黒い瞳のブロンド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

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制作 : Benjamin Black  小鷹 信光 
  • 早川書房 (2014年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150018887

黒い瞳のブロンド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の感想・レビュー・書評

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  • "BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“今週の新刊”で登場。
    http://harajukubookcafe.com/archives/475


    「マーロウはクレアの謎に迫っていきます。クレアは本当は自分に何をさせたがっているのか。マーロウは絶えず疑うことになる。そんな最後まで疑うことになる美女クレア。そしてマーロウは、ロング・グッドバイから引きずっている自分の過去の最大の問題と対決することになります。」(代官山蔦谷書店ブックコンシェルジュ 間室道子さん)


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/

  • 今年「ロング・グッドバイ」を読んだということもあって読んでみました。が。

    他の方のレビューでも言われているように、女の事で頭がいっぱいすぎる。タイトルがその女性の事ずばりだから、そういうものだと言えばそうなのかもしれないけれど、ほぼ最初から最後まで事件よりも彼女のことばかり。しかもマーロウにしてはちょっとくよくよ女々しい。

    「ロング・グッドバイ」の続編ということで手に取っておいてなんだけど、続編じゃ無い方が良かった気がする。故人の作品を引き継ぐというのは本当に、難しいことだ。

  • チャンドラーの創作ノートに未発表作品の題名としてリストアップされていた“The Black-Eyed Blonde”(稲葉明雄訳は「殴られたブロンド」)をちゃっかり拝借して書かれた、あの『ロング・グッドバイ』の「公認続篇」だそうだ。作家は疾うに亡くなっているのに誰が公認したんだろう、と疑問に思って調べてみたら「遺族」公認とのこと。ブッカー賞受賞作家で、ミステリでも実績のある作家だからだろうか。草葉の陰でチャンドラーが苦虫をかみつぶしたような顔をしているのが見えるようだ。

    ある暑い日、マーロウのオフィスを訪ねてきたとびっきりの美女はブロンドにはめずらしい黒い瞳の持ち主だった。失踪したかつての愛人を捜してほしいという依頼だ。さっそく捜査を開始すると、マーロウの足を向ける先々に死体が転がりだす。マーロウ本人も危険な目に遭うが、からくも脱出し、事件の真相にたどり着く。そこには意外な人物の姿があった。

    矢車草の瞳の次は黒い瞳か、と皮肉の一つも言いたいくらいに、チャンドラーのこれまでの作品を下敷きにして書かれた、流行りの言葉で言えばパスティーシュ。平たく言えば模倣作で、そう考えれば出来はさほど悪くはない。仕事の依頼人は、一代で資産を築き上げたやり手の資産家の娘で、これ見よがしの豪邸に住み、広い邸の中には問題を抱えた兄弟姉妹がいる。凄腕のギャングや、政界に顔のきく実業家が次々と登場しては、マーロウを質問攻めにし、挙句が薬を盛っての拷問で、いつまでたっても真相に近づかないのもお約束である。

    登場人物の顔ぶれだが、『ロング・グッドバイ』の続篇と銘打っているだけに、バーニー・オールズは勿論のこと、警官のグリーン、<ヴィクターズ>のバーテン、それに、なんとあのローリング医師まで登場するに至っては、笑ってしまった。会話のなかにはリンダ・ローリングもハーラン・ポッターも出てくるという大盤振舞い。そうなると、テリー・レノックスを登場させない手はない。なにしろ公認続篇なのだ。

    アイルランド系の作家がアイリッシュの血を引くチャンドラーのパスティーシュを書くのだから、独立戦争が残した傷に触れようが、マーロウをアイリッシュ酒場に立ち寄らせようがそれはかまわない。問題は、作品自体が贔屓の引き倒しになってしまっていることだ。一人称で語るマーロウの口が、いつになく滑りやすくなっているのはまだ我慢ができる。もともと、おしゃべりが過ぎるのだ。ただ、話が始まって間もないうちに、依頼人であるクレアとベッドに、というのはちょっといただけない。

    それだけではない。どちらかと言えば女嫌いなのではと思わせるほど、いつもは女にクールな態度をとる男が、寝ても覚めてもクレアのことが頭から離れないというのでは、これは我々がよく知っている、あのフィリップ・マーロウではない。マーロウがマーロウらしくないように、バーニーもバーニーらしくない。かつては同じ部署で働いていた同僚であるが、今は私立探偵と警察官という微妙な関係にある二人のいわくつきの「友情」は、ここで書かれるような、映画『リーサル・ウェポン』めいたバディムービーを思わせる類の軽妙なものではない。

    いわんや、あのテリーとの思い出の場所である<ヴィクターズ>にバーニーを誘い、ギムレットで乾杯するなんてことは、マーロウなら絶対にするはずがない。まだある。麻薬の過剰摂取で危険な状態にあるクレアの弟をスキャンダルから守るためにとはいえ、あのローリング医師に電話をして呼ぶだなんて。正編で徹底的に侮蔑されているあの男が、ここではいっぱしの旧友のように登場するのを見て、果たしてチャンドラーは喜ぶだろうか。ポッター老をマスコミ界を支配する巨悪のように描くのも遺憾だ。著者は、本当に『ロング・グッドバイ』を読んだのだろうか。

