太陽の闘士 上 (ハヤカワ文庫 SF ウ 18-1 銀河戦記エヴァージェンス 1)
- 早川書房 (2002年10月1日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150114190
感想・レビュー・書評
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マンガを読むように読み易くて面白い
表紙 6点倉本 裕之 小野田 和子訳
展開 7点1999年著作
文章 7点
内容 720点
合計 740点詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人類の宇宙進出から50万年後の未来を描いたSF作品。人類は多くの種に分化し、多くの星間国家を築いている。
AI「ボックス」輸送の任務中の帝国連邦の女性情報将校ロシュが主人公。AIが主人公の相棒になる。コンピュータが人間の相棒という展開は『月は無慈悲な夜の女王』や『ドラえもん』のように結構ある。冷徹な説明役に向いている上にAIの方が人間以上に人間味のある反応がある。逆に人間の方が保身第一の無能公務員のように人間味が欠けている。実際、主人公の属する帝国連邦は腐敗した官僚制である。SF作品で連邦と名前のある政体は大抵腐敗している。
ボックスは画期的なAIで、それ故に対立勢力から狙われるものである。それ以外のAIは人間の思考の代替になるものではなかった。人間の思考に取って代わるようなAIは、まだまだできないというのが当時の常識であった。人類が宇宙進出して50万年が経っても、このレベルという点が興味深い。現実の2020年代は本格的な宇宙進出が始まっていないが、AIが普及し、シンギュラリティへの期待がある。シンギュラリティは先としても、宇宙進出よりは現実化しそうである。
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