- Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150117658
作品紹介・あらすじ
1974年、世界はかつてない暗黒時代を迎えていた。第二次大戦で圧倒的勝利を収めたナチス・ドイツが、ヨーロッパのみならず、世界の大部分を支配していたのだ。そしてナチスの魔手は、ついにアメリカ合衆国へと伸びようとしていた。アメリカにとって最後の希望は「プロテウス作戦」-過去へと精鋭部隊を送りこみ、歴史の進路を変えて、ナチスを叩き潰す作戦であった!ホーガンが迫真の筆致で描く時間テーマSF超大作。
感想・レビュー・書評
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歴史改変モノとタイムトラベルモノ、J.P.ホーガンが2つを組み合わせて描いたら面白いに決まってる!
歴史改変小説の名作「高い城の男」(フィリップ.K.ディック)のディストピアを受け入れるしかない、という展開と比較すると、ホーガン特有の希望の持てる、楽観的なストーリー展開で安心して読みすすめることができた。
史実とフィクションをうまく融合していて、歴史好きの人にも好まれる作り込みだったと思う。
自身の名作「未来からのホットライン」では否定されていた、並列宇宙が肯定されている点もとても興味深い。
(ただし、別宇宙を説明する際に両作とも「時間線」という共通の言葉で表現されている点はニヤリとさせる)
少々長く感じたが、全体的に楽しめた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「戦国自衛隊」みたいな感じかと思ったけど全然違ったな。
根のアイデアは珍しいものではない気がするが、タイムトラベルものの、パラドックスの処理をうまく取り入れていて、流石感。
このところ、先の大戦に関するいろんなインテリジェンス系の本を読んでることもあって、その辺の取り扱いが気にはなるんだが、そういう小説じゃないしと割り切って。
面白かったです。 -
プロテウス・オペレーション (ハヤカワ文庫SF)
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自分の趣味に偏りがあるのか、近年読んだハードSFは、量子力学ネタ率が妙に多く、さすがに飽きてくる。この話自体は、ホーガンの本領ドラマ的な部分も良く書けているような気もするけど、それ以前にネタに驚きがなくなると楽しくない。しばらく量子力学ネタは慎重に避けなくては。
あと、海外SF好きのくせになんだけど、人間の名前が覚えられなかった。ちょっと登場人物多すぎか。 -
この物語は、この物語と楽しむとしても
『高い城の男』meets『鷲は舞い降りた』
without デブリン&ノイマン
(そしてモリイにアルトマンにブリーゲル)の印象。
タイムトラベルの考え方やアイディアは 面白いと思うけど
物語としての深さと味付け、絶望・暗さを考えざるを得ない中での
歴史に立ち向かう脇を固めるキャラクターの魅力は
少し物足りない。
⇒2012年5月は『天冥の標』を読み返していたので
新規読書量少なめ… -
どうしても『高い城の男』と比べちゃって、黒歴史部分の描写がうすっぺらいのは否めないけど、そういうのをホーガンに求めてはいけないのだ。能天気だ。
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2010/12/04読了。