- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150112905
感想・レビュー・書評
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宇宙や生物を取り扱いつつ、話の軸はあくまで電脳であり、その大風呂敷の上で命を説くような文句なしのSF超大作だった。
物語の終盤は夢中になって一気読みできた。
マリアが長い眠りから目覚めてからの没入感がすごかった。エシュリオン vs ランバートの構図はさながらアクションサスペンス映画のようだった。
人間である自分にとって、ランバート人の理解できないほどの合理性はかなりエイリアン感があって良かった。
でも、やっぱりすごく難解だった…。
塵理論って結局なんだったんだろう。ハードSFを読むと数学や物理学をきちんと勉強したくなるw
トマスやビーとケイトのパートはよく分からないままさらりと読んでしまったな。。。
それでも白熱して楽しめてしまうのがグレッグ・イーガンの凄いところと言えば凄いところなんだけど。
もし再読することがあるなら、解説サイト?等を参照しながら読みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022-08-08
読んでいたと思ってたけど、なぜか読み逃してた。23年積んでた(笑)
ソフトウェア知性について「ディアスポラ」に比べると否定的な文脈が強い感じ。そこは「ゼンデギ」に近いか。ファーストコンタクトの相手の描写は非常に限定的。エイリアンの側を描くとどうしても擬人化せざるを得ないからか。
そして、結局はアイデンティティの物語。ほぼ全編その、思弁に費やされていると言ってもいいくらい。
なんだかすぐに再読したくなる。 -
現実世界から独立したTVC宇宙で不死を得た人格の<コピー>。彼らがシミュレートする人工知的生命体がTVC宇宙の存在そのものを揺るがす。
シミュレーション仮説が都市伝説のような曖昧な話ではなく、物理学的に「ありうる」かもしれないという説得力を感じてしまう展開。はっきりいって細かい部分は理解できないことも多かったけれど、難解ながらも脳が拡張していくような驚きと面白さを味わえた。自己とは何なのか、神とは……ちょっと考え込んじゃうね。 -
現在の統計的な手法で物事を類推していくAIではなくて、完全に自律思考ができるAIが生まれたらどうなるのか、想像するのが恐ろしくなる作品。特にラストの辺りは…。読んだのは5年くらい前でしたが、今読み直すとまた別の感想を持つだろうなと思います。この本の初版が1994年というのにも、とてもびっくりです。
コピーの話を見ていると自己とは何だろうかとも思いました。 -
順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
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1994年に書かれた作品
この作者の作品は多くがそうなのだけれど
なかでもまっすぐに題材が大掛かりなものであるだけに
既に古典殿堂の趣き
あるいはクラシックという日本語であらわされるようなそれは
サイエンスでファンタジーなフィクション
カガクで想像豊かな物語として奥深い -
よくわからない部分もあったけど、設定の奔流に圧倒された
無限の世界=不死の世界は存在するのか