魔法の迷宮 (下) (ハヤカワ文庫 SF―リバーワールド (622))

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制作 : 岡部 宏之 
  • 早川書房 (1985年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150106225

魔法の迷宮 (下) (ハヤカワ文庫 SF―リバーワールド (622))の感想・レビュー・書評

  • 前同
    表紙   5点野中 昇
    展開   6点1980年著作
    文章   6点
    内容 625点
    合計 642点

  •  死亡した…と思われた人間が意識を取り戻すと、巨大な川が流れる世界に放り出されていた。それも、自分だけではなく、ほぼ有史以来の全人類が、というSFにおける有名シリーズ「リバーワールド」の完結編。

     第一作の『果しなき河よ我を誘え』ではヒューゴーを獲得している。

     物語は、復活の鍵を握るらしい存在が隠れていると思われる川の上流をリバーボートを使ってさかのぼることで展開するわけだが、正直長かった。遅延効果大杉。

     最終巻のなかば以上が謎の探求ではなく、遡行する二艘のリバーボートの決戦に割かれるわけだけれど、ジョン王というのが日本人には魅力的な悪役に映らないんだよなぁ。サムのジョン王に対する激しい憎悪もいまいち共感しがたい。もっとしなきゃいけないことがあるような気がするんだが。

     仲間に紛れ込んだスパイに対する疑念が全編を覆っており、うっとうしすぎて、いまいち話に乗り切れない。こういうのは熱血友情信頼路線でぶっちぎって欲しいなぁ。

     それにしても、最終イベントにマーク・トゥエインや、シラノ・ド・ベルジュラックが参加しないとはどういうことだ。シラノが死ぬときに「馬鹿げている」というのだが、ほんとうに馬鹿げている。戦いはくだらない。

     いろいろ文句を言ったのだけれど、リバーワールドという設定自体は魅力的だと思う。長編として遅延を延々と使用しながら、無理に完結を目指すような展開よりも、この世界を舞台にした短編を多く書いたほうが興味深いものになったのではないかという気がする。

    『ハイペリオン』でシモンズが『緑の星のオデッセイ』の草原を進む帆船というイメージを借りたように、魅力的な世界を作り出すことにかけてファーマーは非常に優れたものをもっていると思うのだけれど。

     まえに「…シェアードワールドを展開するには格好の舞台ではないだろうか。キャラクターを活かすための『世界設定屋さん』みたいなものをやらせたら、ファーマーは高い才能があるんだろうな」と書いたのだけど(http://booklog.jp/users/sukerut/archives/B000B84QB0)、『ダンジョン・ワールド』ってのはちょっとその傾向があるみたいだ。当面読む予定は無いけど。

     日本ではファーマーに対する本格的な評論がないような気がするのだけれど、誰かやってくれないだろうか。自分にとっては、正体のつかみがたい人の一人。

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