死は万病を癒す薬(ハヤカワ・ミステリ1830) (ハヤカワ・ミステリ 1830 ダルジール警視シリーズ)

  • 早川書房
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本棚登録 : 41
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (591ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018306

感想・レビュー・書評

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  • ポケミスで600ページ近い大部の本であるが、一番面白いのは最後の30ページ弱の部分だ。詳細は書けないけれども、何度かのどんでん返しが、この30ページ弱の中に含まれている。全体として面白いミステリーなのだけれども、その最後の30ページ弱を読むまでは、謎解きの部分が少し入り組み過ぎていてあまり好みではないな、と思っていたのだけれども、それは最後の30ページ弱を面白く読ませるための伏線、とも考えられる。レジナルド・ヒルは、やっぱり名人だな、と感心した次第だ。

  • ダルジールシリーズの最新版。このシリーズで興味深いのはそれぞれの人物の考えが読み取れるところで、パスコー、ダルジールのひとりごとはいつも苦笑してしまう。

  • 長いし、登場人物も多くて、ヒル初心者にはお勧めできませんが、シリーズを楽しんできた者には読んでいる間、語り口や滑稽なキャラに笑えて笑えて楽しめる。オースティンの「サンディトン」を読みたくなりました。

  • [ 内容 ]
    サンディタウンの町は生まれ変わろうとしていた。
    海辺のリゾート地にすぎない町に、アメリカ式の大規模な療養所アヴァロンが開設され、さらには健康と保養を売り物に町全体を再開発しようというのだ。
    計画の中心は地主のパーカーと、地元きっての名士であるレイディ・デナム。
    だが、計画を華々しくぶち上げるパーティーの席上で惨劇が起きる…おりから負傷後の療養のためにアヴァロンに入院していたダルジール警視は、駆けつけたパスコーらの迷惑も無視して、さっそく活動を開始する!
    巨匠が、その技巧をふんだんに駆使する、本格推理大作。

    [ 目次 ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 最新作。
    爆発で生死の境をさまよった「ダルジールの死」から3ヶ月後。
    療養中でまだ身動きもままならぬアンディ・ダルジール警視。
    アヴァロンという高級な療養施設に入院することになり、勝手に抜け出して恋人のアマンダに怒られたりもしつつ、しだいに周囲の出来事に勘を張り巡らせていく。
    一方、今回のヒロインはチャーリーことシャーロット・ヘイウッド。心理学を学ぶ学生で、生きのいい女の子。
    彼女が姉に出す饒舌なEメールと、ダルジールが録音したメモが交互に出てくるのが前半の趣向。互いを評する所も笑えます。
    地元の名士でかなり強引な年配の女性レイディ・ダフネ・デナムは理想家のトム・パーカーと協力して、健康と保養を売り物に海辺の町サンディタウンを再開発、大がかりな施設を軌道に乗せようとしていました。
    未亡人ですが、最初は裕福な男性ホリスと結婚、二度目は爵位のある男性デナムと結婚して地位を得た、たくましい女性。
    今またアヴァロンの院長の男性フェルデンハマーとの結婚を望んでいました。
    遺産を期待する亡夫の甥姪や貧しい親戚のコンパニオン、いがみあうホリス一族にも囲まれていたのです。
    事件が起きてからは主任警部ピーター・パスコーや部長刑事ウィールド、女性刑事ノヴェロの視点もあり、さらに緊迫感を増していきます。
    何しろ、この町にはかってパスコーを深く悩ませ、行方をくらませたフラニー・ルートが滞在していたのですから…
    この事実をパスコーに告げるのをためらったダルジールの親心も微笑ましい。
    大筋はいくらか予想も出来ましたが、すごい懲りようで細部まではとてもとても。巨匠の実力を堪能しました!
    ジェイン・オースティンの「サンディトン」へのオマージュという面もあるそうで、え~っ、これだけは読んでないのよ。読まなくっちゃあ!

  • あいかわらずこの長さを一気に読ませる筆力はすごいと思う。人間関係その他シリーズの来歴がいろいろ盛り込まれているため、この巻だけを手に取った人には何がなんだかよくわからないだろうし、シリーズの最高傑作という感じでもない。でも、ぜんぜん構わない。読めてうれしかった。

  • やっぱり好きなディーエル&パスコー。今回はDalzielのリハビリぶりがよかったです(;;)が、一方でパスコーのビミョーな自立ぶりも示しているので、聖三位一体の一体度が薄れたところを描いており、ウィールディもあんまり活躍しないのが残念です。
    真相はじつは・・の終わり方は、このシリーズの初期からよくあるので、もうしょうがないか、というか、それ自体味だと思ってますが、準レギュラーになってしまったフラニーをいい気にさせるのはヤかも(Death's Jest-Bookのときは号泣してしまいましたが)。

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