛好者は多い。

    なかに作品化をして、「ドラマ化はイメージをこわす」の論があるかも。
    しかしドラマ化は、そうした論を承知で「原作者の構想をさらに豊富にひろめた」.
    ​​ つまり「あらたな読書領域の広がりを提示」の側面こそ<むしろ重要>と、うけとめたのであるが。​​

  • おすすめ度:95点

    第2部も第1部に負けず劣らず素晴らしいドラマであった。
    第1部のテーマは「青春」。そして、第2部のテーマは「友情」であったという。
    日露戦争は「国民の軍隊」が戦った「国民の戦争」であり、ロシアの「皇帝の軍隊」とは根本的に異なる。
    超一流の演出、脚本、美術と名優陣の鬼気迫る熱演によって、明治の熱狂的息吹とその時代を懸命に生きた気骨が胸に迫る。

  • また年末まで続きはお預け。備忘用に購入。

  • 完全にはまり、第二部のガイドも購入。笑
    来年もきっと買います。w

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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