アイ・コレクター (ハヤカワ・ミステリ 1858)

  • 早川書房
3.48
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本棚登録 : 177
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018580

作品紹介・あらすじ

ベルリンを震撼させる連続殺人事件。その手口は共通していた。子供を誘拐して母親を殺し、設定した制限時間内に父親が探し出せなければその子供を殺す、というものだ。殺された子供が左目を抉り取られていたことから、犯人は"目の収集人"と呼ばれた。元ベルリン警察の交渉人で、今は新聞記者として活躍するツォルバッハは事件を追うが、犯人の罠にはまり、容疑者にされてしまう。特異な能力を持つ盲目の女性の協力を得て調査を進める彼の前に、やがて想像を絶する真相が!様々な仕掛けを駆使して描く驚愕の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 母親を殺害し、子供を誘拐
    父親に制限時間を設けて
    子供を探すゲームを仕掛ける。
    探しきれなかった場合は、左目を奪って子供を殺す"目の収集人"という殺人鬼が現れる。

    元刑事で新聞記者の
    過去の事件で心に傷を負っている主人公
    (ものすごくよく見かけるタイプ)
    盲目でありながら、特殊能力を持つ女性に出会い、罠かもしれないと、疑いつつ犯人を追う。

    エピローグ、最終章から始まり
    第一章、プロローグで終わる。
    妙なつくり…ページまで逆にふられている。

    途中まで、思い当たる「真相」が仄めかされて、まさかそんなわけないよね?と思っているとだんだん何もかも不安定な状態になっていきどんどん引き込まれて読みました。
    (一捻りあり、なんとか読み通りではない方向に進んでくれた)

    明らかに良い結末ではないであろう、不穏な空気が続いて最後(終わりの始まり)にネジを巻くように進んでいく感じが楽しめました。

    続編があるようですが、今回の件の後どうなってしまったのか?宙ぶらりんな部分が多いので、そちらの方が気になります。

  • セバスチャン・フィツェック『アイ・コレクター』ハヤカワ・ミステリ。

    昔、古本屋で購入しておきながら、その存在を忘れて長らく寝かせていた作品。

    最近読んだジェフリー・ディーヴァーの『オクトーバー・リスト』と同様、いきなりプロローグと最終章から始まるという奇妙な構成の逆行ミステリー小説。余り好みではない叙述ミステリーの一種だろう。ページ数も逆になっていて、ややこしい。刊行順からするとディーヴァーが真似たのだろう。

    時間を逆行させて描く意味があるのかという内容。全ての真相が明良かにされる最後のエピローグを最後に持って来て、普通の順番に書いてくれた方がしっくり来るように思う。

    舞台はベルリン。母親を殺害し、子供を誘拐し、設定した時間内に父親が子供を探し出さなければ、子供を殺害して左目を抉り取るという残忍な連続殺人事件が起きる。元ベルリン警察の交渉人での新聞記者ツォルバッハは事件を追うが、犯人の罠にはまり、容疑者にされてしまう……

    本体価格1,800円(古本100円)
    ★★★

  • 母親を殺して子供を誘拐する連続殺人鬼「目の収集人」。その犯行の容疑を掛けられながら犯人を追い、制限時間内に子供を救出しようとするサスペンス感いっぱいのミステリ。ノンブルが普通と逆になっていて、カウントダウンのような雰囲気を味わいながら読めることもサスペンス感を一層高めます。
    不思議な力を持つ盲目の女性・アリーナの存在もまた読みどころ。しかし彼女の「見た」ものの真相がまさかそういうことだったなんて……! そして結末=物語の始まりに衝撃。これは酷い! でも思い返せば最初からある程度の結末は記されていたのだけれど……ここまで酷いとは。
    事件の要素、特に制限時間の意味などはなるほど、犯人にそういう物語があったのだなあ。それとツォルバッハのとった行動を考えると、こういう道筋に行くのもやむを得なかったのでしょうか。だけどやっぱりやりきれなさすぎるー!

  • 子供を誘拐し、制限時間内に父親が探し出せなければ、その子供を殺す。
    凶行を繰り返す犯人を、気鋭の新聞記者が追う!
    エピローグから始まる奇抜な構成、予測不能の展開。
    「治療島」の著者が放つ衝撃作

    この本は章立て及びノンブルが逆となっており(もちろん意味がある)、
    このような仕掛けは個人的には初体験で、緊迫感をもって読むことができた(ただ、肝心のラスト周辺は描写が下手だと思います)。

    メインの根幹となるトリックは、主人公とともに犯人を追う、
    盲目の物理療法師でもある女性の能力、
    「対象物に触れると(痛みを伴う必要がある)その人物の「過去」が見える」
    というものと大きく関わっており、
    最後は本書の構成と併せてよくできていると思いました。
    また犯人のキャラクターも「あくまでもゲームにフェアに徹する」といった特徴があり工夫がなされています。

    ただ、展開上犯人が予想通りだったのと、あまりに都合よくいきすぎではないか、
    警察が無能すぎるのではないかといった不満も残りました。

    ミステリ:☆☆☆
    ストーリー:☆☆☆☆
    人物:☆☆☆☆
    読みやすさ:☆☆☆☆

  • よくもまあ〜〜
    こんなお話・・・
    意外性はあったけど
    犯人が・・・

  • 謎解きのような展開になりつつも、ひと味違う。
    最後は[こう来たかぁ]と〜

  • ミスリードから急展開で着いていくのが大変。
    「全部彼の妄想です」って言われても、「あ、はい」って言ってしまうかもね。

  • イヤァ、面白かった!続編の刊行が楽しみッス!

  • ツォルバッハ:新聞記者 元ベルリン警察交渉人
    ニッチ:ツォルバッハの別居中の妻 超自然派
    アリーナ:アメリカ育ちの盲目の療法士 痛みが伴うと過去が見えやすくなる
    ショルレ:警部補 取り調べは智より痛でいく

    「治療島」がまぁまぁ面白かったので読んでみた 
    濃いキャラ達もそろえてはいるが、なんかいろんな意味で惜しかった 
    監禁シーンの描写は上手い 
    「治療島」と同じオチかと嫌な予感はしたが…(←いくらなんでもそれはないよなw)けど、犯人に意外性はなかった 

    訳がなぁ… 「治療島」の赤根洋子氏で読みたかったな
    犯人のことを ”目の収集人”と訳さず ”アイコレクター” でよかったんじゃね? でも邦題を “目の収集人” としなかったのはまだ救いか 

    なんか知らんがページがP405から始まってP1で終わる意味不なノンブル ☆3.8

  • 「治療島」と同じ作者だったので。

    うーん、凝ったつくりだとは思うけど、
    ちょっとついて行けなかった。

    目が不自由な特殊な能力を持つ登場人物が活躍するのは良いけど、
    どっちかというとミステリーではないかも。
    なんとなく、ホラー?

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