白き狼の息子 (ハヤカワ文庫 SF ム 1-28 永遠の戦士エルリック 7)
- 早川書房 (2007年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150116033
作品紹介・あらすじ
ウルリックとウーナ夫妻の家に五人の旧友が訪ねてきた。孫娘ウーナッハが特に気になったのは、なかでも祖父母そっくりな真紅の瞳を持つ男だった。だが、やってきたのは友人ばかりではなかった。翌朝、散歩の帰り道、祖父母の宿敵ゲイナーとクロスターハイムに襲われた少女は、やむなく地下世界へと逃げこむ。かくてムー・ウーリア、ミレンブルク、ホークムーンの暗黒帝国へと、ウーナッハの驚くべき冒険の旅が始まった。
感想・レビュー・書評
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読まなければならないと思いつつも読んでいなかった
ファンタジーのひとつ、エルリックサーガを読んだ。
斬った相手の魂を吸い取る魔剣ストームブリンガーと
それを憎みつつもそれに頼らなければ生きていけない
アルビノの皇子エルリックの破滅へと向かう悲劇的な
ヒロイックファンタジーだと思っていたのだが、実は
ソード&ソーサラーの体をなしているのは最初の方
(この本は作品発表順でなく、エルリック個人の時間軸を
もとに作品が並べられているので、私の個人的な印象
ではおそらく発表順の最初の方だと思う)だけで、巻が
進むにつれて多元宇宙という一種のパラレルワールドが
主人公になり、半ば哲学的半ばSF的なファンタジー
へと変わっていく。もちろんそれがダメだとは言わない
が、私はどちらかというと単純な剣と魔法の物語の方が
好きだ。エルリックがストームブリンガーと出会って
から再びメルニボネに戻ってくるまでの傭兵時代のお話
をもっと読みたかったところ。特に後半三冊は主人公が
エルリックではないし、どちらかというと様々な自分の
作品や様々な神話にリンクを張ることが主眼となり、
物語のダイナミズムのようなものはないがしろにされて
いる感じがしてしまった。
とは言え、読んでいる間は十分楽しめたしファンタジー
ファンなら必読の書であるのは言うまでもない。後世に
与えた影響も大きいしね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長かった…!
主人公が少女で狐のひとがいっぱい出てくるのは物語として成功だなあ。
凄惨に尽きる道はエルリックの定めであり、その大前提が前3巻なんだなあ。 -
昔読んだ!…物の続編。
エルリック好きなんですけど、今エルリックって言ったら某鋼だと思われますね。