編集者を殺せ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1767)

  • 早川書房
3.43
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本棚登録 : 59
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150017675

作品紹介・あらすじ

探偵ネロ・ウルフを、事故死した娘は実は殺されたのではないかと考える父親が訪ねてきた。娘は出版社に勤める編集者で、亡くなった晩は原稿の採用を断わったアーチャーなる作家と会う約束をしていたという。ウルフはこのアーチャーという名前に聞き覚えがあった。先日、弁護士事務所で起きた殺人事件にも同じ名が登場したのだ。ウルフに命じられて二つの事件を調べるアーチーの目前でさらなる殺人が!アーチーは一計を案じ、関係者の女性たちにウルフ秘蔵の蘭とディナーを贈るが…美食家探偵が苦虫を噛み潰しつつ、狡知な殺人鬼と対決する。

感想・レビュー・書評

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  • 美食家探偵ネロ・ウルフと助手アーチーシリーズ長編。迷宮入り殺人事件と娘を殺害された父親からの犯人探しの依頼に共通点を見つけたウルフ。ミステリーとしてもちろんアーチーの調査方法やウルフとの掛け合いも楽しかった。新鉱脈発見。

  • 内部告発を防ぐための悪知恵
    職場の地位を守るため、証拠を持っていると疑われた人物を次々に殺害した犯人。最後に真犯人は容疑を逃れようと仲間を犠牲にしたが、・・・僅かな証拠を次ぎ次ぎと暴いて真犯人を見つけ出す探偵ミステリー小説だ。たった一枚の残された手紙から素晴らしい結果をもたらしたのだ。犯罪者の心理、それは証拠隠滅の為に周りも巻き込み事件を複雑化させることだったのだ。現代、内部告発は多発している。それは一辺倒ではいかない社会ルールをぶち破ることから始まっており、一部の役員の行為が「成功の為・地位保守する為」に曲げるからである。

  • まさか、クレイマー警部が、ウルフに相談に来るとは!
    警部はウルフの事、ちゃんと認めてるもんね!
    その時は、特に役に立てる事もなく終わったけれど・・・
    後日、その時見たメモと関連のありそうな事件が持ちこまれて、それが更に発展して・・・

    情報をつかむために、アーチーが起こした行動。
    アーチーだからこそ思いつくし、できる方法だわねぇ。
    そうして、目的の人物達を誘い出す事に成功するわけだ。
    この、ウルフとアーチーの関係が、ホント好き。
    分かり合ってるよね~。

    ある法律事務所で起きた事件。
    それを公表したい人と隠匿したい人。
    酷い事件です。私利私欲のために。
    まぁ、こういう事件起こす人は、だいたいそういう目的で起こしてますけれども。
    未来ある若者を・・・
    犯人を見つける事が、残された親御さんの救いになればこそ。

    ポッター夫人に対するアーチーの最後つぶやき、好き。
    ポッター夫人の良さがわかる。

    今回も、ソールは良い仕事してます。はい。
    優秀だぞ、ソール。

  •  ネロ・ウルフは知ってたんだけど、読むのは初めて。
     語り部は助手のアーチー・グッドウィンさんなんだけど……何だろ、会話にしろ、モノローグにしろ、喋り方がいちいち回りくどいので、何が言いたいのかよく分かんない。
     グッドウィンさんだけに限ったことじゃないんだけど、語り部であるがゆえに彼の喋りが多いから、すごい際だって感じる。
     ちょっとだけなら粋なんだろうけど、8割がたそんな調子だから、よく分かんなくなってくる。

     あと、ラストも…。
     すごい唐突に終わった感じ。
     結局何だったの? 何が起こったの? 握手? は? て感じ。
     文化の違いのせいかな?

  •  物騒なタイトルだなあと感想。原題は普通なのに。

     話はおもしろかった。ガードナーのいくつかのシリーズによく似ていて、最後のいかにも推理小説ってところで、いやはや、どのくらい虚を突かれたことか。思い切り自分が馬鹿に見えた。

     実にオーソドックスなミステリ。古典的で魅力的である。
    2007/3/6

  • 編集者をしていた娘の事故死に疑問を持つ父親の依頼で捜査に乗り出すネロ・ウルフ。やがて1本の小説にまつわる人々の死が明らかになって…。

    という訳で、この邦題はまったく物語に合っていないと思う。
    話はきちんとしていて面白かった。幻の小説が事件の鍵となるあたりは、活字好きの心をくすぐる。
    きちんと複線も手がかりもあったし、アーチーの軽口も楽しめる。犯人を落とすところもよかった。
    しかし一番面白かったのは解説。ネロ・ウルフが1/7tなんて初めて知ったよ。描写からもっと重いと思ってた。こういうのって本筋とは関係ないんだけど、なんとなく知ると嬉しい。

  • 屈指の名作は大げさだが、この雰囲気で十分

  • 幻の傑作がついに邦訳!と帯にあります。

    美食と蘭をこよなく愛するネロ・ウルフの家を、クレイマー警部が訪れた。弁護士事務所で起こった殺人事件で、15人分の偽名のリストが見つかったのだ。クレイマーが冷たくあしらわれた6週間後、事故死とされている娘が実は殺されたのでは、と疑う父親がやってきた。出版社に勤めていた娘は、持ち込み原稿を断った作家と会う約束の夜、ひき殺されたのだ。作家の名前を聞いたネロ・ウルフは事件を引き受ける。作家の名前「ベアード・アーチャー」はクレイマーの見せた名前のリストにあったものだったのだ。作家を求めて調査を開始したアーチーの目の前で第三の殺人が!「ベアード・アーチャー」の正体は?雲を掴むような調査が続く・・・・・

    久しぶりのネロ・ウルフものを楽しみました。
    相変わらずアーチー君がかわいくて(ミルクは飲みませんが)。
    弁護士事務所にいる女性全員に心を許させるため、一人3本づつネロ・ウルフの蘭を贈ったり、あろうことが温室でパーティを開いたり、魅力全開の活躍です。このパーティに恐れをなしてネロ・ウルフは久しぶりの外食をする!東海岸に一っ飛びしての頭脳的な行動や、そこで出会った魅力的な女性との一幕は、彼の誠実さを感じさせて、とっても素敵!
    ストーリーも最後に一ひねりが有って、最後まで引っ張られました。途中の一言で犯人はわかっちゃったんですけど、ね。

    smashさん、とっても面白かったです、有難う♪

  • 待望のネロ・ウルフだ(*^_^*)相変わらず口の減らないアーチーをはじめ、ファミリーも健在で嬉しい。これを機にどんどん翻訳を進めていただきたい。ぜひにも。(正直、犯人の動機のあたりには納得しかねるっつーか2時間ドラマの匂いがしたりしなかったりだったけどもね…でも星五つです)

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著者プロフィール

本名レックス・トッドハンター・スタウト。1886年、アメリカ、インディアナ州ノーブルズヴィル生まれ。数多くの職を経て専業作家となり、58年にはアメリカ探偵作家クラブの会長を務めた。59年にアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞、69年には英国推理作家協会シルバー・ダガー賞を受賞している。1975年死去。

「2024年 『母親探し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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