リングワールドふたたび (ハヤカワ文庫 SF ニ 1-2 ノウンスペース・シリーズ)
- 早川書房 (1988年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (548ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150107673
作品紹介・あらすじ
驚異の人工世界、リングワールド探険の旅から、すでに23年の歳月が流れ、ルイス・ウーは電流中毒となりはてていた。そんなある日、かつて探険をともにしたパペッティア人のネサスが、彼のもとを訪れた。リングワールドのの秘密をなんとか探りあてたいとのネサスの懇願に、ルイスはふたたびリングワールドを目指して旅立った!だが、巨大な環状世界は破滅寸前だった-中心がずれたため、あと1年半で太陽と接触、すべてが粉々に崩壊するというのだ。ルイスたちは必死でこの危機を防ごうとするが…ファンの熱い要望にこたえてニーヴンが放つ待望の続篇登場。
感想・レビュー・書評
-
驚異の人工天体での冒険から23年後。ふたたび訪れたリングワールドは崩壊まであと1年という危機にあった……。
リングワールドという圧倒的に広大な世界と、絶妙な人間関係の4人による冒険が最高にワクワクした前作から23年。200歳にして青年然としていたルイス・ウーは本作においても、依然として年齢を感じさせない主人公だ。頼れる相棒ながら裏切りの油断がならないクジン人ハミイー、前作ネサスの配偶者であるパペッティア人と共に、ふたたびリングワールドで大冒険を繰り広げることに。
前回はこの広大な世界から脱出することが目的だったが、今回はリングワールドそのものを崩壊から救うことが主眼となる。主役の3人は仲のいい友人同士というわけではなく、お互いに利用しあい、常に裏切りが疑われるスリルある関係性であり、しかし結局は協力しあっていく形になるところが面白い。特に今回ルイスがとった、物語のターニングポイントになる、ある思い切った行動は、一行の運命とリングワールドの運命を決定的にしたものであり、本作最大のハイライトだろう。いや~無茶するわホンマ。
世界設定の壮大さをさらに実感させる、新たな土地と現地人との出会いも魅力的。「どう、リシャスラしません?」と種族間性交があいさつみたいになっているのも面白かった。まさに「カホナ!」と言いたくなる。まさかのラスボスにも白熱させられた。
まだまだ未開の余地があり、新たな冒険を感じさせるラストに、リングワールドへのワクワク感は続いていく。続編として完璧。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リングワールドふたたび (ハヤカワ文庫SF―ノウンスペース・シリーズ)
-
古書購入
-
恒星を中心に回転しているリボンのような巨大な人工物がリングワールドである。リボンの表面には1兆を越える亜人類が住んでいる。本作品は「リングワールド」の続編にあたる。リングワールドの物理的不安定さを指摘されていたので、辻褄を合わせるためにも出版された(といわれる)本である。読んでみて言い訳がましい作品になるのかと思ったが、そんなことはなかった。むしろ、リングワールドを舞台にした冒険小説だった。登場人物は多くなく、各キャラクターの個性が全面に出ていて、とても楽しく読めた。リングワールドを含むこの作品はノウンスペースというシリーズものである。他の本も読んでみたいところではあるが、入手困難な本もあるので、機会があったら読んでいきたいと思う。
-
名作リングワールドがふたたびである
表紙 5点鶴田 一郎
展開 7点1980年著作
文章 7点
内容 730点
合計 749点