水底の妖(ハヤカワ・ポケット・ミステリ1829) (ハヤカワ・ミステリ 1829)

  • 早川書房
3.50
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018290

作品紹介・あらすじ

都の北西、漢源の町は神秘的な湖のかたわらに横たわる。その湖水で溺れた者の死体は決して上がることはなく、死者は町を彷徨い歩くといわれる。その地に赴任したディー判事は、地元の名士たちが歓迎のため催した船上の宴に出席した。宴もたけなわ、ひときわ美しい芸妓が判事に近づき、囁いた…この地に陰謀があります。だがその真意を語ることなく、彼女は何者かによって湖水へ突き落とされ無惨に溺死してしまった。されば、あの告発は単なる芸妓の戯言ではない。判事の頭脳が目まぐるしく回転する!著者初期の傑作が、待望の最新訳で登場。

感想・レビュー・書評

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  • (後で書きます。邪悪な白蓮教徒!と最後の方に出てくる人物の怖さが強烈)

  • ディー判事シリーズの時系列では三作目にあたる作品。妓女殺害事件から、国家を揺るがしかねない陰謀へと事件の全貌が明らかになっていくさまは面白い。犯人の動機が二面において鬱屈したものであるという点に、人物設定の妙味があったと思う。導入の話は、歴史は繰り返すということなのだろう。
    研究者としても名高い著者だけあり、中国の習俗について様々に描写がなされているが、講談や小説が成立した明~清あたりの設定と交雑してしまっているところがある。例えば後書きに自ら記されているとおり、物語の核心となる集団については時代設定がおかしいし、官職名などもちょっと引っかかるところがある。しかしながら小説としての出来からすれば、学者でもなければそう深く考える必要はない些細な瑕疵だろう。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    都の北西、漢源の町は神秘的な湖のかたわらに横たわる。その湖水で溺れた者の死体は決して上がることはなく、死者は町を彷徨い歩くといわれる。その地に赴任したディー判事は、地元の名士たちが歓迎のため催した船上の宴に出席した。宴もたけなわ、ひときわ美しい芸妓が判事に近づき、囁いた…この地に陰謀があります。だがその真意を語ることなく、彼女は何者かによって湖水へ突き落とされ無惨に溺死してしまった。されば、あの告発は単なる芸妓の戯言ではない。判事の頭脳が目まぐるしく回転する!著者初期の傑作が、待望の最新訳で登場。
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    旧訳「中国湖水殺人事件」のタイトルで発行されたものの新訳。
    原題:The Chinese Lake Murders

  • ディー判事シリーズ、3冊目。今回は2番目の任地漢源(ハンユアン)を舞台に、美しい芸妓の殺害事件、消えた新婦の遺体の謎に挑みます。導入の幽霊譚がつながってくるものとばかり思いこんでたのですが、けっきょく何だったの?あれ。最後までよくわからなかった。殺された芸妓と消えた新婦が瓜二つというので、ぜったい陰謀が絡んでると思ってたけど、父娘関係の話にいくのか、ふーん・・・とミステリー部分はいまいちすっきりしてないのですが、今回から、判事の配下になんだか一筋縄でいかなそうなタオガンがくわわり、今後どうなるか楽しみ。

  • ディー判事シリーズ。時系列順第3弾。
    今作から、チーム・ディー判事に新たなメンバーが加わってパワーアップ。
    アクションシーンが多くて楽しかった。

  • 一気に読み終えた。中国の古い小説のオーソドックスなスタイルを踏襲して書かれている、と解説にあったけどそのへんは詳しくないのでピンと来なかった。ただ、人物描写のうまさというか、主人公をはじめ彼の腹心たちの人物像が非常に魅力的で、一緒に冒険している気分になるほど。これって小説においてはすごい大事なことだよねーと思う。しかも、自分がまったく知らない昔の中国が舞台だもの。なかなかエキサイティングな体験です。薦められて適当に手にとったら翻訳最新刊だったので、文庫版になってる1作目から読んでみようと思う。

  • これは、ストーリーとしては、まだディー判事の初期のころでしょうか。おなじみのメンバーの一人陶侃との出会いが描かれています。ところどころ都合よく話が展開する感がありますが、中国の古い時代の風習などは、いつものように楽しめます。また、スタイルも中国の探偵ものの基本どおりに3つの事件を解決しています。事件の真相を推理するのが好きな本格ファンよりも、中国の時代物が好きな方のほうが楽しめると思います。私は、香港映画のイメージで読んでいます。

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