バベル17 (ハヤカワ文庫 SF 248)

  • 早川書房
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150102487

感想・レビュー・書評

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    SFで宇宙旅行もの、ただし主人公の女性が詩人、翻訳家であるので、言語学的アプローチが多いです。

    神狩り同様、未知の言語バベル17を追う話となっています。
    神狩りが構造分析についてよく語っているとすれば、こちらはどちらかといえば概念とかの方に重きが置かれているイメージ。
    私、とあなた、について語りは個人的には好きです。


    惜しむらくはラストです。話がすべて片付き、それでは最後の色々回収、のところでまさかの終わり。


    ぶちっと切れてしまっているイメージです。おいおいおいおいってなってしまった。

    全体の話はとても面白いです。次、次、次と次が気になる。

    ただ、特に説明もなしに「インベーダー」とか幽霊とかが出てきます。
    SFならあってあたりまえかな、みたいなものは説明なしに出てくるので!慣れるまでは少し分かりにくかったです

  • 最初いやぁな感じの詩人リドラがだんだんチャーミングになるから不思議。ただ、やっぱり翻訳だとわかりづらい気がしてあまり楽しめず、結局原書を買った。でも言語SFって実はすごくないか!!

  • 時は未来の戦乱時代、地球は銀河同盟の一員として大規模な宇宙戦争を繰り広げています。敵の破壊工作が行われる現場で必ず傍受される謎の暗号「バベル-17」の謎を解くため、天才的な言語センスを持つ美貌の詩人リドラ・ウォンは個性的な仲間たちと共に宇宙へと旅立ちます。バベル-17が暗号ではなく未知の言語体系であることを突き止めた彼女は、その鍵を握るある人物と出会いますが・・・

    表紙イラストのダサさには眼をつぶれ!(笑)
    華やかなスペースオペラの体裁を取っていますが、その実態は空前絶後の「言語SF」。ネビュラ賞受賞もうなずける、玄人受けする傑作です。鴨は10代の頃に一度読んでおりまして、20年ぶりの再読です。が、
    よくこれ読破できたな10代の自分。
    と変な感動をしてしまうほど(笑)捻った作品で、たぶん10代の自分はかなり飛ばし読みしてたんだろうなぁ・・・(^_^;ディレイニーの作品にしてはかなり読みやすい方だと思いますけどね。

    以前レビューしたディレイニー作品「ノヴァ」にも通ずるこの作品の特徴は、単なるSFには留まらない重層的な構造を持ちつつも、その一方でそうした知識を持ち合わせなくとも充分SFとして面白い、という点に尽きます。10代の頃にはたぶん読み飛ばしていたであろう言語理論に関わる描写についても、今回は10代の自分よりは理解しているとは思いますが(笑)100%理解した自信はありません(^_^;でも、言語を巡る一つの謎解きという視点で読むと充分スッキリしましたし、そういう意味でこの作品はSFであると同時に優れたミステリでもあります。
    それに、何よりも登場人物たちがとても魅力的で、読んでいてもダレることがありません。天才的な資質がありながらコンプレックスの塊でもある主人公リドラ・ウォンの人物造形はもちろん、脇を固める仲間たちもグロテスクにしてチャーミングな連中ばかり。リドラを見守るトゥムワルバ博士との艶っぽい関係性もグッと来ますねうーん、10代の頃は気づかなかったことがいろいろと理解できる歳になったなぁ・・・(-_-)しみじみ。

  • インベーダーの破壊活動に晒された地球(を含む "同盟" の星々)。インベーダーの侵略の前後に残される<バベル-17>と名づけられた通信。侵略を防ぐ鍵となる<バベル-17>の解読を命じられた宇宙的詩人リドラ。<バベル-17>の謎を解き、インベーダーから"同盟"を守れるのか?

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