明日にとどく (ハヤカワ文庫 SF 660)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150106607

感想・レビュー・書評

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  • 「ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 1」短編集がとてもおもしろかったので、もともとの短編を読み始める。「憑かれたもの」が一番おもしろかった。

    ・「闇を行く」(スリリング・ワンダー・ストーリーズ誌1950.8月号)
     さる荒涼たる星、探索基地へ1人たどりつこうとるす男の闇の中の恐怖。

    ・「忘れられていた敵」(ニュー・ワールズ誌1949.9月号)
     20年もの間、雪に埋もれたロンドンで1人大学構内に残っていた学者。寒冷のため人は去っていた。ある日目の前に北極グマが現れ、さらに氷河の断片が・・

    ・「エラー」(ファンタジイ誌1946.12月創刊号)
     超電導の原理を使った発電機の真ん中に入ってしまった男。気絶から覚めると文字が鏡文字に、さらに体も左右が逆転し・・

    ・「寄生虫」(エイヴォンSF&ファンタジイ・リーダー誌1953.4月号)
    何かに取りつかれているようだという男。親友に相談するが男は耐えきれず緊張の頂点に、すると取りつく者の気配を親友は感じる
     
    ・「目覚め」(フューチャー誌1952.1月号)
     遥か先の地球を見たいと思った男はひとり宇宙船にのり眠りについた。何十億年ののち帰りついた地球、迎えたのは関節のあるモノだった。人類と虫類との戦いのはてに・・

    ・「親善使節」(リリパット誌1951.2月号)
     空飛ぶ円盤は地球に降下した。二人の乗組員は~触手のある~地球を探索するが・・

    ・「呪い」(コスモス誌1953.9月号)
     核エネルギーの前にはかなく散ったイギリスの町々。有名な詩人の墓碑もエイボン川に沈んだ・・わが骨を動かす者に呪いあれという墓碑銘とともに・・シェイクスピアの墓碑銘

    ・「木星第五惑星」(イフ誌1953.5月号)
     木星の第5惑星を探査・・がそれは巨大な宇宙船だった。その中にあった恐竜のような置物をロンドンにもってきてしまった。

    ・「憑かれたもの」(ダイナミックSF誌1953.3月号)
     遥か昔、宇宙の中をさまよう意識体。ふたつに分かれひとつは地球に、ひとつは別な安住の星を探して分かれた。状況を報告するため定期的に地球のある地点で会おうと約束して。意識体は当初トカゲの体に入り込み機を窺った。時は流れ現代、ノルウェーでは毎年レミングが海へと移動する。・・・意識体の現在の痕跡だった・・

     ※「ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク1」所収
    ・太陽系最後の日(アウスタンディング誌1946.5月)
    ・「地中の火」(ファンタジイ誌1947.8月号)
    ・「時の矢」(サイエンス・ファンタジイ誌1950.夏季号)
     

    1956発表
    1986.4.15発行 図書館

  • 1946年、第二次世界大戦が終わったばかりの日本では復興にあえいでいた頃に(そして、自分の生まれるずっと前に)、見てきたかのような現実感のある未来をこんなにもイキイキと描いているのがなによりも驚く。2019年の今なら現実にある"自動化""地下鉄""電波塔"など。一方で、インターネットやデジカメなどはさすがに想像外か、フィルムや出版物などが表現や伝達の手段となっている。

  • 小説
    図書館

  • このSF小説は、地球のある未来の話でその時の太陽がノヴァ化するときに救助?するために一隻の宇宙船か。

  • クラークの短編集
    表紙   6点鶴田 一郎
    展開   6点1956年著作
    文章   6点
    内容 660点
    合計 678点

  • 古き良きSF。
    個人的には木星第五衛星がよかった。ここまで読んできて衛星が実は巨大な巨大な宇宙船なんだ!っていうことにであったことはなくて、それが新鮮だった。
    文が独特の構造をしていて、それが読みにくさを伴う(訳のせいかもしれない)けど、それはそれでよかった。

  • クラーク短篇集。
    近くの古本屋で100円で購入。

    収録作品が13作品という作品数からわかるように
    一つ一つはとても短く、
    そしてそれぞれがきれいに完結している。
    クラークの短編は密かに初めてで知らなかったんだけど、
    短編もうまいんだなー、ということを発見。
    むしろ短編の方が面白いかも。
    ロジカルな人は短編がうまい。
    というのが私の持論、
    なので、勝手に納得してみたり。

    クラークは人類の未来、あるいは科学に関しては
    総じて楽観的な印象を受ける。
    もしくは、人類に限らず、種としての生命の未来に。
    現在の人類はまだまだ愚かだけれど、
    文明の発展とともに種はより賢明になり、老成していく。
    科学は発展し続け、その道の途中、愚かさ故に滅ぶことはないかのように。
    デビュー作であり、本作品の一作品目である
    『太陽系最後の日』には、
    そのクラークの基本姿勢が顕著に現れているような気がする。

    えーと、でも、正直に言うと、
    『呪い』がよく分からなかった。
    考えすぎなのかなあ...。

    --
    2020/03/14
    再読

    私が好きな昔のフォントサイズなんだけど、
    老眼が始まっているのでちょっと辛かった。
    初めて最近の文字のサイズの読みやすさとその理由に納得した。
    今まで忌み嫌っていてすみませんでした。

    ところで大半の内容を覚えていなかったので新しい気持ちで読めた。
    記憶力がないのもたまにはいい、かもしれない。

    前読んだ時の感想はなんだか適当に褒めている印象。
    まあでもなんとなくわかるのは、
    うまいんだけど、ぐっと来る感じではない、かなあ。
    全体的になんとなく結末が見えるような
    (それはもしや再読だからか?)。

    話としていいと思ったのは『木星第五惑星』。
    オチも悪くないし(あんなに頑張ったたのに、実は、的な)、
    何よりクラークらしい知識に基づいたトリック(というかしかけ)が小気味いい。

    『太陽系最後の日』は、
    オリジナルタイトルが『Rescue Party』なので、結構大胆な意訳。
    私は映画もそうだけど、オリジナルを大切にしたい派なので、
    ちょっと微妙。
    (英語をカタカナにするだけの訳はもっと嫌だけど)

    他は、そうだなあ。
    ソリッドなクオリティは確実にあるので安心感はあるけれど、
    (私の)心にすごく響く感じじゃない。
    だから多分あまり覚えていなかったんだと思う。
    以前評価の★3は妥当かな。

    でもそれは時代もあるのかもしれない、
    とも思う。

  •  クラークの初期短編集。再読だ。

     やっぱり、いつ読んでも面白いなぁと思う。

     最終定理がイマイチだったんでお口直しです。

  • 古き良き時代のSF。

  • 若干古臭さは否めないがそれでも輝きを放ち続けてる。

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