    言いたいことはまだあるが、一応「探偵小説」なので、これ以上正編との差異をあげつらうのはやめておくのが無難だろう。つい最近、テレビでも日本版『ロング・グッドバイ』をやっていた。それほど人気がある作品なのだ。それだけに続篇を名のるなら、正編に対するリスペクトを失ってはならないと思う。たしかに、謎を秘めた魅惑的な美女やそれなりに魅力を備えた悪役の造形はできている。マーロウを登場させるに相応しい舞台設定も巧みである。それならそれで、堂々と新作を書けばいい。チャンドラー自身、若い頃のマーロウと歳を感じ出したマーロウとを書き分けている。いっそ、若い頃の話にでもしてしまえば、すぐに女と寝ても若さゆえの愚かしさと見過ごすこともできる。なまじ、『ロング・グッドバイ』の後日談のような設定にするから差異が目立つのだ。

    あえて、『長いお別れ』ではなく、『ロング・グッドバイ』と書いてきたのには理由がある。それは、訳者小鷹信光氏が訳に際し、村上版の『ロング・グッドバイ』を意識して訳されたと言われているからだ。そういえば“cheapy”の訳語として「はんちく」という、あまり馴染みのない言葉を引っ張り出してきたのは村上氏だったが、小鷹氏がそれを踏襲しているのが愉快だった。

    ハムレット役者は孤独なものだ、という意味のことを言ったのはピーター・オトゥールだったと記憶するが、ハムレットと同じように、誰にも自分なりのマーロウ像がある。あえて、マーロウを主人公に据えるならそれだけの覚悟をもってやるがいい、と言いたいところだが、チャンドラーのファンでなくても読むかもしれない。もし、この手の小説が気に入ったら、是非チャンドラーの書いた『ロング・グッドバイ』を読んでほしい。そこには、まぎれもない正真正銘のフィリップ・マーロウがいるはずだから。

  • チャンドラー読んでないから分からんけど、こういう感じのゆるーいハードボイルドは好き。

  • 前作に当たる「ロング・グッドバイ」を読んでいたらもっと楽しめたんだろうけど…

  • 「長いお別れ」よりテンポがいいし、なにより描写が上手い。オリジナル作品より私は気に入りました。不満をあげるとすればクライマックスの終わり方かなぁ。

  • なぜ続編なのかって、そう持っていくのかというはこび。

  • 著者ベンジャミン・ブラックは、ブッカー賞作家ジョン・バンヴィルの別名義。レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』続篇として書かれたそうです。飛び切りの美女の依頼に舞い上がったようなマーロウ。自分としては、この作品はチャンドラーへの「オマージュ」だったと思う事にします。

  • 面白かった。
    うん、マーロウだよマーロウ。

  • レイモンド・チャンドラーの遺族公認の『ロング・グッドバイ』の続編らしい。著者はジョン・バンヴィル(別名義ベンジャミン・ブラックという名前を使っている)

    『ロング・グッドバイ』ファン向けのパスティーシュという感じでした。テリー・レノックスを始めとした登場人物もたくさん再登場するし、物語もそれなりに楽しめた。

    クレア・キャヴェンディッシュという黒い瞳のブロンド美女がフィリップ・マーロウを訪ねる。ニコ・ピーターソンという男性を探して欲しいと依頼するも、その男性はすでに死亡していた。しかし、クレアは死んだはずのピーターソンを目撃したという。

    ---

    memo:

    1023
    私は、ビールを注いだグラスをわきに2センチほどずらし、こぼれた泡がつくった輪の上に再び戻した。二時間ほど前に同じ動作をしたクレア・キャヴェンディッシュのことを思い出した。ある女が頭にこべりつくと、どんなことでも彼女を思い出すきっかけになる。

    1802
    「アイオワ州ホープ・スプリングズで生まれたの。もちろん行ったことなどないでしょうね。行ったことがある人なんていないわ。ホープ・スプリングズは行くところじゃなくて去るところだから」

    2386
    彼女は立ち上がり、スカートに足を通し、わきのジッパーをとめた、女が服を着るのを眺めるのが好きだ。もちろん、服を脱ぐのを見るのと同じほど楽しいというのではない。どちらかと言えば審美的な目の保養ということだ。

    3834
    私はグラスの中身を飲み干し、バーニーの飲み残しも飲んでやろうかと思ったが、我々マーロウ族がけっして越えない一線というやつがある。

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黒い瞳のブロンド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の作品紹介

〈私立探偵フィリップ・マーロウ・シリーズ〉マーロウの事務所に現れた美女は、昔の恋人を探して欲しいというが……。ブッカー賞作家ジョン・バンヴィルが別名義で挑む、『ロング・グッドバイ』続篇!

黒い瞳のブロンド (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)のKindle版

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