- Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150115289
感想・レビュー・書評
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ありがちなスペースオペラではないところが面白かった。
話の組み立て方が丁寧で上手。
<a href="http://mediamarker.net/u/ikedas/?asin=4150116938" target="_blank">くらやみの速さはどれくらい</a>の印象が強かったので、始めは面食らった。
けれど読み進めているうちに、ああ、こっちが本職なのかなと思った。
話の展開やいろんな要素の挿し込み方がこなれてる。
読み手の感性をくすぐるような持っていき方が非常に巧い。
<a href="http://mediamarker.net/u/ikedas/?asin=4150116938" target="_blank">くらやみの速さはどれくらい</a>と同質の「読ませる」技術の高さ。
読み始めると止まらなくて、ぐいぐいと引っ張られる。
消化不良の点も幾つかあったけれど、シリーズものなので今後の展開に期待かな。
まあ、まず外れはないだろうという確信はある。
良質なSFエンタメだと思う。読んでて楽しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
女性作家のミリタリー物、読み易いが今後に期待
表紙 5点照世・岩郷 重力 斎藤 伯好訳
展開 5点2003年著作
文章 5点
内容 609点
合計 624点 -
九年前に読んだけど、再読
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宇宙軍の士官を目指すが、トラブルがもとでやめざるを得なかった少女を主人公としたスペースオペラ。
星間貿易を行う会社の社長を父に持ち、貿易・取引の才能を随所に見せて、事件に巻き込まれつつもそれを解決。
……というストーリー。
面白い舞台設定・世界設定があるわけでなく、びっくりするような技術がでてくるわけでもなく。
別に宇宙を舞台にしなくてもいいじゃないか、とうっかり言いそうになるライト小説。
ビジョルドの「マイルズ/ヴォルコシガンシリーズ」が好きならこれも、というコメントを見かけるが、ビジョルドのあの緻密な世界観、重厚なテーマ、魅力的な登場人物などを読んでしまうと、このシリーズでは物足りなさを感じるはず。 -
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Trading in Danger,2003
カイラーラ・ヴィッタ(士官候補生/貨物船船長)
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つまらないです。解説の「ミリタリーSF」という説明は間違ってますが・・。だまされた。
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去年、最も印象深った一冊『くらやみの速さはどれくらい』のエリザベス・ムーンの作品。
他の作品はどんなものなのかと、新刊買い。
優秀な士官候補生カイ・ヴァッタ。
しかし、親切心から下級生の悩みを解決しようとしたがために大騒動になり、退学処分。
実家は宇宙でも名高いヴァッタ航宙。
父はカイを廃棄処分の船の船長に命じ、スクラップにするために運ばせる。
途中、一儲けしようと、農業機械の買い付けに向かうが、そこで戦争に巻き込まれてしまう。
傭兵会社から民間人を預かってくれと頼まれ、引き受けるが……
〈若き女船長カイの挑戦〉シリーズの第1巻。
『くらやみの速さはどれくらい』をイメージしてると全く違う。
あとがきによると、スペースオペラ系の作品の方がメインで、『くらやみの速さはどれくらい』の方が例外だそうだ。
女性が主人公のミリタリーSFと聞いていたから、オナー・ハリントン*1みたいなのかと思ったら、
民間船の船長で、そこで優秀な士官になるはずだった才能を生かし、危機を乗り越えていく、という感じ。
知恵と機転の主人公としては、マイルズ・ヴォルコシガン*2の魅力には及ばないけれど、
親切が常に裏目に出て、事件を呼び込んでしまい、
退学を引きずり、学校の恋人を想い出し、本当は激情家なのを押さえ込んで冷静に事態に対処していく姿は、それなりに牽引力があるかな。
ただ、自分の船を持ちたいっていう話が唐突な気がした。
持ってどうするってのも出てこないし、いまだ軍人の夢は捨て切れてないし、
悩むっていうのは別に、イマイチ足元が定まらない感じなんだよなぁ。
そういう現代の若者っぽいキャラクター造型?
それから、マックロバートの真意、傭兵会社の誘い、戦争、宙賊、のネタが、なんか尻切れトンボ。
別に説明がなくても最後までリーダビリティは衰えないんだけどね。次以降で説明?
特に、マックロバートは、てっきりマイルズみたいな展開なのかと思ったら、全く説明なし。う〜ん。
そんなわけで、けっこう展開は気になるし、さくさくっと読めるんだけど、読後に色々と疑問が噴出する作品。
作中に出てくる、通信会社をメインにした話を書いてくれんかな。