人形(ひとがた) (ハヤカワ・ミステリ 1904)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019044

作品紹介・あらすじ

犯罪歴のある患者を収容する重警備精神科医療施設で不審死が相次ぐ。施設では亡霊が出没するという噂が広まるが……新たなるサスペンスの女王がエドガー賞受賞作『喪失』に続いて放つ戦慄の傑作

感想・レビュー・書評

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  • サスペンス界の新女王が精神科医療施設の闇に迫る | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/508153

    Mohayder - mohayder.net
    https://www.mohayder.net/

    人形(ひとがた) | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン
    https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013149/

  • イギリスの作家「モー・ヘイダー」の長篇ミステリ作品『人形(ひとがた)(原題:Poppet)』を読みました。
    『喪失』に続き「モー・ヘイダー」の作品です。

    -----story-------------
    【サスペンスの新女王登場! 】

    犯罪歴のある患者を収容するビーチウェイ重警備精神科医療施設は、不穏な空気に覆われていた。
    ヴィクトリア朝時代に救貧院だったここには、かつて残忍に患者を支配した寮母の亡霊が出没するという噂があった。
    そこへある夜、不意の停電とともに、自傷行為の絶えなかった患者が死亡したことから、施設の危うい日常は崩れ去る。
    患者ばかりか職員までもが亡霊の噂に怯え、何かを目撃したと言い出すものまでが現われたのだ。
    単なる妄想か、超常現象なのか、あるいは?
    上級職員の「A・J」は、最近退院したばかりの、ある患者が舞い戻り、事態に関与しているのではないかと疑うが、上層部を気にする院長の「メアリー」は対応を渋る。
    悩んだ末に「A・J」は、独断で警察の「キャフェリー警部」に相談するが……アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞に輝いた『喪失』に続き、サスペンスの新女王たる実力を見せつける話題作!
    -----------------------

    2013年(平成25年)に発表された「ジャック・キャフェリー警部」シリーズの第6作… 前作『喪失』の続きで、おおよそ1年後の物語です、、、

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。


    ブリストル市にあるビーチウェイ重警備精神科医療施設で奇怪な事件が立て続けに起き、患者たちの間で不安と緊張が高まっていた… みんなが"ザ・モード"と呼んで恐れている小人の幽霊が数年振りに舞い戻り、次々と患者を襲っているという噂だった、、、

    この施設に勤務する上級コーディネーターの「A・J・ルグランデ」は、ゆう理恵の存在など信じていないものの、施設内で死者が出るに至って、状態の安定していた患者までもが精神崩壊の危機に瀕していることを重視し、警察に相談するようにと院長の「メラニー・アロー」に勧めていた… だが彼女は、施設に運営に当たっている信託組織の信頼を損ねたくないと言って「A・J」の助言を突っぱねていた。

    同じ頃、エイボン・アンド・サマセット警察の重大犯罪捜査隊に所属する「ジャック・キャフリー警部」もある種の危機を迎えていた… 1年半前に起きたある失踪事件の捜査規模を縮小する、ついては「キャフェリー」を同件の捜査責任者の任から解く、と上司に言い渡されたのだ、、、

    実は「キャフェリー」は、事の真相を知りながら、潜水捜査隊の「フリー・マーリー巡査部長」をかばって捜査を操作し続けてきた… だが、足元に火が付いた今、失踪事件を一応の解決へと導かなければならず、焦りを覚えていた。

    そんなある日、「A・J」が「キャフェリー」の元を訪れ、重警備精神医療施設で起きている不可解な事件を極秘裏で調べて欲しいと依頼する……。


    「A・J」と「メラニー」、患者の「アイザック・ハンデル」を中心に展開するビーチウェイ重警備精神科医療施設における奇怪な事件を「キャフリー」が解決に導こうとするのですが、「キャフリー」のインパクトは弱く、「A・J」を中心に物語は展開… 少年時代に両親を殺害したという犯罪歴を持つ「アイザック」に疑惑の眼が向けられますが、事件の真相は意外な方向に! 「アイザック」の方が被害者だとはねー

    そして、並行して描かれるのは、「キャフリー」と「フリー」を中心に展開する前作から続く「ミスティ・キットスン」の失踪事件の後始末… こちらも、解決できそうな感じですね。

    面白くないこともないのですが… ちょっと冗長な感じかな、、、

    性格の良い「A・J」に感情移入しながら読みました… 辛い経験を重ねましたが、明るい未来が示唆される結末だったので良かった。


    以下、主な登場人物です。

    「ジャック・キャフリー」
     エイボン・アンド・サマセット警察 重大犯罪捜査隊の警部

    「フリー・マーリー」
     エイボン・アンド・サマセット警察 潜水捜索隊隊長の巡査部長

    「ウェラード」
     エイボン・アンド・サマセット警察 潜水捜索隊隊長の副隊長

    「ハリー・ピルスン」
     エイボン・アンド・サマセット警察 元巡査部長

    「A・J・ルグランデ」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の上級コーディネーター

    「メラニー・アロー」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の院長

    「ビッグ・ラーチ」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の警備員

    「ジョナサン・キー」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の元作業療法士

    「モンスター・マザー(ガブリエラ)」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の患者

    「ゼルダ・ローントン」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の患者

    「モーゼス・ジャクスン」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の患者

    「アイザック・ハンデル」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の患者

    「ポーリーン・スコット」
     ビーチウェイ銃警備精神科医療施設の患者

    「ペイシェンス・ベル・ルグランデ」
     A・Jのおば

    「ペニー・ピルスン」
     村の住人

    「ミスティ・キットスン」
     行方不明のモデル

    「ジャッキー・キットスン」
     ミスティの母親

  • どっちかゆうと苦手な作家さんやけど、この作品は比較的入り込めた。

  • 人形は終盤にしか出てこない

  • ダークな雰囲気。
    読んでいて相模原の事件を思い出した。
    そんななかでラストにホッとする。雲間から日が差したようだ。

  • 違う話しが同時進行していくような前半は、話しが飛んで正直読みずらかったんだけど、「あ、ここがこういう風に繋がるのね」となる途中からは一気に読めた。それにしても、「あ、これってレベッカのこと?」なんて描写があったりして、つくづく3作目4作目が読みたいなあ、と。

  • 前作「喪失」の時も思ったけど、プロットの組み立てが秀逸。読者を楽しませようとする意図をすごく感じる。今回は重度の精神病患者の収容施設で起きる怪奇現象が発端。施設の職員A・Jの視点が多いが、彼の等身大のキャラが共感できて読みやすい。だんだん読者に犯人を分からせる書き方がうまくて、ぞくぞくした。キャフェリー警部とフリーの関係も少し進展があって、次作も楽しみ。

  • 面白かった。
    精神病患者は紙一重だよね。

  • 精神病院が舞台のミステリは傑作になりやすいね。『ドグラ・マグラ』『シャッター・アイランド』…。誰も信用できないから。A.J.と彼女の最後の出会いのシーンは、この陰惨で悲しい話の中、唯一ほっこりさせられた。

  • 犯罪歴のある患者を収容する精神科医療施設を舞台としたサスペンスミステリ。さまざまな要素ととにかく不穏な雰囲気が絡み合い、なんともいえず「厭な」読み心地(誉めてます)の一作。
    過去に起こった事件の犯人と、その人物が作り出す「人形」がとにかく不気味で仕方がありません。嫌だなあ、この人形。実際には見たくないかも。
    そして明らかになる事件の真相。すべてパーフェクトにすっきりはしないのだけれど、意外と読後感はそれほど嫌じゃなかったです。

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