鋼鉄都市 (ハヤカワ文庫 SF 336)
524人が登録
★3.93
| ブログで紹介する» |
|
Check |
|
|
この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
-
わたしにはわかりかけてきたようです。あるべからざるものの破壊、つまり、いわゆる悪の破壊は、この悪をいわゆる善に転換させるよりも正しくないし、望ましくもないと。
― 344ページ -
「そしてその女は罪を犯したのですか?」
「そうだ」
「それでは、なぜ石を投げられなかったのです?」
「訴えでた者たちの中には、イエスにああいわれて、なおかつ石を投げられると思った人間が一人もいなかったからさ。この物語の意味は、きみのなかにいっぱいにつめられている正義よりも、もっと高いものがあるということなんだよ。そこには、慈悲として知られる人間の衝動がある。赦すという人間の行為があるんだ」
― 312ページ -
ロボットの思考の本質は、この宇宙を、完全に字義どおりに解釈するところに在るのです。ロボットは、第一原則の精神を理解するのではない。その言葉を理解するのです。
― 137ページ
みんなの感想・レビュー・書評
邦題は”鋼鉄都市”だが、原題は”The Caves of Steel” "Cave"という単語には洞窟やほら穴のほか、窓のない小さな事務室という意味があるようだ。 表題が指し示すとおり、未来の地球人は鋼鉄のドームに覆われた都市の下、自然から断絶された生活をしている。 一方、かつて宇宙空間へ進出し、数多の惑星に移り住んだ地球人は宇宙人と呼ばれ、地球を支配下においていた。 ... 続きを読む »
ダニールと警察官イライジャが活躍するシリーズの第一巻。
アシモフの文章はいつも、オチが終わった後、最後の最後の文章で電気がビビッと来ます。
またひとつ名コンビに会ってしまった。これ、続編が2篇あるらしいけど、日本語訳版が絶版同然という……。頑張って原著読もうかどうしようか。
言わずと知れたSF小説の金字塔。
普段あんまりSFって読まないのでたまに読むと新鮮で楽しい。名作というだけあってSF読むときに一番のハードルとなる「世界観」もわりとすんなりと飲み込めるので話を楽しめるし。
ただまあ、こういう作品の常として翻訳の古さがなあ・・どうしてもテンポの悪さを感じてしまう。多分原書で読んだらもっと絶賛していると思う。
架空の都市の設定とそこで生活している人々の感情の細部にいたる描写まで論理的な整合性がとれていてリアリティがあるのはさすがアシモフ博士。動く歩道のようなビジュアルや食料配給事情や等級社会といった社会システムといったものの想像はともかくも、ロボットに対する皮膚感覚的な微妙な嫌悪感といった人間の感情の描きかたも繊細で説得力があるのには驚く。殺人事件の真犯人を追い詰めていくくだりは、通常の推理ミステリとまったく遜色なく、しかもトリックに、この「架空の未来社会での現実」的な設定が施されていてグウの音も出ない。さすが古典。
SF小説。
ロボット刑事もの……ではない。人間と宇宙人の代理人であるロボットのペアによる推理小説の形をもとっている。この作品ではロボットはロボット工学三原則に縛られているため、ロボットは人間に危害を加えることができない。涼宮ハルヒシリーズではキョンと長門有希による推理小説形式がしばしばあるが、涼宮ハルヒシリーズでは情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースはロボット工学三原則に縛られない、つまり地球人に対して危害を加える意図や行為が存在する点が注目される。
長門有希がこの作品を読んだ場合、宇宙人の地球人への関与の手順の違いのほか、宇宙人のロボットR・ダニールの地球人の刑事ベイリへの対応方法やベイリの反応について興味をもつかもしれない。
ロボットと宇宙人のコラボ。ロボットからしたら地球人とエイリアンのどちらを守ればよいかわからないでしょう。だって宇宙人を怒らせたら地球人の滅亡が直結してるからです。鋼鉄の世界には人間の精神は漂っていて幽霊みたいだ。とりあえず犯罪は一生消えないね、人類が存在する限りね。
SFでミステリなんて、トリックなんでもありだろう!
