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- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150116897
感想・レビュー・書評
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有名なアメリカ物理学会での講演(1969)における「坑内カナリア芸術論」の話がお気に入り。
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初期~中期ヴォネガットのエッセイ集。ヒントがいっぱい。読み返したし。
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ヴォネガットはニヒリストである。
しかし、人間は、人間社会はどうしようもないものと思いつつも、正義あるいは神の名の下における持てるものの都合の良い理屈からなる運命論には屈しない。
ヴォネガットは全体には絶望しているが各々の問題に対してのかすかな希望は捨てない。
ヴォネガットは各種の講演やエッセイ、書評、インタビューが納められた本書で語り続ける。
富はもっと公平に分配されるべきである。社会共同体を再構築し人々の絆を取り戻すべきである・・・
それはかなわぬ夢であるどころか、そうした思想が返ってより悪い結果しかもたらさないこともヴォネガットは充分に知っている。
だけど希望を繰り返す。
人間は絶望的に愚かであるが、希望を語れなくなるほどの絶望はないから。
むしろ肥大化した脳が、退化して動物になった方が人間は幸せだろうと思いつつも。
笑いながらでも泣きながらでも希望を語り続けること。
大いに語ることはとても健康的だ。