前哨 (ハヤカワ文庫 SF 607)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150106072

感想・レビュー・書評

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  • SF短編集。異星人が出てくる話は好きなので、彼らが主役の「第二の夜明け」はよかったです。ストーリーに陰があるところも好き。

    同じく異星人が出てくる「歴史のひとこま」も好き。最後がふふってなって好き。こういうのいいなあ。

    「破断の限界」は宇宙船に隕石がぶつかって、予備の酸素がなくなってしまう、そんな中、船に残された二人の男…という話で、ミステリというかサスペンスっぽくて面白かったです。

  • 100冊ビブリオバトル@オンライン第23ゲームで紹介された本です。オンライン開催。
    2020.08.22〜23

    第96回アワヒニビブリオバトル「旅」で紹介された本です。オンライン開催。
    2023.2.18

  • 「2001年宇宙の旅」の原型となった表題作ほか短編集。
    「破断の限界」は必読。いわゆる「方程式モノ」である

  • カンガルーか?とも思える種族と人間か?と思える種族の生長を描く「第二の夜明け」と、二人の性格の異なる男の緊迫した宇宙空間での時間を描いた「破断の限界」がおもしろい。「優越性」も皮肉に満ちた作品。

    ・「第二の夜明け」サイエンス・フィクション・クォータリー誌1951.8月号

    ・「おお地球よ・・4」フューチャー・サイエンス・フィクション誌1951.9月号
     ある植民地で生まれ育った10歳の少年マーヴィンは父に連れられ、生活するドームの外に初めて出かける。そこは不毛の世界で上空には母星「地球」が浮かんでいた。植民地で生まれ育つ者はこうなのでは?という設定。後の「地球帝国」の主人公に通じる?

    ・「破断の限界」スリリング・ワンダー・ストーリーズ1949.12月号 

    ・「歴史のひとこま」スタートリング・ストーリーズ誌1949.7月号
     金星から地球に到着した宇宙船。そこで穴のあいたフィルムを発見し見てみるが、内容は彼らにとって理解不能。解明には長い時間がかかるとされ、しかも最後に制作者の名前があったがそれは・・

    ・「優越性」ファンタジイ&サイエンスフィクション誌1951.8号
     とても辛辣な皮肉に満ちた作品。A国ではとても素晴らしい兵器「消滅球」を作ったが、兵器で劣るB国との戦争には負けた。理由はB国の兵器より優越した兵器を持っていたから。・・その兵器を使うためには多大な兵力と設備が必要で、それを満たそうとしている間に、原始的なB国の戦法にやられてしまった。
     今コロナ禍で、線路保線をするのに自動保線機を作って保線時間は短縮したが、機械の設定と退出に時間がかかり、結局便利になったのか?というのを先日TVで見たのを思い出した。

    ・「永劫のさすらい」スーパー・サイエンス・ストーリーズ誌1950.3月号
     地球で帝国を作り戦争をしかけた「支配者」。が負け戦が濃厚となり一人地下で冷凍睡眠に入る。ここらへんヒトラーを思い起こす。100年後に目覚めるつもりだったが・・

    ・「かくれんぼ」アスタウンディング誌1949.9月号
     敵の宇宙巡洋艦から逃げているスパイ

    ・「地球への遠征」アメージング誌1953.6,7月号
     3人が乗り組んだ宇宙船が惑星に着陸した

    ・「抜け穴」アウスタンディング誌1946.4月号
     火星人は地球を監視していた

    ・「遺伝」アウスタンディング誌1948.9月号(ニュー・ワールズ誌1947.3月号)
     

    ・「前哨」テン・ストーリー・ファンタジイ誌1951.春季号
     「2001年宇宙の旅」の元となった作品。最初から月の場面。ピラミッド状の人工物を発見し、それは見えない壁に包まれていた。20年かかりそれを壊す。

  • 小説
    図書館

  • 巨匠クラークの端正な初期短編集。同じ初期短編集の「太陽系最後の日」よりも、鴨的には読みやすかったです。

    たぶん、思想的なアピールを最小限にして「ハードSF」に徹した作品が多いのが要因かと。あの「2001年宇宙の旅」の原型として名高い表題作を始めとして、ハードSFとしての成立要件を過不足なく体現している佳作が揃っている、なかなかの佳品だと思います。いかんせん今読むと古さを感じる作品もあるので、その点はあらかじめご容赦を、って感じですかね。「古き良きSF」そのものです。

  • クラークの第一短編集 クラークは短編より長編向きか? 
    表紙   6点鶴田 一郎
    展開   6点1953年著作
    文章   6点
    内容 620点
    合計 638点

  • 今更後戻りすることはできないし、このまま前進すれば災厄が待っているだろう。だから我々の文明の本質のそのものを変え、過去の百万世代と完全に縁を断ち切らねばだめだ。どうしてそんなことが成し遂げられるか君には想像もつかないだろう。

    この問題に対する最終的な解決法は我が種族が移住できるような新しい処女地の発見以外にはない。
    三日間食料がないだけで、文明人と野蛮人のあいだを隔てる微妙な差異を取り払うには充分だといえる。

  • いかにも「初期のSF」って感じがする。世界設定のお披露目や、そこからのワンシーン、ワンカットがメインで「そこからどうなる」にはあまり関心がないという感じ。短編集ということもあるんだろうけど。

  •  クラークの短編集。テンポの早い話なので、電車の中で読むのにぴったり。難解な作品もあるが、総じてすばらしい。中でも、「前哨」は2001年宇宙の旅の原点と言える作品である。でも私は長編が好きだな。

    作品は以下のとおり。

     1.第二の夜明け
     2.おお地球よ
     3.破断の限界
     4.歴史のひとこま
     5.優越性
     6.永劫のさすらい
     7.かくれんぼ
     8.地球への遠征
     9.抜け穴
    10.遺伝
    11.前哨

     本題は「地球への遠征」であるが、2001年宇宙の旅の元になった作品として、前哨がタイトルになっている。短いだけに中身が濃い作品ばかりである。

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