3001年終局への旅 (ハヤカワ文庫 SF ク 1-35)

  • 早川書房
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150113476

感想・レビュー・書評

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  • 最初に出てきた宇宙船の船長はチャンドラー。ハルを開発した博士もチャンドラーじゃなかったっけ?親戚かな?とハルの生みの親の方のチャンドラーをぐぐってみると、本名はシバサブラマニアン・チャンドラセガランピライだった。たぶん誰もインド系の人の本名をきちんと発音できなかったので、チャンドラー博士と呼ばれていたんだろうな。

    3001年には握手という習慣は失われていて、英語はラテン語レベルの死語になっているらしい。特別教養のある一握りの人だけが読み書きできる。おもしろいな。

    stir crazy 長い刑務所暮らしで気が変になること。
    これは拘禁反応と関わりのある言葉なのかな?

    3001年宇宙の旅は2001年と同じくらいおもしろい。
    科学的にも社会的にも道徳的にもあらゆる分野で現代よりも遥かに進歩した時代が描かれているけれど、医師や高度な技術者は必ず男性で補佐的な立場の看護師などは全員が女性など、この話が書かれた90年代のジェンダー規範を、作者自身が乗り越えられていないことが透けて見えるところも含めてなかなかおもしろい。

    アーサー・C・クラークがスタートレックの大ファンだということがわかった。見たことはないけれど、題名はよく聞くドラマだ。ドラマだよね?
    おもしろいのかな?

    読み終えてみると、やっぱり2001年が完成度高過ぎた。
    奇跡の復活を遂げたプールが、31世紀の世界での生き方を学んで、愛する人を見つけ、社会的役割を手に入れるところまでで本の9割が終わった。
    このままめでたしめでたしで終わるのかと思ったら、モノリスを設置した知的生命体が、千年前の情報をもとに人類は野蛮すぎて生きる価値が無いので滅ぼそうと決めたという知らせがフランク・ボーマンとハルの集合体からもたらされる。
    人類はその脅威に対して、封じられたコンピュータウイルスで対抗することに決め、とりあえずは千年の猶予を得た、という所で終わった。
    全体を通して淡々とスムーズに話が進み、未来の人類は超科学のおかげでものすごく賢くなって感情に振り回されたりしないという設定なので感情的なぶつかり合いなどの描写もなく…だしはしっかり取ってあるけど薄味のおかゆを食べていたら、お椀の底にエビが一個あったという感じの読後感だった。
    つまり…めでたしめでたしだということだよね?少なくともフランク・プールにとっては。

  • 蛇足。

  • 十数年ぶりに再読。プールの生還は予想外で、彼の視点から見る未来の様子が興味深い。シリーズ完結編としては結末がイマイチ。人類の作ったコンピュータウイルスにモノリスが負けるとは思えないし、ボーマンとハルがタブレット内に保管されるのは彼らの存在が人類のレベルにまで矮小化されてしまったようで馴染めない。4001年の旅がどんなものになるか気になるのに続きが読めないのが残念でならない。モノリスを作った種族とコンタクトしてほしかった(エピローグを読む限り、当分の間は手を出してきそうにないが)。

  • 亡くなったと思われていたある人物が実は生きていたり、上位存在の一存で地球が殲滅対象にされたり、終局は突然やってきてあっけなく終わった。そんな撃退方法で大丈夫か?
    とはいえ舞台は約1000年後の遥か未来。現代にはモノリスもルシファーも存在してないけど、こんな未来があってもいいんじゃないかと思えた。1000年後も2000年後も人類が仲良く生きていたらいいな。
    想像力と夢と浪漫に満ち溢れたクラーク先生の描写、本当にお見事です。

  • SF。シリーズ4作目。
    前作から時は流れて3001年。どう繋げるかと思ったら、2001年からの再登場。
    1000年間、宇宙を漂流したプールさん、この設定がスゴイ!
    ストーリー自体には、それほどのインパクトはなし。結末もわりとアッサリ。
    このシリーズでは『2010年』が一番好きだったかな。

  • 正直シリーズの蛇足とゆう気も、、、
    フランクが生きてたってのもなんかむにゃむにゃだし、結局モノリスが敵になるのもなんだかだし、ましてデイブが助けてくれるとか、、、
    SFは度を超すとだいたい宗教的になってくる。
    クラークもそうだし、アシモフのガイアなんか正にキリスト教的。
    当時読んだときもなんかスッキリしないと思って、それっきり読み返さなかった。
    やっぱりスペースオデッセイは2010年が傑作。

  • 2001、2010、2061に続く4作目です。少なくとも2001年宇宙の旅を読むか映画を観ていないと楽しさ半減ですから先にそちらをどうぞ。

    以下ネタバレあり。

    1000年後の未来。先行種族により接近を禁止されたエウロパを除いて人類は太陽系をほぼ支配しています。テクノロジーは進化し、言葉とやメンタルも変化しています。2001でハルにより宇宙に放出されたプールが土星付近で発見され蘇生されたことで、21世紀と31世紀の世界の違いが際立ちます。

    やがてモノリスに取り込まれたハルとボーマンにより、人類が先行種族により「除草」されるかもしれない可能性が示唆されます。人類はモノリスを消失させ、先行種族からの支配/保護から離脱することにします。先行種族がモノリス破壊を知り、再び太陽系にやってくるまでの後1000年の時間を確保しました。作者が生きてれば続編ができたかもしれませんね。

  • 1000年後の世界なんて想像できない!?
    クラークさんすごい…

  • 2001年,2010年と比べると話の緊迫感,スケールが劣ってるように思うかなあ.

  • 無慣性駆動などの未来技術の細かな描写にはやはり引き込まれますが、いまいちすっきりとしない終わり方だったり他にも細かな点で納得の行かない部分が残ります。ていうかウッディは?

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