- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150117559
感想・レビュー・書評
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著者が今年のワールドコンのゲストオブオナーなので、一冊くらいは読んでおこうと思ったのだが、日本で翻訳されているのがたった5冊と少ない。その中で、もっとも新しいのがこの本なのだが、それでも2010年の発行なのだ。表題作が中編で、それ以外に短編が7編収録されている。どれも、読みやすくて、SFらしい作品で、もっと日本に紹介されていてもいいんじゃないかと思う。(SFマガジンなどには出ているのかもしれないけど。)
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女性SF作家ナンシー・クレスの短篇集。
あとがきでも言及されているように、収録されている8作品のうち6作品が高齢者、女性、子供を主人公としている。社会の中で思うように生きられず環境や人間関係、あるいは心身の衰えに翻弄される人々の物語を、丁寧かつ生々しい心理描写で描いている。とくに「ナノテクが町にやってきた」「進化」の、夫に期待することをとうに諦めている既婚子持ち女性主人公の描写はさすが女性作家、といったところ。 -
アードマン連結体 (ハヤカワ文庫SF)
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短編集 面白いのもあれば訳の分からないのもある
表紙 6点岩郷 重力 田中 一江訳
展開 6点2010年著作
文章 6点
内容 610点
合計 628点 -
SF短編集で、表題作は老人たちに奇病が蔓延、やがて彼らの意識が共有化されて〜というもの。のちの伊藤計劃"ハーモニー"に多大なる影響を与えた、というか元ネタとのことです。
爆弾開発などを手がける現役の物理学者を引退し、大学で教鞭をとる物理学者のヘンリー・アードマン博士(95)が主人公で、衰えた身体と鋭い頭脳で事態の真相に迫ります。
冒頭の人物描写シーン。
○大学へ行くとき、ヘンリーはネクタイを着用するのが常だった。大学生がーそれどころか大学院生までもが!ー破れたジーンズに下品なTシャツを着て、ネズミでも飼ってそうなもじゃもじゃの頭をするのは勝手だ。…この知的で、時として猪突猛進な物理学者の卵たちは、自分たちの美しさがどんなにはかないものか知らないのだろうか?わざわざみっともない格好をしなくたって、じきにいやでもみっともない姿になるしかないというのに。 -
ナンシー・クレスの短篇集。
ハードSFっぽさは無く、ファンタジー寄りの作品が多い。
『オレンジの値段』『進化』『マリゴールド・アウトレット』の3作が良かった。表題作の『アードマン連結体』にやや冗長さを感じたのが残念。
『訳者あとがき』によると、著者本人も『中短篇を得意とすることを自覚し、公言している』そうだけど、短篇の方が面白いものが多いように感じる。 -
驚かされる設定や、ワクワクさせられる部分があまりない。
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表題作は前半が長すぎる。さすがに退屈。アイディアも深堀りされることなく、更には割と平凡
ナノテクが街にやって来た、は自立した女性が主人公で、現代的。
最低限の文明に戻るという結末は、あまりにもひねりに欠ける
オレンジの値段、はノスタルジックな情緒。作者も楽しんで書いていそう
全編、ソフトなSF。ストーリーで魅せるかというとそうでもなく、中途半端な印象。 -
うーん。個人的にはイマイチ。
自分がSFに望むのは、物語の中の事件や事象に対してある程度科学的な、あるいは論理的な説明が行われること。
この小説ではその辺が弱い。
もちろん、そういう作風なんだし、この作者にそんなもん求める方が間違ってるって話なんだろうが。
表題作や初飛行、進化あたりはそれでも面白かったですよ -
Social Fantasy
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うん、面白い。
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全部が好きなわけではないけど、入りやすかった。
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海外翻訳物でこれほど読みやすいSFは初めてかも。
「ベガーズ・イン・スペイン」級の作品には巡り会えなかった。 -
早川さんサンキューなSFらしいSFの短編集です。作者は女性?でしょうか。こういう作品なら、安心して子供や中高生など、これからSFの世界に入ろうって人に奨めることができます。
訳は、、、また別の問題。精進して下さい。
まだ途中ですが、最初の短篇なんか、当に筒井康隆さんのような、星新一さんのような、面白さ。落語には、、一寸難しいけど、考えさせられて、志向の軌道修正ができるよく練られた作品でしたよ。