と思わせておいて、ちゃんとミステリ。
巨匠・アシモフらしいがっちりした世界観の中で繰り広げられるドラマ。
青年型ロボットと人間の中年刑事の心の交流も見所です。
この古くさいSFの感じがとても好き!未来なのにいちいちやぼったいというか…wベイリの推理にはハラハラしたw
ハヤカワSF文庫は、中学時代によく保健室で読んでました。 ベットの上でこっそりとです(笑)。 私は入院や長期欠席をするひ弱な中学生でしたので、保健室の常連でした。中学時代に一番よく話をした教職員さんは、保険の先生な気がする。 ミステリとSFがほどよく融合した傑作として、評判の高かった「鋼鉄都市」は、実際、読んでみたら、途中でやめられなくなってしまって、保健室だけでなく、授業中に教室でも読んで... 続きを読む »
短編でアシモフにハマりこの長編に手を出した。地下に広がるいかにも「近未来」といった感じの世界が好き。あとミステリ要素もしっかりあって良かった。
ダニール&イライジャコンビもまだぎこちないけどラストが良い感じで、これからのコンビネーションに期待できそう。
結局、人を救うのは人自身だ。人は自ら忌み嫌ったロマンチシズムによって救われることになる。知的な理性と物理主義によってではなく。 ロボットを考えることは、めぐりめぐって人を考えることになる。ロボットに何をさせるかは、私たちが何をさせたいかによるし、ロボットができることは、私たちが可能にしたことだからだ。私たちは私たちの鏡としてのロボットを知っている。 それなら、ロボットは人間になりうるだ... 続きを読む »
<あらすじ> 警視総監に呼びだされた刑事ベイリが知らされたのは、宇宙人惨殺という前代未聞の事件だった。地球人の子孫でありながら今や支配者となった宇宙人に対する反感、人間から職を奪ったロボットへの憎悪が渦まく鋼鉄都市へ、ベイリは乗り出すが……〈ロボット工学の三原則〉の盲点に挑んだSFミステリの金字塔! <感想> 小説は時代背景の影響を色濃く受けています。それ故に、多くの小説はその時にしか書... 続きを読む »
SF刑事もの。
ロボット好きだと作中ではロボットが激しく嫌われているので読んでいてつらいと感じるところがあるかもしれない。
宇宙市と懐古主義団体の対立と警察の位置関係がわかりにくくなることはなく、非常にバランスが良くて面白い。
悪を破壊するのではなく悪を善に転換させることが正しくて望ましい。
面白い。昔ブラッドベリでつまずいて以降SFは敬遠していたんですが、このシリーズは自分が好きなミステリという側面もあるからか馴染みやすいです。
どこかのレビューで、小説家を目指す方に読んでほしい、とあったのを覚えてます。確かに、世界観の伝え方とか登場人物の作り方とか、ものすごく上手い。
いずれロボットの存在が人間を脅かすということが示唆されまくっているのに、それでも人はロボットを造るのか。
舞台は未来のニューヨーク。宇宙人の惨殺事件という前代未聞の事件の捜査を命じられた刑事イライジャ・ベイリは、宇宙人側からパートナーとして指名された人間そっくりのロボットR・ダニール・オリヴォーと共に困難な捜査に取りかかる。巨大な鋼鉄のドームの中、完全な管理社会で生きる地球人は皆生まれながらの広所恐怖症で、ドームを出て殺人を犯すことは不可能なはず。一方、ロボットはドームを出て殺人現場まで行くことが可能... 続きを読む »
アシモフの王道、ロボットものです。
しかも出てきているのが銀河帝国興亡史でも出てきた
R・ダニール。
別の面のダニールを見ることが出来たのが
非常によかったなと思いました。
前には意外なところでしか正体が
出てきませんでしたしね。
しかし、最後の思わぬ事実は
衝撃的でした。
高校の時、町に遊びに行くという姉に頼んで買ってきてもらった思い出深い本。なのに面白すぎて1日で読み終わってしまった本。これを皮切りに、アイザック・アシモフの本を廻るたびが始まったわけです。再読予定。
SFミステリというジャンル。
宇宙人が何ものかにニューヨーク・シティで殺された。
その事件の担当になり、捜査することになった地球人の刑事と、さらにそのパートナーはロボットと言う、とんでもない設定。
アシモフというと、ロボット三原則が思い浮かぶが、この小説もうまくその三原則を利用して論理的に展開するところが面白い。
それにしても、SFとミステリを融合する技術と言うか技法が素晴らしい。
しかも、50年以上も前に書かれたものなのに、ところどころに斬新なアイディアが盛り込まれていて、「恐るべし、アイザック!」なのである。
アシモフの小説は初挑戦だったのだが、良いモノは古さを感じない、というか、そう言うものを越えたところにあると感じた。
そんな作家なので、これからも他の作品を読んでみようと思う。

鋼鉄都市に住む人間、一方、青空の下に暮らす宇宙人。





