冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

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制作 : Johan Theorin  三角 和代 
  • 早川書房 (2012年2月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018566

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冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の感想・レビュー・書評

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  • スウェーデンのエーランド島を舞台にした4部作の2冊目。
    前作に出ていたイェルロフ老人はまた登場して、いい味を出しています。
    事件は繋がっていないので、前作を読んでいなくても、差し支えはありません。

    エーランド島の北端ウナギ岬の家に越してきたヨアキム一家。
    人里離れた一軒家だが、自分達でリフォームする能力がある夫婦で、子育てにはいいと思っていた。
    ところが妻カトリンが突然海で亡くなり、自殺か事故か?わからない。
    途方にくれる夫は家で何者かの気配を感じ、幼い子供たちは母の帰りを待ちわびる‥

    古い灯台のそばにある屋敷はさまざまな歴史を秘めていて、ややホラーがかったそういうエピソードが章ごとに語られ、一つ一つに掌編小説の趣があります。
    いぜんヨアキムの妻の家族がここに住んでいたこともあり、妻の母ミルヤも強烈な個性のある芸術家。

    島には警察組織もなく、久々に女性警官ティルダが赴任するが、一人でてんてこ舞いすることになる。
    このティルダが実はイェルロフの兄の孫で、父親や祖父のことを知りたいとイェルロフを訪ねてくる。
    元船長のイェルロフは彼なりの視点と人脈で捜査に一役買うことに。

    一方、人のいない別荘を荒らして回る強盗も計画を練っていて‥?
    さまざまな人間の思惑が、この土地特有の激しいブリザードの夜に集約する‥!

    荒涼とした風景と、そこで限りある命を思い思いに燃やす人間達。
    哀切という言葉がこれほど似合う作家も少ないでしょう。
    きらっと光るものも点在し、独特な読み応えでした。
    スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀長編賞、ガラスの鍵賞、英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞と3冠に輝いた受賞作品。

  • 『黄昏に眠る秋』につづく、エーランド島シリーズ第2弾。

    実は先に第3弾である『赤く微笑む春』を読んでしまったのだが、ストーリーは本当に緩く繋がっているだけなので、問題なし。

    ヨハン・テリオンの作品は、作品の底に諦観や哀愁が流れているが、本作は衝撃的な序盤のストーリー展開もあって、特にその感が強い。

    幽霊譚でありながら、きちんとミステリとして成立していて、さすがのデキ。

  • 前作、『黄昏に眠る秋』を上回る出来。
    2つの灯台のある「ウナギ岬」で、過去の魂と現在の不幸、計画進行中の悪事が交わる人間ドラマ。

    前作同様、現在の物語に過去が追いつく構成をとっているのだが、各登場人物の交わり方がとにかく秀逸。ああ、そういうストーリーだったのかと。

    何が中心的な事件なのか判然としないまま物語は流れていくのだが、それは決して前振りが長いと感じるようなものではなく、全ての要素が人間ドラマとして興味深い。過去が現在にオーバーラップしてくることにより、連綿と続く土地の歴史と各登場人物の繋がりが見えてきて、物語全体の深みが増す。

    読み終わることによって大きな絵の全体が明らかになる。チープなトリックに凝ることない、現代ミステリとしてあるべき形の一作と感じた。

  • 前作「黄昏に眠る秋」の続編。
    気分を一新するために転居した古い屋敷で、家族に不幸が訪れる。事故か事件か、悲嘆にくれる主人公。
    日光の恵みの少ないスウェーデンならではの、陰鬱とした雰囲気が生きている。登場人物は皆、どこか後ろ暗いものを抱え悩んでいる。閉鎖的な古い屋敷に死者の気配が漂うあたりは、どこかスティーブン・キングの「シャイニング」が思い起こされた。
    次作、春も読んでみたい。

  • スウェーデンのエーランド島に移住した一家。妻が事故で亡くなり、悲しみに沈む。一方、島に赴任してきた女性警官は、親戚の老人から昔話を録音しながら、島で起こる盗難事件を追う…。現在進行している物語を追いながら、主人公の義母(つまり亡くなった妻の母)の回想が挿入される。
     ミステリ文庫に入っているけど、ミステリー濃度は薄い。むしろ群像劇。そう考えると物語としては完成度が高い。解説にもあるように、双子の灯台がある、エーランド島というのがとても生きている作品だと思う。

  • 先日読んだ「黄昏に眠る秋」と同じ著者が執筆した本書。
    「黄昏~」がデビュー作だったので、デビュー2作目となります。
    舞台は前作と同じエーランド島です。

