終わりなき道 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

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制作 : 東野 さやか 
  • 早川書房 (2016年8月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (580ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019105

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終わりなき道 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の感想・レビュー・書評

  • いちいち攻撃的な口調の主人公エリザベスを好きになれなかった。しかし物語の面白さと奥深さには脱帽。登場人物の一人ひとりが息づいている。

  • 読み応えは期待以上。
    みな救済されたかな。

  • ジョンハート最新作。相変わらずの面白さで特に中盤は引き込まれたが、最後はちょっとバタバタして終わった印象。

  • この作者の主人公はいつもホントに情が深い。大切な人を傷つけないために、ここまで自分を犠牲にできるのかって感じる。彼女のいちずで献身的な行動のおかげで、地獄の苦しみを味わって恐怖に震える元警察官や事件の被害者が救われる過程が胸を打つ。
    連続殺人犯人の動機はピンとこないし、そこは書き足りない気もするけど、忘れがたい物語だと思う。

  • 犯罪者を射殺した容疑で追及され孤立状態となった女性刑事、そこへ刑期を終えた元同僚が出所、事件の真相が浮かび上がると共に新たな悲劇が彼らを襲う。過去と現在の事象が幾層にも重なり複雑に絡みながら、それらは滞ることなくスリリングに結末まで突き進む。「羊たちの沈黙」を思わせる設定だが、ストーリーの構造はより奥深く登場人物の造型も見事だ。

  • まあ、確かに償いや贖いに終わりはないのかもしれないが、ずいぶんと突き放した邦題になったもんだ。原題は<REDEMPTION ROAD>。ここは、あっさりと『贖い(贖罪)への道』と訳した方が、作者が意図した主題に沿っている気がするが、あまりにも露骨すぎるので、より文学的なというか、情緒的な表題を採ったのだろうと推察する。けれども、主人公の父親は牧師であり、彼女は幼いころから厳格な宗教教育を受けてきている。さらに、犯罪現場には教会が使われている。宗教的な意味を持つ単語を使用しているのは、意図してのことだろう。その意は酌まなくてもいいのだろうか。

    <redemption>には、買い戻し、質受け、償還、身請け、救済、(キリストによる)(罪の)贖(あがな)い、救い、(約束・義務などの)履行、補償などの意味がある。Wikipediaによると、旧約聖書の「贖い」には
    +人手に渡った近親者の財産や土地を買い戻すこと
    +身代金を払って奴隷を自由にすること
    +家畜や人間の初子を神に捧げる代わりに、生贄を捧げること。犠牲の代償を捧げることで、罪のつぐないをすること。
    等の意味があるらしい。この三点ともに小説の主題に深くかかわっているのは明らかで、評者が題名にこだわるのも、それが重要だと思うからである。

    主人公が敬愛する警察官エイドリアン・ウォールは、殺人罪で十三年を刑務所で暮らし、小説冒頭で釈放される。主人公のエリザベス(リズ)は少女の頃、レイプされ自殺しようとしたところをエイドリアンによって未然に察知され、結果的に救われる。リズが警官になろうと決めたのはそれがあったからだ。リズはエイドリアンに大きな借りがある。債務の返済を意味する「償還」という表題はリズにとって重い意味を持っている。

    冒頭でリズ自身も苦境に立たされている。監禁レイプされていた少女を独りで救助した際、十八発もの銃弾を黒人兄弟の二人に発砲したことが問題になっているのだ。白人警官による黒人への過剰な暴力は喫緊の社会問題である。少女は助かったが、そのためにリズは人に指弾される立場に陥った。これは新約のイエスの贖いの解釈にあてはまる行為といえる。本当は、ここに書けないもっと深い意味があるのだが、ネタばれになるので、これ以上は書けない。

    エイドリアンは、刑務所内で生きていく術を教えてくれた同房者のイーライが所長の拷問によって死ぬ前に、ある秘密を聞いている。原題にも<redemption>が共通しているように、『ショーシャンクの空に』(原題:The Shawshank Redemption)によく似た話で、金がからんでいる。エイドリアンは、所長の拷問によく耐えて刑務所を出るが、所長は釈放後も看守に命じて彼を見張らせている。

