- Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150119713
感想・レビュー・書評
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火星への有人飛行が出来るようになるくらいの近未来が舞台です。火星探索ミッション中に事故で火星に一人取り残されることになった植物学者兼エンジニアが、残された機材と限られた資源、知識と行動力と前向きなメンタルをフル活用してサバイバルする話です。
宇宙人は出てこないですし、超常現象もありません、陰謀や犯罪も無いです。ドロドロした愛憎劇もありません。登場人物はみんな良い人です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ベッタベタな(アメリカ的)SF。良い意味で。
活字なのに映画館にいる気分になる。良い意味で。
ジェットコースターのように展開が進行し、さくさく読める。1ソル(火星における1日の単位)で読了できるのでは。
文系の人は読むのがちとつらいかも。
映画もみてみたいな。 -
面白い!
訳の分からない、異星人や、天変地異が有るわけではなく、ただ純粋に、アクシデントがあり、そして科学的な問題点で構成されているという所が、また良い。
この作者の処女作品らしいですが、こう言う才能のある人が居るんですね。しかもこの作品、最初は無料で、作者本人のHPからダウンロードする形態の、言ってみるとある意味同人誌と言うか、単なる趣味の範疇であったという所が凄い。それがあれよあれよという間に、映画化されるんですからねぇ。
読んでいる最中、頭の中では、マーク・ワトニーは映画版の主人公のマット・デイモンの姿に置き換わっていました(笑) -
なんか最近やけに目につく、しかも評価がはんぱなく高いのでどんなもんかと思って手に取った本。火星で1人の人間が科学を総動員して生き延びる話なので、ヒューマンドラマとしては明るくて力強くていいのかもしれないけど、SFの世界観とかが好きな私にはあまりピンと来なかった。
P461「ふりむいて、ローバーとトレーラーがあるほうを見ると、ぼくが置いてきた場所にそのままあった(火星には自転車泥棒はほとんどいない)。」
という感じの、のんびりしたユーモアのある語りが延々と続きます。どんな致命的なことがあって逆境に陥っても、ペースを崩さず、超絶的なポジティブ思考で乗り越えていける主人公が素晴らしい。 -
各方面で非常な高評価を得ている本作。それがまず頭にあったので、実際以上に高く評価してしまっている気もする。もともとSF好きである上に「非凡」であるということを刷り込まれた状態で読んだのでまず第一に「良作だ!」と感じた。
しかしながらよくよく考えてみると難点もあり、一つはSFの売り(と自分が思っている)である哲学性があまりない。もう一つは、機械というか技術というかそれ関連の描写がよく分からなかった。
翻訳は良かった。
タイトルの『火星の人』というのも火星に取り残された宇宙飛行士のサバイバルの話なだけに前向き感があって良いと思う。 -
不慮のアクシデントにより火星に一人取り残された主人公の独白(作業ログ)という体裁で物語が進む。600ページ弱ある長編ながら、丁寧に筆致された火星の風景や人類が生活し得ない環境下でのサバイバル模様にぐいぐいと引き込まれる。
本作では、宇宙SFにありそうな「地球外生命体の脅威」「国家機関による陰謀」「クルーによる謀略」等は一切省かれ、工学・化学・生物学・物理学・ユーモア(!)を織り交ぜながら、主人公の極限生活に現実的な説得力を持たせているのが特徴的。主人公が度々陥る危機も突飛なものではなく、あくまでもささいなヒューマンエラーに基づいている点もリアルさがある。
以上、普段はあまりSF作品は読まないけれども、本作は訳者の優れた翻訳もあり非常に面白かった。
また、本作を原作とした映画も来年2月に公開されるということで、こちらも楽しみ。主演のマット・デイモンは好きな俳優だし、最近観た『ゼロ・ダーク・サーティ』で素晴らしかったジェシカ・チャスティンが本作の勇ましい女船長ルイスを演じているということにもワクワクする。 -
火星上ひとりぼっち!!前向きで楽天家の主人公を応援せずにはいられない。
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rebuidfmでこの作品のことを知りました。読む前はカタカナの専門用語が飛び交う高貴な作品かと想像していましたが、そんなことはなく、逆に裏切ってくれて、どんなに苦境でもしぶとく諦めないで生きることの大事さを教えてくれます。1900年代後半のアメリカのコメディーやドラマの知識がある人は、よりもっと楽しめるだろうと思います。要所要所でジョークを飛ばしているので。
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久しぶりの没頭できる長編小説だった。ワトニーのジョークが話に潤いを与えている。
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火星でひとり救助が来るまでサバイバル生活を送ることになってしまった男の話。
とにもかくにも、ワトニー君のポジティブシンキングに脱帽。本当に強い人というのはこういう人なんだろうね。悲壮感が良い意味で感じられず、語り口も軽妙なのでノリ良く読めた。映画も楽しみ。