    では、前置きはこの位にしてあらすじをご紹介。

    ストックホルム在住の若い家族連れがエーランド島東部、ウナギ岬にある木造邸宅を購入。
    荒れ果てたこの家をリフォームし、ここで暮らしていこうとするが、何の前触れもなく妻が海に向かって投身自殺する。

    憔悴する夫。

    やがて彼は、家族以外に誰も居ないはずの自宅に何者かの存在を感じ始める。
    そして、ブリザード吹き荒れるクリスマスの夜。

    妻との再会を望む夫のもとにやって来たのは・・・



    前作同様、過去と現在を行き来しつつストーリーがつづられています。
    全編ホラー小説的な印象を受け、読みながら「前作とは違って本書はホラー小説的な内容なのかな?」とも思ったのですが、きちんとミステリーしていました。

    尚、同書も「ガラスの鍵」賞を始めとする様々な賞を受賞しており、訳者による後書きで引用された英ガーディアン紙の書評によれば「前作を上回る出来」との事。

    大人向けの¨苦味¨のある小説をお読みになりたい時などにお勧めです。

  • 面白かったです。
    幽霊の話し(過去の話し)と今の話しとが
    混ざってからまっていい感じになっています。

    シリーズとして読んでも、単品で読んでも
    どちらでも楽しめると思います。

  • ミステリーにホラーの要素が加わり、不思議な雰囲気が漂う。北欧ミステリーの中でも秀逸な一作。

  • (No.12-45) ミステリです。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『エーランド島に移住し、双子の灯台を望む屋敷に住み始めたヨアキムとその家族。しかしまもなく、一家に不幸が訪れる。
    悲嘆に沈む彼に、屋敷に起きる異変が追い討ちをかける。無人の部屋で聞こえるささやき。子供が呼びかける影。何者かの気配がする納屋・・・。
    そして死者が現世に戻ってくると言われるクリスマス、猛吹雪で孤立した屋敷を歓迎されざる客たちが訪れる。

    スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀長篇賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞、「ガラスの鍵」賞、の三冠に輝く傑作ミステリ。』

    テレビの本紹介番組でなんだかすごく面白い本らしいと知り、読んでみることにしました。え~っ?その時には言ってなかったじゃない、これがシリーズ2作目だとは。
    でも登場人物が何人か同じ人がいるほかは、主人公も(同じ島だけれど)場所も違って、これ一冊で完結してるとのこと。じゃあとりあえずこれから読んでも良いかな!

    雰囲気は暗いです。灯台付近で起きた過去の悲劇的な事件の話が時々挟まれ、ホラーっぽい場面もちらほら。
    大きな盛り上がりもなく、淡々と話が進んで行きます。
    一家の悲劇とは無関係に思える、ある若者たちの暴力的な犯罪。この島にやってきた、新任の女性警官ティルダのこと。
    何故か同じトーンで暗くてひっそりした感じ。

    読んでいて気持ちが沈みこんでいく感じがしました。だけど、ぐいぐい惹きつけられているわけじゃないのに、物語に捕らえられてしまって読むのをやめれません。なんだか呼吸まで静かになってしまって。

    この静かで暗い物語を読み終え、ふと、気持ちがとても軽くなっていることに気が付きました。
    多くの犯罪被害者家族の方がこう言います。「何が起きたのか、なぜなのか知りたい」と。
    そう、私はずっとヨアキムの気持ちに寄り添ってこの物語を読んでいたのです。そして軽くなったこの気持ちは、ヨアキムの気持ちなのだと思います。

    これは是非シリーズ一冊目を読みたい!たくさん賞をとったことに納得の一冊でした。

  •  ゴシックとミステリーの融合のために凝った筋書きが用意されてるかと思いきや、皆無なので、ちょっと肩透かし感。
     ですが、双子の灯台や隠された礼拝堂など、舞台はおどろおどろしくて好きな雰囲気でした。ブリザードの中をもうろうとしながら歩くヘンリクを祖父が引っ張っていく場面がよかったなあ。

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冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の作品紹介

エーランド島に移住し、双子の灯台を望む屋敷に住みはじめたヨアキムとその家族。しかし間もなく、一家に不幸が訪れる。悲嘆に沈む彼に、屋敷に起きる異変が追い打ちをかける。無人の部屋で聞こえるささやき。子供が呼びかける影。何者かの気配がする納屋…そして死者が現世に戻ってくると言われるクリスマス、猛吹雪で孤立した屋敷を歓迎されざる客たちが訪れる-。スウェーデン推理作家アカデミー賞最優秀長篇賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞、「ガラスの鍵」賞の三冠に輝く傑作ミステリ。

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