シャ-ロックホ-ムズの功績 (ハヤカワ・ミステリ 450)

  • 早川書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150004507

感想・レビュー・書評

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  • パスティーシュにも手を出してみようかなと思って探していたところ、2013年の丸善ジュンク堂限定復刻版を入手できました! (もったいなくて、図書館にあったボロボロの版を借りてそちらで読みました笑

    「ここがカーっぽい」と言えるほどカーを読んでいないのですが、ホームズが密室殺人事件に挑むのは、ならではですね。お話としては蝋人形やラヴィントンの幸運が面白かったです。あと読んで驚いたのは大久保康雄さんの訳、すごい良いですね。現在ハヤカワ・ミステリ文庫で「冒険」だけ(他Kindleで)出ていますが、ポケミスで復刊してくれないかなあ...

  • ドイルの息子アドリアンと、ミステリー作家ジョン・ディクスン・カーによるホームズパスティーシュ。正典の中で名前だけ出てきて内容には触れられていない、いわゆる"語られざる"事件を扱っている。
    ドイルによるホームズのエピローグ「最後のあいさつ」を読んで妙にもの悲しくなった方もいると思うけれど、この本の12章「赤い寡婦の事件」のラストはそんな人にとって少し救いになったりするんじゃなかろうか。やっぱりホームズにはいつも事件を追いかけてて欲しいし、ワトスンにはそんな彼の後についていって欲しい!と思う人へ。

  • 密室の巨匠とドイルの子息による合作。時計を壊す男や傘を取りに行って消えた男など事件そのものが面白いものはカーでファンとしてニヤリとするのが子息の方な気がする。
    何はともあれ事件簿の後にシャーロックホームズの短編集が読めるのは嬉しいです。

  • コナン・ドイルの息子さんとジョン・ディクスン・カーの共作と息子さんだけの作品の短編集。
    どれもそれなりによかった。
    最後の作品の晩年の二人は蛇足かな?ってちょっと思うけど。

  • やっと読めました!
    読んでなるほどと納得。前知識なしで読んだ素人の私でもどれが合作かわかりました。

    ディクスン・カーが関わっている話は
    一目瞭然で、ホームズとワトソンのなつかしくも普段通りである雰囲気の中にちょっとした新しさやスパイスがある。
    アドリアン・C・ドイルの書いたものは、聖典の焼き直しのような部分が多かったように思います。

    それでもやはり魅力であるふたりの掛け合いも含め、どの話も「シャーロック・ホームズ譚」として楽しく読めました。

    あとワトスンの女性の描写が強調されてた気がする。

  • シャーロキアンが推薦するもっとも聖典に忠実なパスティーシュ

  • 『七つの時計の事件』
    ホテル知り合ったチャールズという青年のおかしな行動についての相談を持ち込んだシリア・フォーサイス。ホテルのロビーにあった壁掛け時計など2つの時計を急に壊したチャールズ。使用人トレプレイが他に5つの時計を壊したり引き出しに隠したのを目撃したと証言。シリアの雇い主がチャールズをアレックと呼ぶ秘密。

    『金時計の事件』
    嵐の夜に眠っている間に死んでいたトレロニー老人。死因を調べたグリフィン医師と権威ある医師にも死因が不明。トレロニー老人の姪であるドロレス、婚約者のエインズワース、グリフィン医師の関係からグリフィン医師に容疑をかける警察。就寝前に時計を巻いて寝る習慣のトレロニー老人。深夜1時に様子を見たというエインズワース。ホームズの実験であかれた時計のネジの巻き時間。

    『蝋人形賭博師の事件』
    足を捻挫し動けないホームズの元に寄せられた相談。蝋人形館に展示されているカードをしている蝋人形の持つカードが変わっている。蝋人形館の番人の孫娘が秘書をする競走馬の馬主サー・ジャーヴェスと事件の関係。

    『ハイゲイトの奇跡事件』
    傘を以上に大事にするキャブプレジュア氏。傘を調べさせたキャブプレジュア夫人。キャブプレジュア氏の共同経営者がキャブプレジュア氏がダイヤモンドを持ち出したとの証言から張り込みをかけるホームズとレストレイド警部の目の前で傘を取りに戻り消えたキャブプレジュア氏。キャブプレジュア氏失踪の直前にキャブプレジュア家を訪れていた牛乳配達員。

    『色の浅黒い男爵の事件』
    レジナルド・ラヴィントン卿の屋敷で何もかに喉を刺されて死んだダルシー大佐。ラヴィントンの幸運と呼ばれる盃で乾杯をした直後の死。ラヴィントン夫人とダルシーの関係。容疑のかかったラヴィントン卿。

    『密閉された部屋の事件』
    密室状態の部屋で自分の妻を撃ち自らも自殺したように見えるウォーバートン大佐。事件直後に窓のガラスを破って部屋に侵入した大佐の甥あるラシャー大尉。割れたガラスを組み立て直すというホームズの言葉から犯人に仕掛けられた罠。

    『ファウルクス・ラス館の事件』
    ファウルクス・ラス館で殺害されたアドルトン老人。死の直前にロングトムにやられたとの言葉を残す。現場にいた甥のパーシー・ロングトンの逮捕。死の数ヶ月前から地所を売り始めたアドルトン老人の秘密。過去に犯した犯罪の報い。

    『アバス・ルビーの事件』
    サー・ジョン・ドヴァートンの屋敷から盗まれたアバス・ルビー。事件直前の会合で披露されたアバス・ルビー。ドヴァートン卿の自慢の椿がすべて無くなったとの報告に驚いて飛び出した隙に盗まれたルビー。窃盗の前科があった使用人のジョフリの逮捕。ジョフリをドヴァートン卿に紹介した義弟のマスターマン大尉の秘密。

    『黒衣の天使の事件』
    田舎の家に閉じこもり人との付き合いを避けるフェラーズ。彼の娘ダフネが見つけた黒衣の天使の絵。黒衣の天使の絵に怯えるフェラーズ。

    『二人の女性の事件』
    ビリーから謎の伝言を受け取ったワトスン。ホームズが抱える事件。カリングフォード公爵の死後に夫人に突きつけられた夫の重婚疑惑。国家の機密と引き換えに書類を渡すという取引。ホームズを脅すフットマン・ボイス。書類を調べるためにマダム・ラメラインの家に忍び込む二人。書類のインクに隠された秘密。

    『デブトフォードの恐怖の事件』
    3年前から屋敷に住む一族が謎の死を遂げるウィルソン一家。残されたジャネットの恐怖。家を売ると言い出したジャネットを止める叔父のセオボルド。セオボルドが飼育するカナリア。キューバでセオボルドが仕入れた商品の謎。

    『赤い寡婦の事件』
    所有するギロチン殺害されたジョスリン・コープ卿。事件直後に消えた従兄弟のジェスパー大尉。消えたコープ卿の首。元の領主のために作られた装置の秘密。忠実すぎる使用人のミス。

  • 推理小説作家のカーとドイルの息子であり作家でもあるアドリアンの合作です。
    何とも豪華です。
    ホームズの性格、推理方法を細かく設定した上で書き上げたパスティーシュの傑作です。
    ホームズパスティーシュは数ありますが、この作品はかなりの出来だと思います。
    さすがはカーです。

  • 聖典の雰囲気を強く残したパスティーシュです。さすが息子と本格ミステリ作家の作品だけありますね。聖典で触れられた未発表作品を元に、というのが嬉しいです。読んでる途中で、聖典に出てきたあの話かな?って思いついたり。事件の内容も国際的テロから市井の人の小さな相談事まで幅広く、厚さ以上に密度の濃い作品でした。

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