真空ダイヤグラム―ジーリー・クロニクル〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)

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制作 : Stephen Baxter  小野田 和子 
  • 早川書房 (2003年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150114305

真空ダイヤグラム―ジーリー・クロニクル〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)の感想・レビュー・書評

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  • 前作に比べ、中々話についていけませんでした。読んでてしっくり来ないという感じがします。
    本来この短編集は、幾つかの長編の間を埋める物なのですが、その長編をすっかり忘れているせいかもしれません。また、ある種、想像を越えた技術や考えの元に書かれているせいかもしれません。
    最後の3編まずまずです。敗退し、閉じ込められた人類が退行し、その中で一部の者達が挑戦し、旅立とうとする。ちょっとファンタジーめいた雰囲気で、希望をもって物語を閉じました。

  • あまりに壮大なスケールにいい意味で唖然とする
    表紙   5点撫荒 武吉   小野田 和子訳
    展開   8点1997年著作
    文章   7点
    内容 750点
    合計 770点

  • 期待通りのサイドストーリー

     今回は謎解きがキーワードだ。

     前半と後半でまったく違うのが驚きだ。スケールの高さというよりも、過去の長編の謎解きがなされている作品集である。

     バクスター・ワールドに慣れた私は結末が読めたのだが、バクスター・ワールドの奥の深さはまだ衰えていない。

     いやぁ、再読できる作品集だ。

    作品は以下の通り。

    第四部:人類、同化の時代

    ゲーデルのヒマワリ
     秀作といえるがインパクトはない。ジーリーの巨大データバンクってオチだが、回りくどい。

    真空ダイヤグラム
     表題作。イマイチなんだが、ここで登場する最期の人類ポールはあとの作品で非常に重要な位置をしめることになる。

     未来から送られたジーリー種族のゆりかごの上に人類は文明を築くが、ジーリーの意図には気づかない。すでにジーリーは時間を操作して暗黒生命との戦いに備えていたという話。


    第五部:人類対ジーリー、最終闘争の時代

    密航者
     彼のデビュー作「天の筏」からの抜粋のようだが、面白くない。これを読んだだけで「天の筏」は読む気がうせる駄作。酷評だが、付け足しの感が否めない。

    天の圧制
     こっちは「フラックス」からの抜粋。超重力場での生き残りを賭けた人類の話。「竜の卵」を思わせる設定はぜひとも読んでみたいと思わせるが、あまり期待できないようだ。

    ヒーロー
     だからどうしたって感じの実験作。スーパースーツでスーパーマンになるという話。あまりにあっけない感想だが、それ以外には思いつかず。


    第六部:ジーリー、他宇宙への飛翔

    秘史
     ジーリーが暗黒生命に敗北し、別宇宙へ脱出したあとの物語。アンチ・ジーリーやポールの役割が描かれている。そして、クワックスが再度登場することになる。つなぎをなす作品だが、これがないと次からがわからない。


    第七部:フォティーノ・バードの最終勝利

    <殻>
     この作品以降は長編といえる。がらっと趣が変わる。

     主人公はジーリーの箱舟計画の中で生きる最後の人類だ。四次元体に閉じ込められ、大いなる文明の退化を余儀なくされる。ジーリーに戦いを挑んだ影はもうなく、ジーリーの情けで別宇宙へ旅立つことを期待されて幽閉された人類。

     そのスタートがこの作品だ。

    八番目の部屋
     ついに、最後の人類は宇宙へ通じる接点を見つける。最期の人類であるポールの助けを得て、宇宙へと飛び出すというハッピー・エンドを暗示する作品であると同時に「時間的無限大」のラストの謎を解く鍵がここにある。

    バリオンの支配者たち
     まさか。バリオン種族であるクワックスが再び登場する。しかし、ポールの力を借りて最後の人類は別宇宙へと旅立つのだった。

     ポールの位置付けがはっきりする反面、マイケル・プールがどうなったのかがさっぱり不明に終わる感じがいただけない。

     読者としては、プールはポールだったと考えるのが自然だろうと思う。そう考えないとつじつまが合わない。

     それにしても「時間的無限大」は最高傑作だと思う。


    エピローグ:イヴ

     そしてイヴの正体が明らかにされる。想像とおり、「プランク・ゼロ」でブラックホールに吸い込まれたプランク・コンピュータである。

     プロローグで語られるシルバー・ゴーストの実験の話に戻る。それは結果的にイヴを破壊する実験だった。実験は失敗に終わる。バリオン種族であるシルバー・ゴーストも暗黒生命には敗北することになる。

     そして最後には、ジャック・ラウールとその亡き妻イヴが互いに助け合いながら余生を送るというハート・ウォーミングなエンディングが待っている。SFっぽくないな、ここ。

     とにかく本作は謎解きだ。これを辞書代わりに「時間的無限大」を再読すればもっと面白くなりそうだ。

     ラストでマイケル・プールが見た「透明な箱から出てくる石器時代の人類」とはジーリーに幽閉されていた人類だった。そして、プールはクワックスと戦いながらその人類をジーリーが切り開いた「虚空のリング」をとおって別宇宙へ送り出す。

     アンチ・ジーリーとはなんだったのか? それこそプールそのものであると考えてもよいものか?

     ジーリー・シリーズはこれで一件落着。本当にすばらしい作品群だ。

  • 出落ち感がハンパない。
    手を広げすぎて回収出来ずに終わった感じ。

  • シリーズ全2巻。ハードSF短編連作。こっちは後編なので前編「プランク・ゼロ」から読むと良いです。
    宇宙の終焉と人類の再出発。とんでもなく壮大ながら舞台構成・描写がとことん緻密で素晴らしい!
    特にラスト近辺はぞくぞく。一気に読み進められる引力があるよ!
    シリーズのお話にリンクする長編もあるらしいので読んでみたいな。ともあれFavorite!

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