- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150119119
感想・レビュー・書評
-
下巻もやっぱり読了に時間がかかってしまった。上巻でバラバラに動いていた各集団が下巻で入り交じりバトルに発展していくのだが、各集団の設定が魅力的なので、それをイメージするのは楽しかった。ただ、内容的にはある意味非常にバカバカしい(苦笑)。作者が気分転換に書いたのががっつり伝わってくるので、そうと承知したうえで一緒に面白がることができればよいかもしれない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジャンルミックス作品の下巻。
ファンタジーやホラーの要素が強め。
なんでもありの破茶滅茶な娯楽作品でした。
なんでもありすぎて、想像力が追いつかなかったような気もする。 -
クライマックスの「召喚」シーンがとにかく圧巻。このワクワク感やスケール、神性描写は他では味わえないと思う。視覚的に度肝を抜かれるであろうシーンを文章で表現してしまうのだから恐ろしい。
-
多彩な作風を示すミエヴィル、この『クラーケン』は『アンランダン』に似ている。シュールというよりアブサード。正直、あんまり好きじゃない作風。クラーケン、すなわちダイオウイカの標本が神? アホくさいことを言う。アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのが、しらけてしまうのだ。アホくさいことに気づかず、アホくさいことをアホくさく言ったり、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことを真面目くさって言うのはいいのだが、アホくさいことを承知の上で、アホくさいことをアホくさく言うのは、その内容のアホくささに語りのアホくささが加わって、しらけてしまうしかないではないか。
ミエヴィルはこの作品の前に『言語都市』を書き上げ、『都市と都市』の執筆の合間の気晴らしに,この作品を楽しみながら執筆していたようだが、ひとり悦に入っている感が否めない。
実にいろいろなキャラクターが投入されている。ギャングのボス、タトゥーはある種の拷問として刺青に変えられいて、ある男の背中に掘られてしまったが、そこから指令を発し、昔の部下を集めて、ギャング団を再結成している。彼のもとで働く殺人者、ゴスとサビーが本書における最凶。かつてのロンドンの支配者グリザメンタムは死んだはずだが、生きているらしい、しかも以外なものに姿を変えて。警察のカルト対策班の魔法を操る婦警コリングスウッドとカルト研究家ヴァーディ教授も事件を追う。ゴスに消されてしまったビリーの友人の彼女マージもビリーの居所を探す。
ダイオウイカを手に入れて世界を滅ぼそうとしているのは誰か。最後の最後までわからない。ダイオウイカをあがめる教団にいたデイン、人形ならどこにでも入り込めるワティらとともに、ビリーはダイオウイカを探し出し、世界の終わりを止めようとする。ビリーを助けに来るのは標本を入れる瓶の化け物「記憶のエンジェル」、そして中立を保っていたはずの〈海〉。
惜しげもなく投入された個性的すぎるキャラクターの中で主人公ビリーは地味もいいところ。そして、話はある種の「セカイ系」になり、そのときビリーの職業がものをいうのだが。 -
物語の良さがひどすぎる翻訳のせいで台無しにされた作品の後編。ダイオウイカとクラーケン伝説、世界の終末を結びつける優れた世界観を台無しにしたこの翻訳家マジで許せない(怒)
-
2014/3/12購入
-
このお話は、メタファ(隠喩)が現実になる物語なのですね。あらゆるカルトのメタファが喧嘩しながら現実化・裏返しになるだけで、ストーリーがつむげる。しかも、SFっぽい非現実的な事態についての「科学的解説」は不要(笑)しかも、もとはメタファなんだから、現実化したイメージは強烈。個人的には、Queen のJazz の曲が使われてたことに高まった。ワティがお気に入りのカーク人形も。でも、このお話のロンドンの街はきちゃないな~。
-
読みづらいが、舞台設定は面白いと思う。
読んでいる期間は飲み屋などでイカを見るたびにこの話のことを思い出してしまった。 -
情け容赦ない。割とさくさく展開し、人が死ぬ。さすがクトゥルフの世界と思いつつ、世間でいうと頃のハリウッド映画的なホラーを想像するといかんかも。ヒーローですら油断ならん。