    そんな中で事件が起きる。かつて、エイドリアンが罪に問われた事件と同じ現場、同じ手口で殺人事件が起きる。警察はエイドリアンを疑い、彼を別件で逮捕。リズは何とかエイドリアンを助けようとするが、自身も内部調査中でバッジを取り上げられている。おまけに、どうしたことか頭脳明晰で優秀な警官だったリズは、レイプ事件以後、人が変わったように神経を苛立たせ、集中力を欠いている。相棒のベケットはそんな彼女に忠告するが何を言っても聞く耳を持たない。

    エイドリアンの無実を晴らすためには真犯人を突き止めねばならない。しかし、自身が裁判を受ける側になるかもしれないリズは思ったように事件を捜査することができない。信用できそうなのは、ベケットと古参のランドルフくらい。ほとんどの警察官を敵に回しながら孤軍奮闘する女性警官の活躍を描く警察小説のはずだったのに、途中から様子が変わる。

    冒頭から字体を変えた文章が挿入されるのは犯人の視点で描かれていることを示している。エイドリアンの釈放を妨害し刑務所に送り返すために行われた殺人なら一度でいいはずなのに、犯人は何度も同じ現場、同じ手口で執拗に女性を殺し続ける。これはもう、サイコパスによる殺人事件だ。疑わしい人間が少なくとも三人読者にも想像できる。ただ、サイコパスはふだんは善良な市民の皮をかぶっているので、手がかりは字体の変わった文章だけだ。

    手がかりは与えられているので、鋭い読者なら犯人を当てるのは難しくないかもしれない。評者はまさかこれはないだろう、と思ったが。犯人が分かっても事件は終わらない。例の秘密を追って所長たちが迫ってくるからだ。手に汗を握る展開をしっかり描き切るあたり、この作者の筆力を感じる。ただ、主題である「贖い」を意味づける終わり方は本当にこれでいいのか。刑務所やレイプ事件が人間を変えてしまうこともあるだろうが、エイドリアンもリズも他と比べようがないほど優秀で模範的な警官だったはずだ。意外な犯人のサイコパスへの豹変ぶりとご都合主義的な結末に不満が残った。

  • 「川は静かに流れ」「ラスト・チャイルド」を読んで、この作家は好きだ!と胸をときめかせ、「アイアン・ハウス」であれ?となったけど、五年ぶりの新作、気を取り直して読もう!と読んだのだけど。
    以前、
    「家庭崩壊は豊かな文学の土壌となる」と書いた作家がこれを書いたのか?これ、昔に流行ったサイコものじゃない?今回の家庭崩壊の過程も、筋書きも、私から見ると悪趣味だ。

  • 五年ぶりの長編だが、ジョン・ハートの作品だという先入観がなかったら飛ばし読みで終わっていたかも。評価は甘め。

    刑事が絡んでいるふたつの殺人事件という特異な設定でスタートする。この事件を軸に進んでいくのだが、のろのろの蛇行運転で徐々に暗さが増してくる。登場人物に共感できない点と、破綻していくストーリーに閉口したが、それでも読めてしまうのがこの作者のスゴさなのだろう。既読作品でも同じようなことを感じてたので、これはもう相性ですな。

    原題は『贖罪の道』。被害者であり加害者でもある人物たちが背負う罪。そこから逃れられずに、赦しを乞うことも与えることもできずに苦悩する姿が痛々しい。それぞれが隠し続ける真実というスタイルはこの作家ではよくあるが、今回の真実はかなりヘヴィー。そこに思い込みやら独りよがりの心理が絡んでくるから、頑なに口を閉じたまま状況はどんどん悪化する。

    終盤は怒涛の展開。そこからラストまで一気に流れるが、中途半端な感は否めない。一番感じたのは、主役の男女の互いに対する想い。この気持ちに沿って行動しているのに、そこの結びつきがイマイチ理解できないのでストーリーに入り込めなかった。真犯人の動機も無理があるし、この結末もいかがなものか。これだけ厚く詰め込んだ物語のラストとしては違和感ありあり。ホントにこれでいいのか? でも、どんなラストだったらしっくりくるのかと自問したら何も思いつかなかったので、これでいいのでしょう。 今は疲労感が半端ないので、今後のリピートについてはそのうち考えよう。

  • 量、質とも読みでのあるミステリ。
    ジョン・ハートは全部読んでいないから不確かだけれど、必ずティーンエイジャーに重要な役回りをさせているんじゃないかな。

  • 物語が進行することで登場人物にかかっていく行動の制約がおもしろく、後半はハラハラしながら一気読み

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終わりなき道 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)の作品紹介

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