殺人展示室 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1766)

  • 早川書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150017668

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  • 133頁で第二部のタイトル「最初の被害者」を見て驚く。
    つまり少なくとも、第二の殺人があるという殺人予告だ。

    そして、その被害者とは、
    第一の殺人の発見者である掃除婦タリーではないのかと、
    半ばおびえながら読み進むことになった。
    コティジから見るヒースやロンドンでの一人の生活を楽しむ彼女に、
    なぜだか感情移入をしてしまったようだ。

    第二の殺人を乗り切るものの、「第三の被害者」と第四部のタイトルを見た時点でもうだめかとあきらめた。
    しかし、その被害者は意外な人物で、
    襲われながらもタリーは生き延びた。
    これは私の邪な読み方ではなく、作者の罠にはまっただけだけ?

    ケイトには悪いが、
    前作で登場したエマがダルグリッシュ警視長のプロポーズを受け入れて良かった。
    トムキャットが助かったのも。

  • 殺人事件に関する展示を行う私設博物館で博物館の理事であり、創設者の次男である男が殺された。過去に起きた殺人事件と似たような方法で。これは模倣殺人なのか、それとも博物館の相続に関する争いなのか。捜査を進めているうちに、次の被害者が・・・。

    風景の描写、地域の背景、登場人物の心理、そしてダルグリッシュ自身の抑えられた感情。まさに大人のためのミステリって感じ。

    P.D.ジェイムズの本を読むのが久々だったし、スピード感ある本を最近読んでいた(?)かな、事件に関係ない描写が多くて、展開がちょっと遅い? なんて感じてしまいました。特に第一の殺人が起こるまで。
    殺人が起きてからは、ぐっとスピードが上がったけど。

    でも、ダルグリッシュの心の動きやちょっとした機敏とか孤独な心を見せたり、実は分裂的な心を持つ他の登場人物とかの表し方は本当にうまい。さすがですね。

  • 相変わらずシビアかつ怜悧な人間観察。時々、自分のことを言われているようで、どきっとする。

  • 英国の本格派ミステリーっていっていいのかな? 80歳を超えてもなお健筆衰えないP.D.ジェイムズの相変わらず端正な新作。といっても去年の5月に出てたのに気が付かなかったワタシ。
    ロンドンとハムステッド・ヒースに建つ風変わりな博物館を舞台に繰り広げられる連続殺人事件にいどむ詩人にして警視長のダルグリッシュ。美しい風景とは裏腹なドロドロしたイギリスの上流階級の裏面がかいま見られます。博物館はなんのためにあるのかというような議論もチラッと出てきますのでその方面もけっこう興味深い。ちょっとテンポが遅すぎという感じもあるものの、じっくり味わうにはこれくらいでいいのかも。でもダルグリッシュと英文学者の女性との関係はあまりにも古風過ぎるって気がしないでもないっす。

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