時間ハンマー (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-402 宇宙英雄ローダン・シリーズ 402)

  • 早川書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150118112

作品紹介・あらすじ

テルムの女帝の故郷世界、ヨクサ=サント星系第三惑星ドラクリオチに到着したローダンは、ようやく地球の座標を入手した。だが、女帝の要請を受けたローダンは、まず第四惑星ルーグ=ピュアをグッキーたちに調査させた。つづいて、ドラクリオチの"忘れられた者たちの場所"と呼ばれる大陸トロルトゥングを調べさせるべく、ラス・ツバイ、ロワ・ダントン、ロード・ツヴィーブス、ガルト・クォールファートらを派遣した。

感想・レビュー・書評

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  • ・803話 : 忘れられた者たちの場所、エルンスト・ヴルチェク著
     冒頭、クロイスロン人の目から見た描写が詩的で、505巻「マルディグラの工作員」の1009話「マルディグラの工作員」、511巻「アルキストの英雄」の1022話「アルキストの英雄」に似ていると思ったら、全てエルンスト・ヴルチェクの作品だった。回し書きの面白い効果だと思う。“青ざめた美形”のベラミが主体的に動き回るのかと思ったがそうではなかった。
     次にたくさんの異星人が登場し、洋梨型のワセン、石筍のタウテカー、ビーバーの小シャンクなど、絵で描いてみた。それぞれに特徴があって面白かった。
     派遣されたラス・ツバイ/ガルト・クォールファート/ロワ・ダントン/ロード・ツヴィーブスの調査で、トロルトゥングには26種族が捕らわれており、割り当てられた居留地の境界を維持するために、絶えず戦い続けていた。その中で、クラゲ状生物のヤウンの市民が代表となり、各種族を小競り合いさせることで、調停しようとするコンプに対抗していた。と理解した。
     最後に調査隊が各種族をかき回したところで、トロルトゥングの防御バリアが崩壊し、ケルセイレーンの影響が届き始めた。テルムの女帝はこのために人類を送り込んだのか。我々には全く理解できなかったとある通り、読む方も意味が分からなかった。それが詩的な描写であるかもしれない。
     聖杯の母たちが、ヨクサ=サント星系を去ること、バルディオクとの戦いでテルムの女帝側に立つ必要をローダンに伝えた。《ソル》は出発した。3隻が合体する構造であるのを初めて知った。401巻でのドラクリオチの着陸の表現が理解できなかった理由が分かった。
    (2018.2.9読了)

    ・804話 : 時間ハンマー、クルト・マール著
     前話から一気に話が展開する。場面も実に多彩で、何度も内容を確認した。
     400巻「テルムの女帝」の799話「テラとの別離」の最後に登場した、ローマ近郊の廃墟で眠りから覚めたグラウス・ボスケッチは、2年くらいかけて北を目指すうちに仲間が増えてナムセン・フィヨルドを越え、古代都市ナムソスに入った。満を持して登場した人物かと思ったら、小陛下に捕らわれて、毎日地球人を呼び戻す唱和をするグループの代表になってしまった。
     惑星インテルメッツォで地球を見張っているテラ・パトロール一行では、ワリウ・カウクがローマ皇帝ディオクレティアヌスになったり、隊長ジェント・カンタルがイラチオ・ホンドロになりフルクース船に接近したりする事件が起こった。その現象をサンテ・カヌペが“時間ハンマー”と呼んだ。ドウク・ラングルは、小陛下によりテレパシー性暗示能力を開発された40-60名が地球から呼びかけを行う中で、種族の記憶や人類の知識の断片のインパルスが含まれていると推測した。さすが研究者で、姿が興味深いのだが、暗色で角がはっきりしたクッション状の体で、左右の足はその角に位置し、表面にアンテナ状・扇状の感覚器官が多数あり、幅広のベルトだけを身に着けている。
     グッキーの偵察で、テラニア・シティや各都市は無人であり、ルナからの応答も無かった。宇宙船と遭遇し、超越知性体バルディオクの具象ヴェルノクと似ていて、確認のために宇宙船内にテレポートした。フルクースの司令官ゲログロシュが見なかったことにしたのは、よくある反応だ。
     《ソル》では200億人が消えてしまったことに落胆し、調査のためにブリーがゴシュモス・キャッスルの観察ステーションに出かけた。799話「テラとの別離」でブラフ・ポラードに逃げ出されてしまい、神の庇護を失ったイティ・イティ族の最長老ミツィノは、現れたブリーを神と崇めた。ブリーはミツィノから大カタストロフィの後生き延びた者がおり、また1年前に神に逃げられたことを聞き出した。ブリーの聞き出す態度が横柄かつせっかちで面白く、哀れに思ったミツィノに自分のクロノグラフを神の印として与えていた。それにしても直前に神が一人いて消えてしまい、誰だったのだろう。その神はオオバクと呼ばれていて、発見された時に「おお、ばかな!」と言ったことでそう呼ばれたのではとローダン達が推測したのはお笑いの要素なのか。もちろんドイツ語を日本語に直したと思うが。
     《ソル》からのもう一つの試みとして、地球に古いコードを発信し、シガ聖人クリアク・ジョンからすぐに返信があった。実際には、ラファエルからで、ネーサンが作った霧になるすごい存在らしい。この応答に期待し、アトラン/ブリー/ジェフリー・アベル・ワリンジャー/グッキーがS=SJ=38でルナに入った。すぐに消失した人類の謎が分かるのだろうか。
    (2018.2.13読了)

  • ローダンシリーズ402
    久しぶりのツヴィーブスは登場する必要があるのか
    表紙   5点工藤 稜   五十嵐 洋訳
    展開   5点1977年著作
    文章   5点
    内容 500点
    合計 515点

  • ついに地球発見、そして人類消失。まぁ、『それ』のせいだってこちらはわかっているので、人類がいないという衝撃にビックリできないのは、ちょっと残念。

  • やっと地球に到着、ただ前半ははっきり言っておまけ。
    良いところで、次になってしまった! 次の展開はどうなるか、やっとルナに到着、ネーサンは動くか・・・??

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