ペルディード・ストリート・ステーション (下) (ハヤカワ文庫 SF ミ)

  • 早川書房
3.60
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本棚登録 : 148
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (572ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150118549

作品紹介・あらすじ

異端の天才科学者アイザックは、〈鳥人〉ヤガレクの依頼に応えるべく、飛翔理論の研究を進めていた。だが、検査サンプルに紛れ込んでいた謎の幼虫が羽化、圧倒的な力を持つ夢蛾スレイク・モスとなって、住人を無差別に襲い始めた。モスを解き放ったことから追われる身となったアイザックは、ヤガレクとともに夢蛾を追って卑しき都市をさまようこととなる。

感想・レビュー・書評

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  • す、すごいお話だった…!
    上巻とはうってかわって凄まじいスピードで物語が展開していきます。

    夢蛾(スレイク・モス)のなんとおぞましい事か。
    否応なく食物連鎖に組み込まれた生き物は、「捕食」は避けては通れない。
    でも、この蛾の捕食シーンは思わず嫌悪感をもよおすほど><

    大蜘蛛のウィーヴァーが良い味出してます。
    信用のならない気まぐれな協力者。何故か惹き付けられる。

    ヒーローと呼ぶには、あまりにも冴えないアイザックと、
    ヒロインと呼ぶには、あまりにも異質なリン。(何しろ昆虫…)
    そして、特別な立ち位置にある鳥人ヤガレク。

    このままでは終わって欲しくない!続編に期待です。

    • 日向永遠さん
      nanacoさん、こんばんは★ おおっ読み終わったんですね!!それも、とても高評価!うれしいな~蜘蛛も知能をもった掃除機とかもうめちゃくちゃ...
      nanacoさん、こんばんは★ おおっ読み終わったんですね!!それも、とても高評価!うれしいな~蜘蛛も知能をもった掃除機とかもうめちゃくちゃ?な話でしたよね。刑罰が体を改造されてしまうとか・・・短編集「ジェイクをさがして」のなかにジャックというリメイドの話が載ってますよ。そっちも面白かったです^^
      2012/07/22
    • ななこさん
      日向さん、こんばんは~^^いやぁ、面白かったですね!日向さんの蜘蛛好きが分かった気がします(笑)ウィーヴァー、怖いけど好きだなぁ…。掃除機が...
      日向さん、こんばんは~^^いやぁ、面白かったですね!日向さんの蜘蛛好きが分かった気がします(笑)ウィーヴァー、怖いけど好きだなぁ…。掃除機が知能を持っているのを知った瞬間とか、ドキドキしましたね><本当に、スゴイ世界観でした。「ジェイクをさがして」も是非読んでみようと思います~♪素晴らしい本を紹介して頂いて、本当にありがとうございました!
      2012/07/23
  • 都市と都市も、鳥肌が立つくらいの
    モンスターみたいな作品やったけど、
    更に恐ろしい作品。

    この人、絶対にSFの歴史に名前が残る。
    それも太字で笑


    ハッピーエンドじゃない、
    むしろ悲しくて悲しくて…でも
    何故か大雨の後の晴れ渡ったソラを
    彼が飛んで行く姿が見えたように思う。

    この何年かで、自分の中でベストの小説。

  • 科学と魔法。
    半獣半人、半虫半人、ガラクタでできた巨大な知性ロボット、夢蛾、次元を移動する蜘蛛。
    これでもかというくらい詰め込まれて、話が進むので、読むのにとてもとても時間がかかった。
    ヤガレク(半鳥半人)のエンディングは何だか悲しかった。

  • 2014/1/4購入

  • 圧巻。これぞスチームパンク!ヒロインが昆虫っていうのにまず度肝を抜かれて(でもうまくイメージできてない)、町の描写、科学と哲学のしっかりした基礎、ここまで無茶苦茶をやっておいてアラが見えないのが素晴らしい。小難しい深淵なSFってわけでもなく、漂うクレバーな雰囲気。ミエヴィル、やっぱりすごい。ガルーダのヤグが、、、切ないけれど、冒険譚だし、映画化かアニメ化していいと思う。映画化ならジュネ監督がいい!ふと、原題を見て、Perdido、喪われたストリートか、と思ってさらにヤグが切ない。

  • 面白かったので,比較的一気に読み切ったのですが,元々何でもありのストーリだった為,だんだんストーリーも滅茶苦茶になって行っている感じが・・・。

  • 凄かった。面白かった。チャイナ・ミエヴィルの作品を全て読みたくなった。

    幻想的かつ暗澹としたニュー・クロブゾンの都市描写、魔術学と科学を掛け合わせたとんでもないけど興味深い統一場理論、リメイドをはじめとした悪趣味感たっぷりの登場キャラクター達。ファンタジー、SF、ホラーの境界を行き来する感じでカオス的。

    今まで感じたことが無い驚異と不快さと面白さが混じり合った読書感。でも何か懐かしい感じもする。

    文庫で1100ページ以上のボリュームとディティールまでこだわった文章で読むのに時間が掛かったが、読んでいる間はこの世界観に浸れて本当に幸せだった。

    良い意味でやりたい放題にガジェットや伏線を盛り込んだ前半のストーリーを、後半でちゃんと収束しているのは凄いし、余韻を残す結末も良い。

    いつの時代も天才はいるんだなあと素人ながらに思った。

    <”踊る狂神”ウィーヴァー最高!>

  • という訳で、後篇です。
    いやはや、夢食いモスラに哲学しすぎる巨大タランチュラ、
    おまけにスカイネット的ジャンク製AIと来ましたか。

    スチームパンクと言えば蒸気機関と機械仕掛けの狭間で自我が芽生える、
    というのはお馴染みですが、その特異な精神の在り方がが
    ヴァンパイアすら吸い殺す精神を食べる系のクリーチャーの天敵、というのは何とも。
    人工知能VS超常現象クリーチャー、その狭間で人は、街は?
    的な展開で今後も続いて行くような気がします。行けばいいな(願望)
    このボリュームでパート1ってのも贅沢な話で。読むの結構かかったよ。

    鳥人ヤガレクがどうにも「ウォッチメン」のロールシャッハさんとダブって見えてしょうがない今日この頃。

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