重力が衰えるとき (ハヤカワ文庫SF)

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制作 : 浅倉久志 
  • 早川書房 (1989年9月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150108366

重力が衰えるとき (ハヤカワ文庫SF)の感想・レビュー・書評

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  • 近未来のイスラム世界を舞台にした、サイバーパンクSF。ソ連とアメリカが内戦の末に小国家へ分裂した近未来。あるアラブの国際都市が舞台。主人公マリードは、数少ない「頭に配線していない」生身の人間。銃をもたず、電脳手術をせず、イスラム戒律からも自由な探偵稼業。失踪した白ロシア王位継承者の行方を巡り、国家間の駆け引きが展開される中、捜索を開始したマリードの運命は...。サイバー都市化したイスラム国際都市という変わった設定と、息つかせぬ高速展開が、最高の高揚感を味わわせてくれる。アメリカでの宣伝文「食費と家賃をあとまわしにしてでも読め」。強く賛同。

  • 確かにポップコーンの殻が歯にはさまったらすごく気になる

  • 題名やカバー絵を見て、宇宙を舞台にしたSFだと勘違いしていた。この作品のジャンルははミステリーだ。脳に直接作用するデバイスなど、SF的なガジェットがたくさん登場するからSF作品として成り立っているが、根底に流れるストーリーはミステリーであり、ハードボイルドである。決して本作をけなしているのではない。誉めている。また、SF的なガジェットだけでなく、イスラーム圏を舞台にした物語は、私のような無宗教の人間には非日常的な舞台だ。私は非日常を楽しむことがSF作品の楽しみ方の一つだと思っている。本作で、残酷な殺人事件やイスラムの風習などが多く描かれることで、自分の日常では経験できないことを読ませてくれた。 翻訳も読みやすかったし、後半のスリリングな展開には、ミステリーファンも楽しめるのではないだろうか。一点、不満があるとすれば、物語の展開が少し古く感じるところだ。コテコテのSFファンは既視感を感じるかもしれない。ミステリーファンにとっては、事件の解決法など、少し卑怯な展開に思うかもしれない。普通のミステリでは登場しないSFガジェットがあるから仕方ないのだけれど。

  • サイバーパンクと一人称ハードボイルドは相性がいいが、
    そこにイスラムをまぜるとエキゾチックな味になる
    イスラムの風習は千夜一夜を彷彿とさせるが登場人物はあれよりすれている

  • イスラム世界を舞台に描く電脳ハードボイルドSF(解説)
    表紙   7点ひろき 真冬
    展開   6点1987年著作
    文章   6点
    内容 600点
    合計 619点

  • ジョージ・アレック・エフィンジャー『重力が衰えるとき』(早川書房、1989)

    SFの道具立てに満ちた近未来サスペンス
    スマホのようなものを持ち歩き、外科手術で脳にソケット差込口を設置した人々は人格もスキルも自由に入れ替えができ、舞台となるスラムであっても非合法人格モジュールは簡単に手に入る。

    アラブの犯罪都市ブーダイーン、分裂したアメリカ、ロシア。
    「一匹狼」を自称する主人公マリードはロシア人富豪から人探しの依頼を受けるが、交渉の席上で依頼者は殺されてしまい、、
    真相に迫ろうともがくうち、マリードは町の有力者「パパ」のために働くはめに。

    イスラム文化の描写、マリードの破戒スタイルが興味深く読ませます。

    【本文より】
    ◯「わるいがね、わたしはアルコールを摂らない」
    「ご心配なく」おれはキリガに向き直った。「この人にもおなじものを」自分のグラスをさしあげた。
    「しかし ー」ボガティレフが抗議しかける。
    「だいじょうぶ、おごりですよ。おれが金を払う。当然だ ー おれが飲むんだから」

    ◯ヤースミーンは、外から中まで、肉体も精神もすっかり修正されている。彼女の肉体は、例の完璧なカタログ注文の製品だ。クリニックの係員に相談にいくと、むこうがカタログを見せる。こっちが、「このおっぱいは?」ときくと、むこうが値段をいい、「このウエストは?」と聞くと、骨盤を割ってはめなおす費用の概算を答えてくれる。

    ◯このブーダイーンでは ー いや、おそらく全世界どこへいってもそうだろうが ー 人間は二種類しかいない。ぺてん師とカモだ。だますか、だまされるかだ。上品ぶってニコニコ笑い、わたしはサイドラインで見物します、というわけにはいかない。

    ◯クスリはきみの友人だ。敬意をもって扱え。きみは自分の友人を屑かごに捨てたりするか。トイレへ流したりするか。友人やクスリをそんなふうに扱うやつは、どちらも持つ資格がない。

  • 20数年ぶりに再読。
    古びてしまったかと思えば、ぜんぜんそんなことはない。浅倉久志役の一人称は変わらず魅力的だ。

    マグレブのブーダイーンというイスラム都市が舞台が新鮮で魅力的に感じられたのを思い出す。

    何にも属せず独立独歩を誓う主人公が襲いかかる苦難に持ち前の機智で立ち向かうが、結局は権力に負けてしまうあたりが世知辛い。

  • ハードボイルド×サイバーパンク!な本書は、舞台がイスラム社会となかなか奇抜な作品です(SFに限らずイスラム社会が舞台の作品を読んだのは初めてかも)。
    ハードボイルドという割りに、主人公はそんなに強靭ではなく、最終的に権力に屈してしまったりします。さらに、サイバーパンクとしてもそこまで複雑ではなく、ときに深みがない印象を受けたりします。
    だから面白くないのかと問われれば、決してそうではなく、荒々しくて泥臭い主人公は、(個人的には)ハードボイルドの一翼を担うと思うし、わかりやすい電脳社会はサイバーパンクの入門作品として十分かと思います。なによりイスラム社会独特の文化やしきたりは、サイバーパンクのエキセントリックな性質と相まり、新鮮さに溢れて、かなーり刺激的。

    ただ、作中で登場する「ボンド」との決着はちょっといただけない。あんな行き当たりばったりな形ではなく、もう少し意味のある場面での決着として欲しかった。個人的には。

  • ここで紹介されている書影に驚きました。
    自分が読んだのは、ひろき真冬さんのイラストでしたので。

    サイバーパンク最盛期の傑作シリーズだと思います。

  • 一気にファンになってしまった。散りばめられたガジェットもいいが、絞り出すような乱れた思いがハードボイルドという触れ込みとは思えないほど溢れてた。続編読みたい!

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