順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

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制作 : Greg Egan  山岸 真 
  • 早川書房 (1999年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150112899

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)の感想・レビュー・書評

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  • とにかく好き。理屈じゃないんだ、理屈あっての小説だけどでも理屈じゃないんだ。「創造主が創造物に否定される」ってのはシビアながら笑いどころのような気もする。で、私の考え方は90年代生まれのママンに似ている…年上だから当たり前。

  • 分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
    表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
    展開   7点1994年著作
    文章   6点
    内容 725点
    合計 743点

  • 中々難しい話でちゃんと理解できているのか怪しい。100ページ位まで読んで内容が分かってくる感じか。アイデンティティとは記憶の連続性であるみたいなことが書かれていて、そうなのかと納得してしまった。僕の主観時間もコピー同様遅いのはスペック不足に起因するのか。上梓されたのが90年代ということもあり、名門日系企業が複数登場しているが、現実には2050年までにいくつの企業が生き残っていることやら。

  • ※本レビューでは上下巻をまとめて扱っています。
    ※暴力描写、流血及び性表現を含む作品です。

    【印象】
    原本と写本、そして両者の自我。記憶の影響力。
    人工の亜宇宙と決まりきった仮想。
    生きた都市を読みたい人にはお薦めしませんが、科学技術的な躍動を楽しみたい人にはお薦めします。

    【類別】
    小説。
    SF。群像劇の色も少しあります。

    【脚本構成】
    2本の糸を縒りあわせていくような流れを好む人には楽しめるはずです。類する構成の作品を挙げるなら『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹。
    また、高い知能を持つとされる人物の真意がなかなか明かされない種の焦らしはあります。

    【表現】
    三人称一元視点であり、節ごとに別人物の視点へ切りかわります。
    文体は平易ですが、扱われている内容を最低限想像できる状態にするためには少しだけ情報技術の嗜みを要します。

    【備考】
    このレビューは、事前に希望聴取されて選択し指定した贈物を鑑賞したのちに書かれました。

  • 自分をスキャンして電脳空間で永遠に生きる時代を描いたもの

    我々の意識は過去→未来へと流れていくように思えるが、それは本当なのか(記憶を失いつつ過去に戻ることと区別がつかない)、全く同じ神経回路が複写された時、自意識はどこにいくのか、などの哲学的な問題についても著者の関心の赴くままに書かれている

  • 2016/09/07-2016/09/10
    星4.5

    「グレッグ・イーガンのSFがおもしろい」というのを風の噂で聞いたので読んだ。ハヤカワ文庫SFの中ではこれが最初の単行本だが、日本語訳されているイーガンの長編の中では2番目らしい。創元SF文庫から出ている『宇宙消失』が最初。Wikipediaによると更にそれより前に "An Unusual Angle" というのがあるらしい。

    物語の背景として主軸にあるのは、物理・情報科学・生物の知識。物理に偏ることも情報科学に偏ることもなく、基礎原理から生物的性質まで幅広く設定され考察されているのには、想像力の広さを感じた。

    今まで僕はいわゆる「強いAI」の世界観に違和感を覚えていたのだが、そんな僕にでも「強いAI」が存在する世界をリアリスティックに感じられるくらいの構成だった。

    また、科学を志すものとして、「オッカムの剃刀」についてちょっとした考え違いをしていたことに気づけたのも大きかった。SFを読むと自分の視野の狭さに気づけるので面白い。

  • 仮想現実に自分の”コピー”を創造することでコンピュータのリソースが続き、ソフトウェアが止まらない限り半永久的に生きられるようになった世界。
    そんな中で一人の男がとある計画のために動き出す――。

    認知科学とか、機械工学とかに精通している人は問題ないかと思うがそうでないとなかなか入っていくのに時間がかかる。
    だが、読み込んでいくうちにどんどん深みにはまり、気がつけばイーガンの作中に沈んでいる自分に気付く。
    上下巻分かれているわけだが、上巻の終わり方が卑怯すぎる。もちろん、いい意味でだが。

    生命とは?自我とは?
    常に問いかけ続けてくる。

  •  人物のスキャンが可能となり、電脳世界で生き長らえることが出来るようになった世界で、自己とは何か、生きるとは何を意味するかに迫る物語。『順列都市』の世界において鍵となるのは、次に挙げる三つの概念である。第一に、現実。これはボトムアップ型の概念であり、素粒子のスケールから計算された物理法則に従う世界を指す。これをコンピュータ上で再現するには膨大な計算力が必要で、『順列都市』の世界においても不可能である。第二に、コピー。これは現実の生理学をブラックボックス化することで、計算を単純化し仮想現実を可能にするトップダウン型の概念である。世界中の富豪たちが自らのコピーを作り、死ぬ間際にスキャンすることで、その存在を半永久的なものにしていた。そして第三に、オートヴァース。これはオートマトン(逐次的に状態が遷移する数学的なモデル)の一種であり、現実とは異なる物理法則で動くが、その法則は原始的なレベルから巨視的なレベルにまで作用し、その全てを統率する。一方で現実とは異なり計算量が小さく、コンピュータ上で再現可能な概念である。
     上巻では複数の人々による群像劇として話が構成されている。コピーによる実験を行うポールとダラム、莫大な資産を担保にコピーとして存在し続けるトマス、オートヴァースに魅了されたマリア、そして何かを企てるカーター、ピー、ケイト。それぞれの物語が鍋の底で燻り続ける泡のように現れるも、本書では未だその全容は分からない。下巻において、散らばった数々の伏線はどのように回収されていくのだろうか。
     下巻の解説を垣間見て、塵という単語が目に入った。塵理論についてはよく分からないが、私が本書を読み感じたのは解釈に関する問題である。無秩序に並ぶデータをどう解釈するのか。その方法によりその内容が決まり、そこに意味が生まれる。形式と内容、シンタックスとセマンティクスの対応が、本書で鍵となる概念なのではないだろうか。原子の並びに意味は無く、そこにメモリ上の電子情報との差異はない。異同があるとすれば、それは解釈する側の問題で、解釈することに意味があり、意志があるのだと。
     本書では章毎に色々な人物に視点が映るので、最初は戸惑うかもしれない。世界観にとって重要な用語や概念も、後に説明される場合があるので気軽に読み進めても問題ない。ただオートヴァースは分かりにくいので、この本を読む前にセル・オートマトン、ライフゲーム等について調べると良い。分かりやすい動画がネットには豊富に存在するので、それを参考にすると想像しやすいだろう。

  • 話の筋としても、上巻は前説みたいなものだし、
    3回読むとさすがに出涸らし感を禁じ得ない。

  • フェアで買った『ディアスポラ』が面白かったので、恐らく一番有名であろうこちらを購入。
    何の説明もなく専門用語が頻出するのは変わらないが、『ディアスポラ』よりはかなり読みやすい。まだ上巻しか読んでいないが、サスペンスフルな展開も好みだし、登場人物も魅力的だった。
    作品の雰囲気というか、作り込んだ幻想小説にも通じる緻密さは『ディアスポラ』の方が好みだったが、純粋に楽しむのであればこちらの方がいいかな。

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