- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150110437
作品紹介・あらすじ
重力定数が10億倍の宇宙に迷いこんだ宇宙船乗組員の末裔たちは、呼吸可能な大気に満たされたで生き延びていた。彼らは宇宙船の残骸である円盤状の筏を中心にして社会を形成し過酷な環境に耐えてきたのだが、の寿命が残り少なくなったいま、人々の命運も尽きようとしている…。この危機を打開すべく、勇気と好奇心にあふれる少年リースの冒険が始まった。ハードSFの気鋭が放つ、長篇第1作。
感想・レビュー・書評
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ハードSFということですがしっかりした冒険譚なので難なく面白く読めました。イギリスの作家の作品は結構好みなの多い
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・あらすじ
宇宙の重力定数が現実の10億倍という世界設定で、主人公は毎日小さな惑星から鉄を採掘する過酷な労働をしている。
彼は世界に対して違和感を抱いて、定期船に密航してブルジョアな暮らしをしている「天の筏」へ向かう。そこで知る真実は、進んだ科学力を持った文明人が元の宇宙から、大昔に現在の重力10億倍の宇宙に迷い込んでしまい、主人公たちはその子孫であるということまた、現在の星雲が近い将来滅びるということだった。
・感想
ハードSFでシビアな設定でありながら、何よりもすばらしいのはその「絵」の力である。中がブラックホールになっている星、骨人の星や透明なクジラなどSF的なビジュアルが目白押し。中盤からの加速度的なストーリーの畳みかけ、容赦ない展開と飽きさせないこと間違いなしの一冊である。 -
重力定数が10億倍という設定が理解できない
表紙 4点末弥 純
展開 7点1991年著作
文章 6点
内容 600点
合計 617点 -
ハードSF長編。作者さんの「ジーリー・クロニクル」シリーズ最初の1冊で、後に序章部分(の要約?)が短編連作「真空ダイヤグラム」に収録されてるけど、もちろんこれ単独でも読めます。
重力定数(「重力」じゃないよ)がこの宇宙の10億倍、っていう突飛な舞台で生き延びる人類のお話で、ハードSFではあるんですが主人公の冒険活劇的な要素が強め。死にかけた星雲っていう世界観はとんでもなく陰鬱だし社会的な衰微・混乱も描かれてて、シンプル&ドライな短編版とはずいぶん違った印象です。
作風としてはあんまり好みではないのだけど、後半の次々たたみかける驚異や、点と点が次々繋がるクライマックスはやっぱり面白い! -
ハードSFは何が起こっているのか想像できないことはよくある。本作もところどころわからないところがあったりはしたものの、話の筋はわかりやすい。
主人公リースが困難(ホント酷い目によく遭う)に何度も直面しながらも、滅びゆく星雲の人類を背負い、危機を打開する成長物語という面が強い。
星雲が呼吸可能なのが最初は不思議だった。作中で描かれている重力定数が10億倍(重力が10億倍ではない)の世界がどの程度まで正しいのかさっぱりだけど、少なくともこんな世界を書いたことがスゴい。 -
読めない漢字があったり・・・
情景がなかなか頭に浮かんでこなく、読み辛かった・・・ -
重力定数が10億倍の宇宙に迷いこんだ人類の末裔の物語
その世界で生まれその世界しか知らない少年リースの冒険譚であり、成長の物語である。
最初は何が何だかわからない世界で、ちょっと取っつきにくいかもしれない。
本来はハードSFとして楽しめるのかもしれないけど、「よくわからない」状態で最後まで行ってしまった。結局は、「リースの冒険」という印象のみが残っている。
バクスターの処女作ということで期待が大きかった分だけ、ガッカリ感も大きい。