ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを (ハヤカワ文庫 SF 464)
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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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「こんにちは、赤ちゃん。地球へようこそ。この星は夏は暑くて、冬は寒い。この星はまんまるくて、濡れていて、人でいっぱいだ。なあ、赤ちゃん、きみたちがこの星で暮らせるのは、長く見積っても、せいぜい百年ぐらいさ。ただ、ぼくの知っている規則が一つだけあるんだ、いいかい―――
なんてったって、親切でなきゃいけないよ」
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いずれそのうち、ほとんどすべての男女が、品物や食料やサービスやもっと多くの機械の生産者としても、また、経済学や工学や医学の分野の実用的なアイデア源としても、価値を失うときがやってくる。だからーもしわれわれが、人間を人間だから大切にするという理由と方法を見つけられなければ、そこで、これまでにもたびたび提案されてきたように、彼らを抹殺したほうがいい、ということになるんです」
― 288ページ -
小説の中で、ある人物が死のホステスに向かって、自分は天国へ行けるだろうか、とたずねるシーンがある。ホステスは、もちろん行けるわ、と答える。それじゃ神さまにも会えるだろうか、と彼がきくと、ホステスは答える。
「ええ、会えるわよ」
「だったら、いいんだがね。おれは神様に一度きいてみたいと思ってるんだ。この下界じゃとうとうわからずじまいだったことを」
「というと、どんなこと?」
そうたずねながら、ホステスは彼の体をベルトで固定する。
「いったいぜんたい、人間はなんのためにいるんだろう?」
― 32ページ
みんなの感想・レビュー・書評
読んでいて、どうすればいいのかわからなくなって、馬鹿みたいにぼろぼろぼろぼろ泣いてしまった。 ヴォネガットの作品はこれが初読だが、読む前からからそうなる予感はしていた。きっと泣いてしまうし、きっと辛いだろうと。その通りだった。 「カート・ヴォネガット・ジュニアの『ローズウォーターさん~』は、この作家が世界に宛てた、一番新しい、一冊の怒りのラブ・レターである」(ジュディス・メディル) ... 続きを読む »
*えり*
富と愛をひとびとに分け与えようとする、とある大富豪と、
彼を取り巻く人々の物語。
ローズウォーターさんに助けを求める人々は、
多くが金銭を求める人々ですが、
中にはほんのささやかな愛情だけを求めている人もいます。
ローズウォーターさんはその全てに応えようとします。
彼に何が起こってそのような行動をとるに至ったのか?
また、彼の行動によって、周囲に何が起こったのか?
「無償の愛」は、限りない困難に満ちています。
果たしてそれは実現可能なのか?実現するには、一体何が必要なのか?
「人間を人間だから大切にする」ということは、シンプルですが気付きにくい事です。
笑いと悲しみと真実が散りばめられたお話でした。
読んでいて色々な所で悲しくて泣きました。
また読み返したい本です。
僕の書評を読む人は、僕のことを心配せずにはいられないでしょうねローズウォーターさん。「こんなに五つ星を連発する人間はきっと酒に溺れている人間だ」そんな風に考えるんでしょうよ!‥なんて、思わずローズウォーターさんに電話したくなりました。自分のように感化され易い人間にとって、アメリカ人的でタフな会話や皮肉はすごく危険ですが、大好物でもありますw。
生きることを全肯定する素晴らしい物語だった。
最後の2,3行を読むまでまさか感動するなんて思わなかったんだけどね。
愛とはシェアするものではないだろうか。恋人と部屋や食べ物を分ける。兄弟で同じ親を分ける。さあ、あなたは愛する人と何を分け与えることができるのか。お金?そう、お金はもっともであろう。お金で人生つまづく人もいることだが、愛が芽生える人ともいるだろう。そもそも愛は金より抽象的だ。空漠的だ。存在しないと思う人だっているに違いない。もちろん。そう。ありうる。しかし、僕は愛は実在するものだと思っています。愛は分けるものという定義ならば、歌や小説は愛でしかない。愛と同等な価値になろう。愛を感じる小説である。金なんてみなさん!他人にあげることができますか?できなければ・・・・・・。
人間を「人間だから」という理由のみで愛すべきというロジックに感動。 生産能力に価値をおけば、大勢の人間が「役立たず」になってしまう。その先の未来は暗い。 作中、SF作家・トラウトが語る、「理由」と「方法」は、現代において強く必要とされているように思う。 以下、引用。 「あんたがローズウォーター群でやったことは、断じて狂気ではない。あれは、おそらく現代の最も重要な社会的実験であ... 続きを読む »
無償の愛をもつ人間の説明書。
誰しもがなりたいと願う、良い人(愛に生きる人間)を目の前にすると人はどう行動してしまうのか。
受け入れる側の破綻した状況が否が応にも理解できるように書いてある。
私にはとても耳がイタく、苦しく、悲しい本。
この本を悲しむことなく喜びの中で読む人間になりたい。
お金持ちは富を分配しろ!って庶民は思うけど、 本当に人のために尽くしたらどんなことになっちゃうのか・・・ 中流階級以上にはキチガイと思われ、 貧しい人々には神と崇められ、 それでも本人は首尾一貫しているのが滑稽であり、切なくもある。 しかし最後の妻に会いに行くところからの超展開はすごかった。 え、火事?え、テレポート?記憶喪失?え、ケンカ?いつの間に??? ぜんぜんついていけ... 続きを読む »
慈善的すぎる慈善家ローズウォーターさんの生き様はバカバカしくも素晴らしい。この本では彼の人生だけでなく様々な人生が描かれているが、どれも愛すべき人物ばかり。流石はヴォネガット、怒りと愛のメッセージは天下一品。
ものすごく皮肉な物語で、くすくす笑ってしまう。最後は傑作。読み終わってすぐの感情はどこか「アルジャーノンに花束を」と似ている。歪んだ社会と、一人の男の「愛」の形とが似るのかな?よく分からない。これ、日本よりももっと雇用や保険などがシビアなアメリカではもっと辛らつに、その分面白く受け止められるのではないか。
声を出して笑った。
隣人愛については、正直、アイロニーしか感じなかった。
本心なのかな?というかクレイジーだから、隣人愛って言わない。
いろんな話の紙芝居がシャッフルされて目の前でめくられるような。
おもしろかった。今の世界、アメリカ、日本の暗部を深くえぐりだしてる気がする。
ヴォネガットはすごいと思う。

現代版の異邦人。
新自由主義社会において、人類愛を語ることは異端なのか。
カートボネガットのシニカルな問いかけがそこにはある。
異常という日常。
ボネガットの皮肉に満ちた文章の中で、
彼の純...





