- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150105280
感想・レビュー・書評
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狂気や暴力を描いた前作とは打って変わって、落ち着いた作品になっている。相変わらずまえがきが素晴らしく、設定は少しSF風味。物語は題名ほどのドタバタ劇ではないが、その意味は読めばわかる。作者は奇形児でもなければ大統領でもないはずだが、どのあたりが自伝要素だったのだろう。ヴォネガットの中ではかなり好きな作品で、特に双子のキャラクターが良かった。決して明るい話ではないが、なんとも言えない著者の優しさが伝わってくる良作。
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ヴォネガットがどれだけ優しい人だったのかよくわかる
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スラップスティックとはどたばた喜劇を指すようです。あまり聞きなれない言葉。そもそも無声映画で作られたスタイルなので、小説で使われるジャンルではないのかもしれません。日本でいうと個人的には筒井康隆の作品にそういう匂いを感じるところですが、それとて正しいのかよくわかりません。
ただ、ヴォネガットの作品からは、全般的にこの「スラップスティック」のイメージがつきまといます。とにかくどの作品も登場人物がバタバタしている印象。まだ読了四作ですが、彼の作品はどれも普通のシナリオではありません。設定も舞台背景も、ワードチョイスも何もかもが異質。奇抜。だからといって読みにくいわけではない。舞台がわかれば、あとはなんなく物語に入り込むことができます。そんな作品だからこそ、その奇抜な展開のどこかに道徳めいた、核心をつくなにかを見つけてしまいがちです。本当にそんななにかが隠されているのかわかりませんが。。
本書もそんなわかるけど、よくわからない作品。とにかく肩の力を抜いて、シニカルでジョークな展開に、ただニヤニヤするのが楽しめる読み方かもしれません。 -
「チャンピオンたちの朝食」(1973)の次に発表された作品。
この作品から、ジュニアが取れて、カート・ヴォネガット名義で発表される。
「タイタンの妖女」(1959)、「母なる夜」(1961)、「猫のゆりかご」(1963)、そして代表作「スローターハウス5」(1969)に比べると、ややパワーダウンが感じられるが、それでもヴォネガットはヴォネガットだ。 -
『タイタンの妖女』よりは読めたけど、やっぱり合わないヴォネガット 。いまいち何が言いたいんだかわからない。アメリカのことしか書いてないからかな。
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壊れた未来と姉弟の家族愛
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悲しきインタギャラクティックラブ ハイホー
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魅力のありかがどうにも分からない。分からないのだけど琴線に触れるなにかがある。そんな気持ちがしています。
無人島にもっていくとしたら? というときに上位に入ってしまうかも知れない一冊です。
傑作! だとか絶対におすすめ! などとはなかなか言えそうにないけれど。
フィクションとリアリティのバランスがよくて、シリアスとチャーミングも同じ場面に併存しています。 -
残念ながらこの作品は私には合わない
表紙 7点和田 誠
展開 3点1976年著作
文章 3点
内容 410点
合計 423点 -
久しぶりに読み終えたくないと思える本に出会えた。